睡眠導入剤に依存性はない?真実は..

睡眠導入剤は、寝つきをよくするための薬です。薬が作用する(眠くなる)時間は、薬にもよりますが、あくまで2〜4時間程度ですから、そんなに長くはありません。
作用する時間が短い分、依存性や副作用は少ないものだと考えられていますし、実際に安全性も高い薬です。

依存性はないはずなのに..

依存性

しかし、依存性がないはずの睡眠導入剤が、最近では「危険な薬」として認識され始めている一面があります。
実は、日本では睡眠導入剤(睡眠薬)の乱用度は、他の薬と比較しても非常に高く、すべての薬の中でも5位以内に入るほどです。

「乱用」というのは、本来治療として使用するべき薬を、治療ではなく、他の用途として使用するということです。

  • イライラや不安感を吹き飛ばすために
  • 気分を良くするために
  • 悩み事を追い払うために
  • 楽しむために(麻薬と同等の使い方)

こうした睡眠導入剤の使い方は、「寝つきを良くして不眠を治療する」本来の睡眠導入剤の使い方とは、ずいぶんかけ離れています。

さらに、薬が病院で手に入らなければ、違法な手段を使ってでも睡眠導入剤を手に入れようとする。こうなると、依存症の中でも特に酷い状況と言わざるを得ないでしょう。

  • 嘘をついてでも医師に睡眠導入剤を処方してもらおうとする
  • 睡眠導入剤をインターネット(個人輸入代行など)で購入する
  • 家族や知人に頼んで睡眠導入剤を手に入れようとする
  • 違法な露店などから購入しようとする

睡眠導入剤は、麻薬などと同等の「向精神薬」に分類されています。
本来の目的とは異なる薬の使い方や、医師の処方以外で薬を入手することは、当然違法であり、悪質な場合は麻薬の取引と同等の処分を受けることとなります。

睡眠導入剤にどのような依存性があるのか

睡眠導入剤

それでは、具体的には睡眠導入剤にどのような依存性があるのかを見てみましょう。
現在最も多く処方されている睡眠導入剤と言えば、マイスリー(成分名:ゾルピデム)と呼ばれる薬があります。

マイスリーは、他の睡眠導入剤と比べても「非ベンゾジアゼピン系」という成分の部類に入り、安全性が高いことで知られています。

しかし、実際には長期間の服用には、高い依存性を引き起こす危険性が指摘されています。

医療文献では、ゾルピデムの長期的な使用は薬物の耐性の形成や薬物依存、反跳性不眠、中枢神経系関連の副作用に関連する。ゾルピデムは短期的な使用に限られ、最小有効量の投与にとどめることが推奨される。

動物での試験では、げっ歯類ではゾルピデムは耐性形成の可能性がベンゾジアゼピンよりも少ないが、霊長類では耐性形成の可能性はベンゾジアゼピンと同じであった。耐性はいくつかの人ではわずか数週間で形成された。ルピデムの突然の中止は、長期間・高用量で服用された場合は特に、精神錯乱、発作、または他の深刻な影響を与える可能性がある。

薬物耐性や身体的依存が形成された場合、治療は通常、離脱症状を最小限に抑えるために数ヶ月にわたって徐々に減量を行う。これはベンゾジアゼピン離脱症候群と同様である。

出展:Wikipedia「ゾルピデム – 依存と離脱

上記の文献を分かりやすくまとめると、マイスリーのような、安全性が高いと言われている睡眠導入剤でも、長期間服用していると、以下のような依存症の症状を引き起こす危険性があるということです。

  • 長期間の服用は、薬に耐性(服用しても効かなくなる)を作り出す。
  • 耐性は、人によってはわずか数週間で作り出される。
  • 耐性が作られると、服用する量が増えるので要注意。
  • 服用は、短期間に留め、長期間の連続した使用は避ける。
  • 睡眠導入剤を突然中止すると、精神錯乱や発作などを引き起こす場合がある。
  • 依存症であると感じている方は、少しづつ睡眠導入剤の減量を試みるのが良い。

また、睡眠導入剤の副作用として、薬をやめようとすると余計に眠れなくなる(反跳性不眠)症状や、余計に不安が強くなるという症状を引き起こす症状はよく知られています。

このような場合、いつまで経っても睡眠導入剤をやめることが難しくなってしまいます。
睡眠導入剤は、依存や常習性が引き起こされる前に、なるべく早い段階でやめることが大切だということが、お分かりいただけるのではないでしょうか。

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