睡眠導入剤は通販で買える?犯罪の危険性も..
最近では、睡眠導入剤は危険性のない、安全な薬というイメージが浸透しているようです。
近年では、一般用医薬品の販売が、インターネットで解禁されました。薬を使用すること、購入することへの敷居もだいぶ低くなっています。
一般用医薬品の中でも、睡眠改善薬と呼ばれる、不眠の改善を目的とする薬は特に人気です。
不眠症など、睡眠の質に満足していない人は、日本国内では、総人口の5人に1人の割合で存在すると言われているほどです。
こうした中、問題となっているのが、海外の薬を個人輸入代行で販売する、ネット通販の業者です。
購入する側からしてみると、どの薬も同じように見えるでしょうが、一般用医薬品と、法律のすれすれのところで販売されている個人輸入代行の製品は、全く異なります。
現在、「睡眠導入剤は危険性がない」という誤った認識と、ネット通販(個人輸入代行)を利用すれば、このような薬が簡単に手に入るという、非常に危うい現実があります。
睡眠導入剤は通販で買える?
睡眠導入剤は、睡眠薬と同様に、麻薬及び向精神薬取締法の対象となる薬です。
分かりやすく言えば、睡眠導入剤の違法な取引は、麻薬の取引と同等の扱いとなります。これは、決して大げさに書いているわけではありません。
日本では、多くの睡眠導入剤が向精神薬に指定されています。向精神薬は「麻薬及び向精神薬取り締まり法」において、中枢神経系に作用して精神機能に影響を及ぼす物質のうち、依存性があり、かつ、濫用された場合に有害性が麻薬、覚せい剤より低いものとして定義されています。
これらの薬剤は、いったん濫用されると個人の健康ばかりか社会的にも大きな弊害をもたらす可能性もあり、譲渡、管理などの取り決めがなされています。引用:「睡眠導入剤適正管理のポイント」千葉県医師会
確かに、近年では海外からの個人輸入代行という方法を用いれば、ネット販売で手軽に睡眠導入剤を手にいれることができます。
必要な物は、クレジットカードひとつあれば充分です。
しかし、先ほど説明したように、睡眠導入剤は常習性(依存性)がある、非常に危険な薬です。
日本国内では、医師も含めて、なぜか睡眠導入剤は安全な薬という間違った考えが浸透しています。
2010年に国際麻薬統制委員会は、日本でのベンゾジアゼピン系の消費量の多さの原因に、医師による不適切な処方があるとしている。
それに加え、2010年に日本の4学会が合同で危険な多剤大量処方に注意喚起している状況である。
離脱症状や、依存症の危険性についても医師が知らない場合があることが報告されている。出典:「睡眠薬 – その他主要な系統の睡眠薬」Wikipedia
ベンゾジアゼピン系睡眠薬というのは、ハルシオンやデパスなど、現在主流に処方されている睡眠薬、睡眠導入剤の種類です。
これに加えて、マイスリーやアモバンといった、非ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤も、全く同様の問題が指摘されています。
睡眠導入剤は、違法な方法で入手したり、譲渡したりすることは犯罪にあたります。
それ以前の問題として、これら習慣性のある医薬品は、一般用医薬品とは全く異なります。具体的な違いについては、以前の記事にまとめていますので、参考にされてみてください。
睡眠薬は、医師の処方によって適正な分量を服用する必要があります。また、定期的に、あなたが薬の依存症や離脱症状を起こさないかを観察する、第3者による管理が必要な薬です。