睡眠薬だけ処方して欲しい – それでも診察は必要?
最近では、睡眠薬の処方が、ごく手軽で一般的になってきています。
睡眠薬の種類自体、安全でクセの少ないものが増えてきています。インターネットで調べれば、どのような睡眠薬にどんな効果があるのか、ある程度は調べることも、敷居を低くしているのかもしれません。
もちろん、インターネットに書かれてあることを、全て鵜呑みにしてはいけないのですが。
中には、お金と待ち時間のかかる診察は省き、必要な睡眠薬だけ処方して欲しいという方も沢山いらっしゃいます。
薬についてある程度調べ、どのような危険性があるかも分かっているのだから、わざわざ無駄な時間を挟むのではなく、薬だけ処方して欲しいと考えるのも、無理はないような気もします。
睡眠薬だけ処方してもらうことはできる?
睡眠薬や抗うつ剤、精神安定剤などを、診察を受けずに処方してもらう方もいるようです。
ただし、具体的には、初回はもちろん診察をしてもらいます。睡眠薬も抗うつ剤や麻薬と同様に、向精神薬に分類されています。
副作用や依存性の危険性。さらに、近年では睡眠薬の気分高揚の効果を乱用し、麻薬と同様の目的で乱用する人。
そうした危険な使い方をする人達に、処方してもらった睡眠薬を転売するなどの問題が相次ぎ、睡眠薬を手軽に処方してもらうことも難しくなりつつあります。
医師の事情と患者の事情
患者さんにしてみれば、長い待ち時間を受付で過ごし、やっと診察室に入ると2〜3分でお決まりの問診が終わり、薬が処方される。
もちろん、問診に関しては薬の処方以外に費用を支払わなければいけません。こんな事が毎回続いていては、問診に何か意味があるのか、医師に対しても不信感が募ってしまいます。
しかし、医師にしてみると、初回だけ顔を合わせたは良いが、その後患者さんの顔を見ずに薬を処方していては、責任問題にも関わります。
最初にも述べたように、昨今は睡眠薬の転売、乱用は非常に深刻な問題となっています。いくつかの病院を回り、睡眠薬を大量に処方してもらっている患者さんもいるのです。
自分が問診せずに、薬を処方した患者さんが、何かトラブルを起こした場合、薬を処方した医師の責任問題となってしまいます。
このように、患者さんと医師の側で、それぞれの事情が異なり、診察をせずに睡眠薬だけを処方してくれる医師自体、最近では少なくなってきているようです。
薬だけ処方してくれる病院
ただし、精神科や心療内科ではなく、内科の医院などでは、比較的手軽に睡眠薬を処方してくれる割合が多いようです。
もちろん、精神科などと比較すると、内科で処方される睡眠薬には限りがあります。
また、そうは言っても、最低でも◯回に1度は診察を受けなさい、というふうにルールを定めている病院もあります。
睡眠薬を巡る医師の対応は、病院によって様々です。患者さんにとって都合の良い病院を探すというのもひとつの方法かもしれません。
しかし、最も重要なのは、睡眠薬を飲まなくても良いように、不眠症を根本治療することにあります。