理想の睡眠時間は「90分の倍数」は本当?理想的な時間は
理想の睡眠時間として、よく「90分の倍数の時間が良い」という話を耳にしたことはありませんか?これは、睡眠のサイクルを90分周期で考えた場合の話になります。
実際には、睡眠の周期は人によって違いますので、単純に90分周期ということにはならないのです。
睡眠は90分周期だとスッキリ起きれる、というのはウソ?
「90分の周期」と言われているのには、もちろん理由があります。
一晩の睡眠では、レム睡眠とノンレム睡眠とが交互に訪れます。この周期が平均すると、約90分となるという訳です。
しかし、これはあくまでも平均時間であって、80分周期の人や、中には110分周期の人もいるのです。
しかも、この睡眠周期は、その日の日中の活動量によっても大きく変わってきます。つまり、たとえ同じ人でも、その日によって周期の時間は変化するということなのです。
無理な短時間睡眠法でヒューマンエラーに
最適な睡眠時間というのは、人それぞれなので、かなり個人差があります。
「90分周期の4時間半睡眠にしたら調子がいい」などと、具体的な時間で人に勧められても、安易に真似しないことです。無理な短時間睡眠は、人によっては体調を壊してしまう可能性があります。
睡眠の周期は、前半に深い睡眠「ノンレム睡眠」があり、後半は「レム睡眠」が多くなります。この後半のレム睡眠中、私たちの脳内では、記憶の整理や心のメンテナンスが行われているのです。
無理な短時間睡眠などを実践すると、後半のレム睡眠が減少してしまい、睡眠中に記憶を固定させる機能が不充分となってしまいます。
また、脳の機能が落ちてしまって、パフォーマンスが上がらずに、ヒューマンエラーを起こしやすくなるのです。
ショートスリーパーになりたいけど、最適な睡眠時間は?
日々忙しく生活していると、「眠る時間がもったいない!」と思われる人もいるかもしれません。いくら寝る間も惜しんで、といった状況でも、睡眠は必要です。
では、人が健康でいるためには、最低何時間睡眠をとればいいのでしょうか?
世界各国で行われている、短眠のための研究実験によると、一般的な睡眠者で無理なく短縮できる限界は、約6時間であるという結果があります。
また、疫学的な調査によると、アメリカのがん学会が行った睡眠調査では、平均睡眠時間が7時間前後の人の死亡率が最も低く、それより長くても短くても死亡率が高くなる傾向にあることが示されています。
さらに、4時間以下の極端な短眠者になると、死亡率が平均的な睡眠時間の人の1.5倍から2.8倍に上がるとのことです。
睡眠時間は、人それぞれの快適に生活できる範囲内でとりたいですね。