ドリエルの秘密徹底解剖!効果・副作用から口コミまで
画像:エスエス製薬「ドリエル」
一時的な不眠に効果があるとして一躍有名になった睡眠改善薬『ドリエル』。テレビCMをはじめ、数々のメディアでの宣伝効果もあって、今や多くの方の知るところとなりました。
病院で処方される睡眠薬とはまったく異なる、睡眠改善薬『ドリエル』。そんなドリエルをより知っていただくために、その効果や副作用、口コミまで、どこよりも詳しい情報をお伝えします。
ドリエルってどんな薬?
まずは、ドリエルの基本情報です。
ドリエルは、エスエス製薬㈱が2003年から、一般用医薬品(OTC医薬品)として販売を開始した、睡眠改善薬です。
錠剤とソフトカプセルの2つのタイプがあります。
ドリエル | ドリエルEX | |
形状 (1回あたりの用量) |
錠剤 (1日1回2錠) |
ソフトカプセル剤 (1日1回1カプセル) |
1箱当たりの量 | 6錠(3日分) 12錠(6日分) |
6カプセル(6日分) |
価格 (消費税8%込) | 1,000円(1,080円) 1,900円(2,052円) |
2,200円(2,376円) |
どんな症状に効くのか
ドリエルは、一時的な寝つきの悪さや眠りが浅いなどの不眠の症状を緩和する薬です。
以下のような状況で、一時的に眠れない場合に服用すると効果を発揮します。
- ストレスが多い
- 心配ごとがある
- 疲れているのに、神経は高ぶっている
- 不規則な生活
あくまでも一時的な不眠の症状が対象ですから、2~3日服用しても症状が改善しないようなら、早めに病院に行きましょう。そして、病院で診断を受け、適切な治療を受けましょう。
どうやって効くのか
ドリエルの主成分は、ジフェンヒドラミン塩酸塩という成分です。
ジフェンヒドラミン塩酸塩は、風邪薬や、アレルギー、皮膚のかゆみなどの薬にも含まれる成分です。
風邪やアレルギーによる鼻水やくしゃみも、目や皮膚のかゆみも、脳内のヒスタミンH1受容体に、ヒスタミンという神経伝達物質が結合することが原因で起こります。
ジフェンヒドラミン塩酸塩は、そのヒスタミンH1受容体に結合して、ヒスタミンが受容体に結合するのを妨げます。その結果、鼻水やくしゃみ、かゆみなどが抑えられるのです。
実は、ヒスタミンには、もう一つ働きがあって、それが脳の覚醒です。ドリエルは、ジフェンヒドラミン塩酸塩の働きで、ヒスタミンによる脳の覚醒を抑えて、眠気を促す睡眠改善薬です。
睡眠薬と睡眠改善薬ドリエルとの違い
ドリエルの主成分であるジフェンヒドラミン塩酸塩は、病院で処方される薬(医療用医薬品)では主にアレルギーや皮膚のかゆみに使用されています。驚かれるかもしれませんが、医療用医薬品には、ジフェンヒドラミン塩酸塩が主成分の睡眠薬はありません。
そのため、ドリエルは、一般に病院で処方される睡眠薬とは、作用も効果もまったく違います。
睡眠改善薬ドリエル | 病院で処方される睡眠薬 | |
作用機序 (作用メカニズム) |
ヒスタミンの覚醒作用を抑えることにより、眠気を促す (脳内の受容体に作用する) |
鎮静催眠作用と抗不安作用により、眠気を促す (脳の中枢神経に作用する) |
効果が見込める症状 | 一時的な不眠 (寝つきの悪さや眠りの浅さなど) |
慢性的な不眠 (入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒など) |
上記のように、作用のメカニズムが異なるため、効果が見込める症状も異なっているのです。
もちろん、睡眠への効果や副作用にも違いがあります。
睡眠改善薬ドリエル | 病院で処方される睡眠薬 | |
睡眠効果 (効果の現れ始め) (効果の持続時間) |
緩やかな眠気 (服用後約30分~1時間) (約7時間) |
強い眠気 (服用後約30分~3時間) (約2~30時間以上) |
副作用 | 眠気、夢を見る、頭痛など | 眠気、めまい・ふらつき、頭痛、もうろう状態、一時的な健忘(記憶障害)、離脱症状など |
上記のように、睡眠薬は効果が強い分、もうろう状態や一時的な健忘など、重大な副作用の心配があります。一方、ドリエルは、効果はそれほど強くありませんが、その分重大な副作用の可能性も低いと言えるでしょう。
それでは、ドリエルの効果と副作用について、もっと詳しく見て行くことにしましょう。
ドリエルの効果は
強い眠りを誘う睡眠薬に比べ、ドリエルは緩やかに眠気を誘います。
実際、その効果はどの程度のものなのでしょう。
約8割で効果が見られた?!
エスエス製薬㈱のHPを見ると、ドリエルの効果をデータで見ることができます。
方法:
軽度~中等度の睡眠障害の患者さん173名に、寝る30分前に、ドリエル2錠(1回分)を服用してもらった。
結果1:全体の79.2%方が、効果を実感できた。
出典:エスエス製薬㈱「ドリエルの睡眠改善効果」
結果2:担当医師の82.1%が、効果があったと感じた。
出典:エスエス製薬㈱「ドリエルの睡眠改善効果」
また、エスエス製薬㈱では、ジフェンヒドラミン塩酸塩の睡眠への効果を、睡眠ポリグラフィを用いて科学的に検証し、以下の結果を得ています。
- ジフェンヒドラミン塩酸塩によって、深い眠りのノンレム睡眠の時間が増加
- ジフェンヒドラミン塩酸塩によって、眠りについてから目が覚めるまでの時間が延長
- これにより、翌日の日中の疲労感が少なくなり、集中力が向上
出典:エスエス製薬㈱「睡眠ポリグラフィによる「ジフェンヒドラミン塩酸塩」の睡眠への影響」
使ってみた感想は
では、実際ドリエルを使ってみた方の感想はどうだったのでしょう?
以下に、大手口コミサイトに寄せられた口コミをいくつか抜粋しました。
- ドリエルを飲んで1時間くらいでウトウトしてきた
- ドリエルを飲んで寝ると朝までぐっすりだった
- 半分量の1錠で、だんだんぼ~っとしてきて、いつの間にか寝ていた
- 驚くほど眠れる
- これはダメ。全く眠れない
- 飲んでも眠れない
- 飲んでもすぐには寝付けない
- 眠いかな?と思う程度で効かない
しかし、長年不眠に悩んでいて、病院に行く時間がないなどの理由からドリエルを試すという方も多く、その場合には効果が現れないというのは当然のことかもしれません。
ドリエルは、一時的な不眠の症状に対して効果はありますが、慢性的な不眠には効果を示しません。ですから、使う前から、ご自分の不眠が慢性化していると気付いている方は、なるべく早く病院で診察を受けることをおすすめします。
ドリエルの副作用は
次に、副作用についてです。
ドリエルを知っているという方は多いものの、ドリエルについて十分理解して服用しないと、副作用を招くことがあります。
眠気が副作用?!
効果と同様、エスエス製薬㈱のHPで副作用のデータも見ることができます。
副作用の有無 | 人数(割合) |
副作用が現れなかった | 173名中165名(94.5%) |
副作用が現れた | 173名中8名(4.6%) |
出典:エスエス製薬㈱「ドリエルの副作用発現率」
副作用が現れたという方は全体の5%未満ですから、副作用について、それ程心配する必要はないでしょう。
しかし、過剰摂取(過剰投与)によって、副作用が強く現れることもありますから、くれぐれも用法・用量をきちんと守って服用してください。
ドリエル服用による副作用
上記の、副作用が現れた8名に見られた副作用は、眠気と多夢が2名ずつ、悪心、頭痛、心高部痛、夢・気分不快、起床時の頭重感が1名ずつでした。
出典:エスエス製薬㈱「ドリエルの副作用発現率」
この結果では多くありませんでしたが、一般的に、ジフェンヒドラミン塩酸塩の副作用として最も多いのが、眠気です。
また、ジフェンヒドラミン塩酸塩は、ヒスタミンH1受容体とよく似たムスカリン受容体にも結合することがあり、その結果として、口の乾きや、眼圧の上昇、排尿障害などを引き起こすことがあります。
そのため、緑内障や、前立腺肥大、排尿障害がある方は十分な注意が必要です。
さらに、過剰投与による副作用では、中毒性の精神症状や、横紋筋融解症による血圧低下やショックなどの事例があります。
また、アルコールや、以下の薬を一緒に服用することで、副作用を増強してしまうこともありますから、気を付けて下さい。
- 他の睡眠改善薬
- 風邪薬
- 解熱鎮痛薬
- 鎮咳去痰薬
- 抗ヒスタミン剤が含まれた内服薬(鼻炎用薬、乗物酔い薬、アレルギー用薬)
使ってみた感想は
では、実際に使ってみた方の副作用に関する感想を見てみましょう。
効果と同じく、大手口コミサイトに寄せられた口コミをいくつか抜粋してみましょう。
- 飲んだ翌日、麻酔が残ったような頭の重さと、フラフラ感が出た
- 妙なふわふわ感で、逆に気分が悪くなった
- やたらとノドが渇く気がする
- 吐き気がして余計に眠れない
- 朝起きた時、倦怠感と頭痛がして、一日中だるかった
もし、このような症状が見られたら、ドリエルの服用を止め、すぐに病院に行きましょう。
服用前に考えてほしいこと
以上、ドリエルの効果と副作用を、データと口コミ情報で説明してきました。
しかし、ここで紹介したドリエル以外にも、今では多くの製薬会社が睡眠改善薬を販売しています。詳しくは、以下の記事をご覧ください。以下の記事では、依存性や耐性についても説明しています。
薬局やドラッグストア、インターネットで簡単に手に入るからと、気軽に睡眠改善薬を試すという方がいらっしゃいます。しかし、できることなら、購入の前に次のことを考えてみて下さい。
- ご自分の症状には、本当に睡眠改善薬が必要なのか?
- ご自分の不眠の症状は、一時的なものか?
もし、ストレスや心配ごと、不規則な生活で一時的に不眠になっているとしたら、ストレスや心配ごとの解消や規則正しい生活で、不眠が解消するかもしれません。
心当たりのある方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
また、不眠の症状が一時的ではなく慢性的なら、不眠の原因をしっかりと突き止め、適切な治療を受ける必要があるでしょう。その場合は、病院での診察が最も適した解決法です。
病院での診察を考える場合は、以下の記事を参考にしてください。