不眠症の治し方教えます!自分でできる簡単な解消方法

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眠れなくて辛い。翌日も身体がだるいし、やる気も出ない。
このように、不眠は、眠れないことに加えて、日常生活にも支障が出ることがあります。

病気になると病院に行くのは当たり前のことですが、不眠に悩んでいる方の多くが病院に行ったことがないそうです。実際、ある調査では、約7割の方が「不眠症の自覚症状があるが、医師に相談したことはない」と答えました。

しかし、不眠症を放置してしまうと、うつ病などの精神疾患に発展する可能性もありますから、なるべく早く改善した方が良いでしょう。
そこで、病院に行かずに、自分で簡単にできる、不眠症の治し方をご紹介します。

不眠症を薬を使わずに健康的に治すには

まずは、ご自分が不眠症なのか、一時的に眠れないだけなのかを判断することが大切です。そのために、以下のチェックを行ってみて下さい。

以下の1~3に当てはまる場合を不眠症と言います。

【1. 次のいずれかの症状がある】

  • 入眠困難(寝つきが悪い)
  • 中途覚醒(夜中に目が覚める)
  • 早朝覚醒(早朝に目が覚める)
  • 慢性的に睡眠の質が悪い

【2. 上記の症状が、適切な睡眠習慣、睡眠環境でもよく起こる】
【3. 夜眠れないことで、日中次のような症状がある】

  1. 疲労感や不快感
  2. 注意や集中⼒、記憶力の低下
  3. 日中眠い
  4. 仕事や勉強のパフォーマンス低下
  5. イライラする
  6. 行動力、やる気、積極性の低下
  7. 仕事やテストでミスしやすい
  8. 頭痛や胃のむかつき、消化不良
  9. 睡眠への不安、悩み

出典:厚生労働省・日本睡眠学会「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」PDF

もし、寝つきの悪さや、夜中や早朝に目覚めてしまうような状態が一時的なものなら、まだ不眠症ではなく、予備軍ですから、自分で治せる可能性が高いでしょう。
また、睡眠習慣や睡眠環境が適切でない場合も、それらを見直すことで、睡眠は改善するでしょう。

不眠症の予備軍だと思われる方は、これからご紹介する4つのことを試してみてください。

不眠症を薬を使わずに健康的に解消する4つの方法

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不眠症を健康的に治す4つの見直し

  1. 生活習慣を見直す
  2. 睡眠習慣を見直す
  3. 睡眠環境を見直す
  4. 食生活を見直す

1.生活習慣を見直す

生活習慣を見直すと言っても、何が睡眠に良くて何が悪いのかを知らないと、直しようがありませんね。

そこで、まずは率先してやってほしいことをご説明します。

率先してやってほしい睡眠に良いこと
睡眠に良いこと

  • 朝日を浴びる
  • 朝ごはんを食べる
  • 日中アクティブに活動する
  • 適度な運動をする
  • 寝る前はリラックスする

心を健康に保つ

【朝日を浴びる】
朝日を浴びると、体内リズムがリセットされます。体内リズムの乱れが不眠の原因になっている方には効果的です。また、光の刺激によって、睡眠ホルモンメラトニンの分泌が止まり、夜になるとまた分泌されるというリズムが整います。

【朝食を食べる】
誰でも朝は1分でも長く寝ていたいものですが、朝食はしっかり食べましょう。食事の有無と睡眠の関係は明らかにはなっていませんが、朝食をとらない方の多くが、不眠に悩んでいると言われています。朝食を食べることで、脳にエネルギーが補給され、1日が元気に過ごせます。

【アクティブに動く】
そして日中はアクティブに行動しましょう。身体を動かすだけでなく、頭を働かせ、人と話したり、自然や動物と触れ合うことは、心を豊かにします。そうすると、充実感・満足感が生まれ、ストレスの解消にもなります。ストレスが原因の不眠には効果があるでしょう。

【適度に運動する】
もちろん、適度な運動もストレス解消に役立ちます。また、脳と身体の疲労度に差があり過ぎると、不眠につながることが分かっています。日々の仕事や人間関係で疲れた脳に対し、身体が疲れていないと眠れなくなるのです。そのためにも軽い運動が必要です。30分程度の運動を、週3回取り入れると良いでしょう。

【リラックスする】
夜になると、自然に副交感神経が働き、リラックスしてくるものです。しかし、現代に生きる私たちは、常に刺激にさらされ、副交感神経に上手くスイッチしないことがあり、それが原因で不眠に陥ることがあります。ですから、リラックスできるように、次のようなことをすると良いでしょう。

  • ぬるめのお風呂にゆっくり入る(38~40℃)
  • 好きなアロマオイルをたく
  • リラックスできる音楽を聴く
  • ヨガやストレッチをする

次に、なるべく避けてもらいたいことについてです。

なるべく避けてもらいたい睡眠に悪いこと
睡眠に悪いこと

  • 長時間、昼寝する
  • ストレスをためる
  • 寝る前に刺激を受ける
  • 寝る直前に食べる

質の良い睡眠の条件

【長時間の昼寝】
夜眠れないと、日中眠くなって、ついつい昼間にウトウトしてしまうことがあります。15~30分程度の昼寝なら、その後の時間を活動的に過ごすことができ、会社でも実践しているところがあるほどです。しかし、昼寝を長くし過ぎると、体内リズムが乱れる原因になりますし、何と言っても夜眠れなくなるでしょう。昼寝は短時間に留めましょう。

【ストレスをためる】
次にストレスですが、ストレスとは、外部から受ける刺激によって緊張状態になることを言います。ストレスと言うと、辛いことや嫌なことを想像しがちですが、実は、進学や就職、結婚、出産などの嬉しい刺激もストレスの原因になります。ストレスがあると、布団に入っても考えごとをしてしまったり、気持ちが憂うつになって眠れなくなります。ストレスをなくす、ためないというのは少し難しいかもしれませんが、リラックスしたり運動したりして、なるべくストレスをためないように心がけましょう。

【刺激を受ける】
上述したように、寝る前はリラックスすることが大切です。ですから、次のような、刺激になるようなことや、刺激物の摂取は避けましょう。

  • スマホやタブレット、パソコン、テレビなどの光や、強い光
  • カフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶、コーラ、チョコレート、栄養ドリンクなど)
  • アルコールやニコチン(タバコ)

光の刺激は脳を覚醒させます。寝る前は、暖色系の光の下で過ごしましょう。
また、カフェイン、ニコチン(タバコ)も脳を覚醒させます。アルコールも例外ではなく、一時的には眠りを促しますが、夜中に目覚めたり眠りが浅くなります。また、カフェインやアルコールには利尿作用があり、夜中にトイレに行きたくなって目が覚める原因にもなりかねません。

【寝る直前に食べる】
また、寝る直前の食事もよくありません。あまり空腹過ぎても眠れませんが、お腹いっぱいというもの眠りを妨げます。食事をすると、胃や腸などの消化器官が働きはじめます。この時、交感神経が活発に働いていて、副交感神経は働きが弱まるのです。
夜眠るためには、副交感神経が働きリラックスしていることが必要ですから、お腹いっぱいというのは避けた方が良いのです。特に、脂っぽいものや胃もたれするようなものは避けましょう。
もしどうしても空腹で我慢できない場合は、軽めの炭水化物や、バナナ、ホットミルクなどが良いでしょう。

2.睡眠習慣を見直す

布団から出られない

不眠で悩んでいる方の中には、睡眠に関して誤った認識を持っている方もいらっしゃいます。睡眠について知ることは、より質の高い睡眠につながりますから、積極的に知識を得て、積極的に実践しましょう。

見直してもらいたい睡眠習慣は以下の3つです。

  • 眠くなってから布団に入る
  • 朝は一定時間に起きる
  • 布団で長く過ごさない

【眠くなってから布団に入る】
眠くもないのに、寝る(と決めた)時間が来たからと言って、布団に潜り込むのはおすすめできません。布団に入っても眠れないと、だんだん不安になり、かえって眠れなくなることがあるからです。寝る時間にはあまりこだわらずに、眠たくなったら布団に入るようにしましょう

【朝は一定時間に起きる】
ただし、朝は一定の時間に起きるようにしましょう。そして、朝日の光を浴びることで、体内時計が整い、だんだん夜の一定の時間になると自然に眠くなります。休日は、普段の睡眠不足をとり戻そうとして寝だめをしたくなるかもしれませんが、それが体内時計の乱れの原因にもなりますから、休日も一定の時間に起きましょう

【布団で長く過ごさない】
また、布団の中で長く過ごすのも不眠を助長させます。布団に入っている時間が9時間以上の場合と、9時間未満の場合を比べると、9時間以上では夜中に何度も目が覚める割合が高かったという報告もあります。そんなときほど、思い切って遅寝・早起きにしてみましょう

出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針 2014」PDF

日本人の平均睡眠時間は約7時間と言われていますが、これにはかなり大きな幅があって、6時間未満の方も8時間以上の方も多くいらっしゃいます。と言っても、6時間未満の方が全員不眠症を患っているわけではなく、必要な睡眠時間は人によって違うということなのです。

また、睡眠時間は歳を重ねるとともに、徐々に減っていきます。これは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量に関係しています。

メラトニンの減少

上図のように、メラトニンの分泌量が減ると、だんだん眠れる時間が減っていきます。ですから、睡眠に良くないことはしていないのに、不眠の症状が現れたり、日中に眠気を感じたりすれば不眠症の可能性がありますが、そうでなければ年齢相応だと心得え、心配しすぎないようにしましょう

3.睡眠環境を見直す

睡眠には、適切な環境というものがあります。不適切な環境は、眠りを妨げる要因になりますから、不眠で悩んでいる方は、一度睡眠環境を見直すと良いでしょう。

睡眠に影響を与える環境

  • 温度・湿度
  • 騒音
  • 寝具・寝衣

【温度・湿度】
部屋の中が暑すぎても、寒すぎても眠りが妨げられます。部屋の温度は、夏は26~28℃くらい、冬は15~18℃くらいに設定しましょう。また、湿度は、50%くらい(夏は汗がさらっと乾く50%以下)が快適です。

夏の夜、エアコンのタイマーを使う場合は、寝る1時間くらい前からエアコンをつけ、2時間後くらいに切れるようにしておくと良いでしょう。ずっとつけっ放しにする方は、冷えすぎないように少し高めの温度設定にしてください。
冬の夜は、部屋が冷え過ぎないようにしましょう。特に朝寒過ぎるという場合は、起きる1時間くらい前にスイッチが入るようにタイマー設定しておくと良いでしょう。

【騒音・光】
また、うるさくても、明るすぎても眠れません。ドアや窓をきっちり閉める、遮光カーテンを使うなどで、不要な音や光を遮りましょう。また、布団の中でスマホを見るもの止めましょう。

不眠の改善

【寝具・寝衣】
寝具や寝衣も重要なアイテムです。やわらか過ぎたり、硬過ぎる布団や枕は、眠りにくいものです。また、窮屈な寝衣もよくありません。寝具は適度な硬さ、寝衣はゆったりしたものが良いでしょう。また、体温調節のために、冬でもコップ1杯くらいの寝汗をかくと言われています。寝具や寝衣は常に清潔に保ちましょう。

4.食生活を見直す

食生活と睡眠はあまり関係ないように思うかもしれませんが、規則正しい食生活は、体内時計を調整する要因の一つでもあります。

また、食事は私たちのエネルギー源です。それだけでなく、睡眠に欠かせないメラトニンは、私たちが普段口にしている下記のような食品に含まれるトリプトファンを原料にしているのです。

トリプトファンを含む食品

  • 牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品
  • 牛肉や豚肉、鶏肉などの肉類
  • カツオやマグロの赤身などの魚介類
  • 納豆や大豆などの豆類
  • アーモンドやクルミなどのナッツ類
  • 米やソバ、うどんなどの穀類
  • バナナ

トリプトファンは、幸せ物質とも言われるセロトニンを経て、メラトニンに合成されます。
メラトニンだけでなく、セロトニンも睡眠と密接な関係があるのです。具体的には、体内リズムが乱れて不眠に悩む方はセロトニン量が少なく、セロトニンの不足が不眠症の原因になるとも言われています。また、セロトニン不足は、うつ病を引き起こす可能性も高くします。

トリプトファン_セロトニン

そして、この合成を効率よく行うためには、ビタミンB6やマグネシウム、糖分などが必要になります。ですから、規則正しく、栄養バランスの取れた食生活が必要不可欠なのです。
しかし、いくら食生活に気をつけていても、仕事の都合や体調などで思うように栄養が取れないこともあります。そんな時には、サプリメントを利用してみるのも良いでしょう。

安全でおすすめのサプリメントは、以下からご覧いただけます。

4つの見直しでも改善しない場合は

不眠症の治療

ここまででご紹介した「4つの見直し」は、どれも自分でできることです。不眠症予備軍の方にはぜひ試していただきたいことばかりです。

ですが、自分では予備軍だと思っていても、実際には病院での治療が必要な不眠症のこともあります。また、うつ病など心の病が原因の不眠や、何か違う病気が原因の不眠も、これらの見直しでは改善しないことがあります。

そのような場合は、迷わず病院を受診してください。その時に、これらの見直しをしたことを、きちんと医師に伝えると、治療がスムーズになります。

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