睡眠薬の強さ-薬を変える前にやるべきこと

薬を心配する女性

睡眠薬を服用しているのに眠れない、睡眠薬を服用すると眠れるけど朝が辛いなど、睡眠薬の効果に不満を感じる人は少なくありません。

こんな時に真っ先に思い浮かぶのが、薬の強さが合ってないのではないか?という疑問でしょう。
しかし、薬が効かないと感じる場合は、効果を得られない行動をとっている場合があります。逆に、翌朝の辛さがある場合には、薬の作用が合っていない可能性があります。

睡眠薬の効き目を感じない人がやりがちなこと

驚き

睡眠薬は誤解されていることが多い薬です。例えば、睡眠薬を飲めば、おしゃべりをしていても、自然に眠気がやってくると考えている人は少なくありません。しかし、これは間違いです。

睡眠薬の効果を得るためには、適した服用方法があります。

【睡眠薬服用時の不適切な行動】

  • 服用してすぐに布団に入らない
  • 光や音の影響を受けやすい環境で就寝している
  • 就寝直前の食事または空腹での就寝
  • 就寝前にカフェイン、アルコール、喫煙などで神経を刺激する
  • 就寝直前まで、あるいは寝床で答えの出ない考え事をする
  • 就寝直前まで、あるいは寝床でIT機器を使っている

上記のような行動をしていないでしょうか?

これらの点を見直し、改善することで、薬の効果を実感できることは少なくありません。
加えて、規則正しい生活、適度な運動を心がけることが、薬の効果を得るために必要だと認識しましょう。

睡眠薬の強さの違いとは?

睡眠改善薬、睡眠補助薬

一般的に、私たちが「薬の強さ」という時、それは「改善作用の強さ」を意味します。
しかし、睡眠薬の場合、改善作用自体にはどれも大差がありません。では、何種類もある睡眠薬はどう違うのでしょうか?

睡眠薬の強い弱いは、効果の現れる「早さ」です。薬の作用が短時間で現れるものが、「強い薬」と位置付けられます。

では、効果が早く現れる薬を飲めば、しっかり眠れるのかと言えば、そうでもありません。
睡眠薬は、睡眠障害のタイプによって処方が変わります。短時間で作用するものは、作用時間が2~4時間と短いため、夜中に何度も目が覚めるタイプの人には向いていないのです。

処方されている薬の効果に不満を感じるなら、この作用時間が眠りと合っていないと考えることができます。

睡眠薬は、作用成分によって5種類に分類されます。ここでは、最も多く用いられている、ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系の薬の作用時間と半減期を紹介します。

半減期 分類
超短時間作用型 5~10分で効果が現れ、効き目のピークまで1時間未満
入眠困難なタイプに処方されることが多い
ハルシオン(トリアゾラム) 2~4時間 ベンゾジアゼピン系
アモバン(ゾルピクロン) 4時間 非ベンゾジアゼピン系
マイスリー(ゾルピデム) 2時間 非ベンゾジアゼピン
短時間作用型 15~25分程度で効果が現れ、効き目のピークは1~3時間
中途覚醒タイプに処方されることが多い
デパス(エチゾラム) 6時間 ベンゾジアゼピン系
レンドルミン(プロチゾラム) 7時間 ベンゾジアゼピン系
リスミー(リルマザホン) 10時間 ベンゾジアゼピン系
エバミール/ロラメット(ロルメタゼパム) 10時間 ベンゾジアゼピン系
中時間作用型 服用から30分程度で効果が現れ、効き目のピークは1~3時間
早朝覚醒タイプに処方されることが多い
ロヒプノール/サイレース 24時間 ベンゾジアゼピン系
ユーロジン 24時間 ベンゾジアゼピン系
ベンザリン/ネルボン 28時間 ベンゾジアゼピン系
エリミン 21時間 ベンゾジアゼピン系
長時間作用型 30~1時間程度で効果が現れ、効き目のピークは3~5時間
うつ病などの精神疾患に処方されることが多い
ドラール 36時間 ベンゾジアゼピン系
ソメリン 85時間 ベンゾジアゼピン系
ダルメート/ベノジール 65時間 ベンゾジアゼピン系

その他の分類については、以下の記事をご覧ください。

睡眠薬の効き目を変えたい時は?

医者の説明

睡眠薬の効き目に満足できないなら、自己判断での増減や追加服用は避け、必ず医師と相談しましょう

医師に相談する時に役に立つのが、睡眠記録です。睡眠薬は、作用時間や量で調整されます。そのためには、睡眠の実態がはっきりしているほど、調整が容易になるのです。

ただ「薬が効きません」「起きた時ふらふらします」と訴えるよりも、以下のように記録をつけて、それを医師に見てもらうと良いでしょう。
この時、1週間程度は連続して記録することをおすすめします。

【睡眠記録の例】

〇月〇日
服用時間 23:30
ベッドに入った時間 23:32
寝付いた時間 10分後くらい
目が覚めた時間/回数 03:00ころから2回
起床時間 06:30
満足度(不満0~5満足)
起床後10分くらいふらつきがあった

薬の効き目に不満があるからと、自己判断で追加服用や増量・減量すると、ふらつきや、めまい、依存症の発症といった副作用のリスクが高まることを認識しておきましょう。

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