不眠症の改善に必要な知識

あなたが眠れなくなったのは、いつからですか?

「眠れない」と言っても、全く眠れないということはないはずです。
具体的には、毎日どれくらいの時間眠れているのでしょうか。また、本来眠りたい時間から、どれくらいの「ずれ」があるのでしょうか。

不眠症には、必ず原因となる病気や心的ストレス、生活習慣などの「理由」が存在しているはずです。

このページでは、不眠症の改善に最低限必要な知識をまとめてみました。少々長くなりますが、無駄な知識ではありませんから、最後までお付き合いください。

「完全な不眠」はあり得ない?

さて、人間には本来「恒常性(ホメオスタシス)」という機能が備わっています。これは、生物が生体を一定の状態に保とうとする力のことです。
睡眠も、恒常性によって「しばらく眠らなければ、自然と眠くなる」「昼間に眠り過ぎれば、夜は眠れなくなる」こういった作用が、基本原理として適用されています。

睡眠の恒常性

ですから、全く眠れないということは本来はあり得ないはずなのです。人間は、長期間の間全く眠らなければ、生きていくこと自体が不可能となります。
どうしても眠れないというのなら、眠くなるまで起き続けてみてください。きっと、2日と待たずに眠ることができるはずです。

眠くなったら自然に眠る。眠れないのなら起き続けておく。これこそ人間らしい、自然な眠りを送る重要なポイントです。
しかし、私たち人間は、犬や猫とは違います。

眠れない

「自由な時間に眠って自由な時間に起きる?
それができるなら苦労しないよ」

という事情があるはずです。

どうしても朝は早く起きなければいけない。眠れなければ、次の日の仕事に支障が出る。
こうした人間ならではの理由こそ、不眠症が深刻化するひとつの要因です。そして、不眠症という症状を、より複雑にしている根本的な原因とも言えるでしょう。

不眠症を改善するには

不眠症を改善するには、まずはあなたの不眠症の原因となるものを知ることが先決です。原因を知らなければ、改善のしようがありません。

「ちょっと原因までは分からないから、そういうのはお医者さんに任せようと思う」

という声が聞こえてきそうですね。
確かに、不眠症の治療は病院でも行われています。ただし、不眠症の専門的な治療を行ってくれる病院は、現実の臨床の現場にはほとんどありません。

もう少し細かく書くなら、不眠の症状を詳しくヒアリングした上で、その人に合った改善指導を親身に行ってくれる病院(お医者さん)は、残念ながら私自身、出会ったことがありません。睡眠について、専門的で的確なアドバイスができる医師というのは、実はまだまだ限られているからです。

実際に、不眠症の治療で病院に通院している(していた)方の中で、不眠症が根本的に治ったという方はどれくらい居るのでしょうか。
多くの場合、睡眠薬だけ渡され、結局は薬がやめられずに不眠が悪化したというケースが多いのではないでしょうか。だからこそ、こうやって(インターネットや書店で)不眠の改善について、本当に役立つ情報を自分で調べているという人が沢山いるのだと思います。

不眠症の改善に必要なこと

一言で不眠治療と言っても、その方法は様々です。
それこそ、どのような原因によって不眠の症状に至ったのか?この「どのようにして」によって、治療方法は様々です。

ですから、まず第一にあなたが不眠症に至った原因を調べることから始めてみましょう。過去の記憶を遡って、あなたが眠れなくなった日(そしてその前後)のことを思い出してみてください。
不眠症の種類については、以下の記事の中でも分類をしています。

あなたの不眠が、精神的なストレスによって生じたものなのか、それとも全く異なる別の原因が存在するのか、これだけでも分かっているといいですね。
最近では、眠れないこと自体が不安の種となり、余計に不眠が悪化する症状に悩む人が増えています。あなたにも心当たりはありませんか?
不眠の原因がはっきりと分かったら、初めて不眠症の改善を行うことができます。原因が分からなければ、改善のしようがありません。

原因が把握できていない状態で、睡眠薬などに安易に頼ることは、お勧めできません。それは、不眠の症状を悪化させる可能性や、薬への依存度を高める危険性さえあるのです。
このサイトでは、私自身が不眠症で悩み、不眠治療に長年取り組んできた経験を元に記事を書いています。経験の中から、不眠症の原因をいくつかに分類してみようと思います。

病気が原因の不眠・ストレスが原因の不眠・生活習慣が原因の不眠

大きく分けると、このような3つに分類できるはずです。

「病気」が原因の不眠症

注意して頂きたいのは、上の3つの中でも、不眠症の原因が何かしらの「病気」から引き起こされている場合です。この場合、いくら色んな方法で不眠を改善しようと試みても、その病気自体が改善しなければ、まず不眠は治せません。

分かりやすい例を出すと、喘息(ぜんそく)や腰痛があります。

いずれも、激しい咳が出たり、腰の痛みがある状態では満足に眠れませんよね。辛い症状です。この場合、不眠治療よりも先に、元となる病気を治すことが重要となってきます。
不眠症と言えば、最近では睡眠時無呼吸症候群という病気も注目されていますね。
眠っている間に、呼吸が瞬間的に停止してしまう病気です。睡眠障害のひとつですが、これも睡眠を遮断してしまう嫌な病気です。

この場合もまた、先に治療すべきは不眠ではなく、睡眠時無呼吸症候群という病気です。

ここで、私の不眠の経験を元に、ちょっと分かりにくい「曖昧なライン」について考えてみましょう。それは、うつ病自律神経失調症を伴う不眠の場合です。
もう一度先ほどの図を見てみましょう。

病気が原因の不眠・ストレスが原因の不眠・生活習慣が原因の不眠

ここであなたに質問なのですが、うつ病は図の3つの中で、どこに位置すると思いますか?

そうです、うつ病は明確な「病気」です。ストレスではありません。うつ病は、不眠症を伴うことの多い病気です。この場合、先ずはうつ病を治すことこそが、不眠を解消する第一となります。

ただし、本人が「私はうつ病ではない」と固く信じていた場合はどうなるでしょうか?

その場合、このサイトに書いてある改善方法をいくら試したところで、不眠は改善されません。自身の病気の状態を「正確に把握する」ことは、何にも増して大切です。そして、意外と難しいことです。

こんな事を言うと怒られそうですが、うつ病の診断は医師でも簡単ではありません。その証拠に、全く同じ症状でいくつかの病院に行っても、うつ病と診断する医師もいれば、「ストレス」の一言で片付けてしまう医師もいます。
この話は、決して冗談なんかではありません。心の病とは、見分けることが単純ではないのです。

体調にまで影響が出るような、ひどく憂うつな状態が数週間も続く場合。これはもう、ただのストレスとは考えにくいです。さらに不眠を伴っているとなると、状況は深刻です。
この場合、個人の力だけでなんとかしようとすることには限界があると思います。自分では判断し難い場合は、うつ病・睡眠についての専門の知識を有するお医者さんを受診することをお勧めします。

次に、自律神経失調症の例を考えてみましょう。もう一度図を見てみましょう。

病気が原因の不眠・ストレスが原因の不眠・生活習慣が原因の不眠

これは難しい問題だと思います。私自身、自律神経失調症は(それに伴う不眠も含めて)長く経験していました。この場合、図の中のどこに分類するべきでしょうか?

自律神経失調症の主な原因は、ストレス生活習慣にあります。私は医者ではありませんが、自律神経失調症は、原因となるストレスや生活習慣を改善することによって、(自分の力によって)治療することができる病気だと信じています。
これは、私自身の経験の中でもはっきりと感じたことです。

自律神経失調症の分類

このサイトにおいても、不眠の原因が自律神経失調症にある場合は、自律神経失調症の原因(ストレスまたは生活習慣)を改善することが第一。その結果、不眠も治せるという強固な考えの元で、執筆を続けています。

ストレスが原因の不眠症

不眠の原因にストレスが隠れているという場合は、とても多いものです。
ストレスと聞くと、ほとんどの人は人間関係や職場のストレスを思い浮かべるでしょう。そうした精神的なストレスはもちろん当然なのですが、それ意外にもストレスはあります。

それは、「眠れないこと」です。この考え自体がストレスになります。早く眠らなければ、と焦る気持ち。また眠れないのではないか?という不安な気持ちが、不眠の症状を悪化させます。
これは、精神生理性不眠症という名前までついた、立派な不眠の症状のひとつに分類されています。

最初のちょっとした不眠がプレッシャーとなり、症状が悪化していく。こうなると、不眠症は習慣的な意味合いを持つようになります。
このような場合、根本的なストレスに対処するのは勿論ですが、ストレスとなる考え方の習慣を断ち切る力が必要となります。

生活習慣に問題がある不眠症

現代に生きる私たちにとって、避けられない不眠の原因に「ストレス」ともう一つ、生活習慣があります。
生活習慣には、様々なものが含まれます。その中でも、特に不眠症と関連しており、重要だと言えるものをいくつかピックアップしておきましょう。

  • 起床時間は、毎日早い時間に起床すること。
  • 就寝時間は、毎日早い時間に眠ること。
  • 昼寝はしないこと。
  • 食事は寝る3時間前に済ませること。
  • 毎日最低でも30分程度の運動をすること。

読んでいただいても分かる通り、現代に生きる私たちにとっては、生活習慣を規則正しく健康的に保つということは、とても難しいのが現実です。
だからこそ、今、不眠症に悩む人は年々増加傾向にあるのです。

口を酸っぱくして、繰り返し何度も書いていることですが、確かに病院に行けば、手軽に睡眠薬を処方してもらうことができます。飲み続けていれば、誰でも眠ることはできます。
しかし、不眠の症状を元から正すためには、生活習慣を規則正しくすることが一番の妙薬なのです。

そうした不眠への向き合い方、生活サイクルの整え方については、以下の記事に詳しくまとめています。どのような原因にしろ、不眠に悩んでいる方の役に立つと思いますので、是非ご一読ください。

不眠の改善に有効な成分

長く不眠症に悩んでいる方なら、おそらく睡眠薬は手放せない存在になっているはずです。
ことさらに睡眠薬の服用をやめたほうが良いというわけではありませんが、睡眠薬には多くの不安要素と、様々な健康リスクがあるということは周知の事実です。

あなたが、睡眠薬の知識を全く持たないまま、与えられた処方薬を飲み続けているというのなら、まずは睡眠薬についての基本的な知識を持つことが必要不可欠です。

不眠症に悩む方が増加し、睡眠薬(向精神薬)が社会的に蔓延している昨今、健康被害や国の医療費の圧迫を含め、様々な問題が噴出しています。このような中、医薬品ではなく、自然な成分で睡眠の質を高めようとする努力も進んでいます。
実際に、睡眠の質を改善する科学的な根拠のある「自然な成分」は存在します。こうした成分は、私達の食生活にも摂り入れることができます。

  • 快眠成分の研究

もちろん、睡眠薬を真っ向から否定するつもりはありません。
睡眠薬は、適切な指導の下で有効に活用すれば、短期間で服用をやめることができるものです。健全な睡眠医療の知識を有する人が、不眠治療に用いることについては大賛成です。

しかし、薬に頼らなくても不眠症が改善できるのなら、これに越したことはないはずです。あなたも、この意見には賛成してくれるのではないでしょうか。

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