不眠症は「規則正しい食生活」で改善できる?

実は、食生活が乱れているせいで不眠につながっている、という方は多く存在しています。

文部科学省の調査では、食生活の乱れが日常の生活に影響しているというデータがあります。その中に、食生活と不眠の関係を示すデータもあります。

十分な睡眠や食事、規則正しい生活リズムといった基本的生活習慣が身に付いていないと、「体がだるい」といった不定愁訴を感じ、集中力が低下する傾向が見られる。
これは、生活習慣の乱れによって、睡眠・覚醒(かくせい)リズムや体温リズムなど一日周期で変動する生体リズムが崩れることにより、生理的に「時差ぼけ」のような状態になるためである。

引用元:文部科学省

「食生活の乱れ」は、「①食事の時間」「②回数」「③栄養分のバランス」を総合的に見て判断されます。

  • ①食事の時間
    食事の時間については、毎日同じ時間帯に食事ができているか。例えば夜中に食事を摂るような生活が続いていないかを見ます。
  • ②回数
    回数については、1日3食をしっかり摂っているかを見ます。例えば、朝の欠食などは、一日の体のだるさに影響します。
  • ③栄養分のバランス
    栄養バランスは、今回のテーマである「睡眠」に直接影響する項目です。
夕食

食生活と不眠

乱れた食生活が引き起こす不眠症

不規則な時間に食事を摂ることは、不眠症を引き起こす要因となります。

例えば、夜中に食事を摂ると、食物を消化するために「交感神経」という神経が刺激されます。交感神経とは自律神経の1つで、身体の機能を活性化させる際に働く神経です。
一方、睡眠に入る際には「副交感神経」が働きます。副交感神経も自律神経の1つで、リラックスしたり身体の機能を休息モードにする働きがあります。

そのため、最低でも入眠の2時間前には食事を済ませておくことをお勧めします。食事を終えて2時間は、交感神経が刺激され消化器官の活動が活発になるため、眠ろうとしてもぐっすりと眠ることができないのです。

乱れた食生活が自律神経失調症を引き起こす

食生活のリズムが崩れた状態を続けていると、心と身体のバランスを調整するための自律神経が乱れてしまいます。いつ交感神経と副交感神経を切り替えればよいかが分からなくなってしまうためです。

正しい生活リズムを維持していれば、自律神経は適切なタイミングで自動的に切り替わり調整を行ってくれます。

しかし、意図しないタイミングで交感神経がメインに切り替わると、眠れない、または眠りが浅く疲れが取れない、といった症状が起きます。これが、「自律神経失調症」と呼ばれる状態で、この状態が不眠症へとつながる可能性があります。

正しい食生活とは

正しい食事の時間

正しい食事の時間は、なるべく

朝4時~夜8時の間に3食を摂る
ことが大切です。この時間には意味があります。

身体は排出・摂取・吸収のリズムで24時間動いています。夜8時~朝4時の間は吸収の時間となっています。ですから、この時間帯に食事を「摂る」のは適しておらず、この時間に眠ればぐっすりと眠ることができるのです。

身体に負担のない生活リズムを維持することが、不眠症の改善・防止につながります。

乱れてしまった食生活を改善する

食生活のリズムが崩れて不眠症になってしまった場合は、まず食生活を正しい食事の時間に戻すとともに、必須アミノ酸である「トリプトファン」を500mg~1000mg摂取することをお勧めします。効率的に摂れる食物として、豆類・肉類・魚類があります。

また、睡眠の2時間前までには食事と入浴を済ませましょう。これは、先ほども述べたように、睡眠前に交感神経を刺激しないようにするためです。睡眠前にはリラックスすることを心がけ、自ら身体を眠る体制に持っていくことが大切です。

以上、睡眠を支える食生活について説明させていただきました。

光療法

ここでエッセンスを簡単に覚えるために「3つのキーワード」を用意しました。
これらのキーワードに沿って、食生活のリズムは乱さないこと。また、乱れてしまったら見直すように心がけて見てください。

  • 不規則な食生活は不眠症を引き起こす。
  • 食事は朝4時から夜8時までに行うこと。
  • 眠る2時間前はリラックスすること。
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