不眠症でドリエルを使ってはいけない – 驚くべき成分

ドリエルは、2003年に発売された睡眠改善薬です。
この薬のことを、不眠症の治療薬と考えている人も少なくありませんが、それは大きな誤解です。
ドリエルは、睡眠薬でもありませんし、不眠症の治療薬でもありません。あくまで、一般用医薬品(睡眠改善薬)であり、病院で処方される睡眠薬とは全く異なる製品です。

睡眠薬

ドリエルの説明書には、「不眠症の方は、この薬を使用しないように」と、しっかり記載されています。

【使用上の注意】
次の人は服用しないでください。

  • 日常的に不眠の人。
  • 不眠症の診断を受けた人。

引用:「ドリエル 添付文書(2011年 10月改訂版)

「寝つきをよくする」という売り文句からすると、およそとんちんかんな文章に見えなくもありません。

不眠症で使ってはいけない成分

不眠症で使用しなかったら、いったいこの薬はいつ使用するべきなのでしょうか。説明書にはこのように書かれています。

こんなとき、こんな方の一時的な不眠に

  • ストレスが多く、眠れない
  • 疲れているのに、神経が高ぶって寝付けない
  • 心配ごとがあって、夜中に目が覚める
  • 不規則な生活で、睡眠リズムが狂い、寝つけない

ドリエルは就寝前の服用により、寝つきが悪い、眠りが浅いといった一時的な不眠症状の緩和に効果をあらわします。

引用:「ドリエル 添付文書(2011年 10月改訂版)

いずれも、不眠症としか考えられない症状のように見えますが、あくまで不眠症の患者さんは服用しないようにというのが、この薬の使用上の注意の目立つ場所に記載されています。
いったい、いつ服用するための薬なのかというと、「一時的な不眠の症状の緩和」と、記載されています。

連用してはいけない薬

ドリエルは、毎日続けて服用してはいけない薬です。多くとも、3日以上の連用は逆効果にもなりかねません。

この薬の効き目成分は、ジフェンヒドラミン塩酸塩というものです。この成分は、抗ヒスタミン剤と呼ばれるもので、風邪薬や鼻炎薬などの、炎症を抑制するための薬に含まれている成分です。
ジフェンヒドラミン塩酸塩には、もともと、眠くなる副作用が備わっています。
その副作用を利用したものが、ドリエルです。

見ての通り、この成分は、本来は不眠の症状に効く成分ではないのです。プラセボ効果と言って、最初の1〜2回は心理的な「思い込み効果」で寝つきがよくなるかもしれません。信じられないかもしれませんが、プラセボ効果の力は絶大です。
また、短期間で薬に対する耐性(抵抗)もできてしまいます。

代わりに、医師が処方する睡眠薬のように、強い依存性離脱症状などの恐ろしい副作用はほとんど心配ありません。
高血圧や心疾患の症状のある人は注意が必要ですが、特に持病もなく、すでに服用している薬もないのなら、あまり副作用の問題を深刻に考える必要はないでしょう。

不眠症の患者さんが使ってはいけない

繰り返しとなりますが、不眠症の患者さんは、この薬は使ってはいけません。効果を実感できないどころか、効き目が悪いからと言って、闇雲に服用量を増やしてしまい、副作用に悩む羽目になり兼ねないからです。

本当に眠れる睡眠薬が必要なら、やはりきちんと病院を診察し、処方薬を貰うことをおすすめします。
また、最近では自然なアミノ酸などを活用した、安全性の高いサプリメントも販売されています。

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不眠症の根本改善は、時間をかけ、生活習慣を改善することも大切です。

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