「ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬には、依存の危険性が
睡眠薬は、成分の種類によっていくつかの種類に大別できます。成分によって、薬の特性や作用する神経の場所、効果の持続時間、副作用の出方や症状に違いがあります。
中でも、特に日本で多く使用されているものが、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。
ここでは、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の、最も気になる危険性について詳しくご説明しましょう。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の危険性
日本で主流のベンゾジアゼピン系の睡眠薬(睡眠導入剤)として、ハルシオンやデパス、レンドルミン、ロヒプノールなどが挙げられます。
これらベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、精神安定剤や抗うつ剤としても使われています。
例えば「デパス」は、睡眠薬として使われることもありますが、抗うつ剤として使用されることの多い薬です。
安全性が高いと言われているが、現実は?
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、それまで主流で使われていたバルビツール酸系と言われる睡眠薬と比較すると、飛躍的に安全性が向上しました。
バルビツール酸系の睡眠薬は、服用する量が多ければ死に至る危険性がありましたが、ベンゾジアゼピン系はそのようなことはまずありません。
このことから、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、安全な薬だとして日本でよく使われるようになりました。しかし実際には、そうとも言い切れない側面もあるのです。
一般に短期間での使用は安全で有効であるが、時に認知障害と攻撃性や行動脱抑制のような奇異反応が生じる。
少数では、通常予想されるのとは反対の反応を示す。例えば、パニックの状態が、ベンゾジアゼピンを服用することでかなり悪化する場合がある。長期間の使用は、有害な精神的、身体的影響に関する懸念のため議論がある。
出典:Wikipedia「ベンゾジアゼピン-概要」
上記はWikipediaからの引用ですが、ベンゾジアゼピン系の医薬品を服用することによって、精神的に不安定な状態が現れるという可能性を強く示唆しています。
実際に使ったことのある方の声
実際に、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬や精神安定剤を使用している方の中には、上記のような症状が頻発しているという方が多くいます。
辛く、苦しくなると、ベンゾジアゼピンに手を出したくなるんです。 でも、その後失うものが大きいという経験から、踏みとどまる事ができています。
— さけ@童帝 (@tyushingura) 2015, 3月 18
ベンゾジアゼピン系は安易に出される一方で依存性や禁断症状が昔から問題視され、イギリスでは一か月以内しか処方してはいけない、などの決まりがあるほどです。国連麻薬統制委員会ではベンゾジアゼピン系はれっきとした麻薬として統計処理されています — ミントティー@強迫性障害(重症) (@mint_tea65) 2015, 3月 13
三環系抗うつ剤やベンゾジアゼピン系向精神薬をすぐに処方する精神科医は勉強していない人達です。きちんとした医師は服用させません。
— katsuhiro miyata (@tegdon) 2015, 3月 12
最も厄介な「離脱」と「依存」
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を実際に使用したことのある方なら、離脱症状と依存性がどれほどやっかいかと言うことは痛いほど理解していることでしょう。
ベンゾジアゼピン系薬からの離脱による最も多い症状は、不眠、消化器問題、震え、恐怖、激越、筋けいれんである。それほど多くはないが易刺激性、発汗、離人症、現実感喪失、刺激への過感受性、抑うつ、自殺行動、精神病、発作、振戦せん妄が生じることもある。
重篤な症状は、たいてい突然あるいは急速すぎる離脱によって生じる。突然の断薬は危険であるため、徐々に減量する処方計画が推奨される
また一部では断薬後も何カ月も遷延化した離脱症状が続く。離脱症状を経験した患者の約15%は顕著な遷延性離脱症候群(protracted withdrawal syndrome)を経験し、それは何ヶ月も、場合によっては1年以上にわたり持続する。
出典:Wikipedia「ベンゾジアゼピン-離脱症状の管理」
上記にもある通り、離脱症状は全ての患者さんに現れるわけではありませんが、その症状は不眠の悪化や、恐怖感・不安感や震え、けいれんなど、通常の社会生活を困難にする場合もあります。
重症の場合は、抑うつや精神病、発作や自殺衝動など、危険性の高いものがあります。実は、ベンゾジアゼピン系の医薬品を処方されたことから、薬漬けになってしまったという方はとても多く、大きな社会問題にまで発展しているのです。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を服用する場合は、この点を理解し、必要以上の薬は服用しないこと。また、服用期間は短期間に留めるようにしましょう。
様々な睡眠薬の特徴や危険性をまとめた以下の記事もぜひ参考にしてください。