睡眠薬の「継続服用」が副作用を加速させる
睡眠薬は、継続的に服用することによって、副作用の危険性を高める薬です。これは、ほとんどの睡眠薬の添付文書に記載されているはずです。
念のため、一部の主要な睡眠薬の添付文書から、該当部分を抜粋してみます。特にアモバンとハルシオンの箇所は、重複する内容となりますが、そのまま転載させていただきます。
◼︎以下は、マイスリーの添付文章の記述です。
重要な基本的注意
本剤の投与は継続投与を避け、短期間にとどめること。やむを得ず継続投与を行う場合には、定期的に患者の状態、症状などの異常の有無を十分確認のうえ慎重に行うこと。
◼︎以下は、アモバンの添付文章の記述です。
重要な基本的注意
不眠症に対する投与は継続投与を避け、短期間にとどめること。やむを得ず継続投与を行う場合には、定期的に患者の状態、症状等の異常の有無を十分確認のうえ慎重に行うこと。
◼︎以下は、ハルシオンの添付文章の記述です。
重要な基本的注意
不眠症に対する投与は継続投与を避け、短期間にとどめること。やむを得ず継続投与を行う場合には、定期的に患者の状態、症状等の異常の有無を十分確認のうえ慎重に行うこと。
上記は、各製薬会社から発行されている添付文書から、そのままの内容を転載をさせて頂いています。
私がとても不思議に感じるのが、ここまではっきりと記載されているにも関わらず、実際に病院でこれらの睡眠薬を処方して貰う際には「安全で、依存性などはほとんどない睡眠薬」なので、「継続して服用しても大丈夫です」と言われる点です。
継続服用は特に危険!
睡眠薬に関する副作用の中でも、継続服用による離脱症状・依存性は特に厄介な症状です。
上記の薬の中でも、マイスリーは特に安全な薬と言われています。しかし、マイスリーでさえ継続的な服用は「重要な基本的注意」として注意喚起が記載されています。
基本的な注意ですから、本来は当たり前の話のはずなのにです。
ところで、日本よりも海外の先進諸国の方が、睡眠薬の継続服用に関するガイドラインは厳しいようです。
ハルシオンやマイスリーは、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系という睡眠薬にカテゴリされる薬ですが、他国と比較しても、日本はこうした薬の大量投与、依存のリスクが問題視されています。
2011年の国際麻薬統制委員会の報告書では、日本のベンゾジアゼピン系催眠鎮静剤の人口1000人あたり消費量はベルギーに次いで2位であった。
2012年の独立行政法人国立精神・神経医療研究センターによる全国1609の有床精神科医療施設を対象とした調査によれば、それら施設を受診した薬物依存患者のうち、依存薬物種類において鎮静薬の占める割合は徐々に上昇し、2010年調査で有機溶剤を抜いて2位となった(1位は覚せい剤)。
上記にあるように、精神医療施設を受診した薬物依存症患者として、2番目に多いのが睡眠薬などの薬ということになります。
あなたは、この事実をどのように考えるでしょうか。