オーダーメイド枕の落とし穴 – 失敗しない選び方

最近、寝具専門店やデパートなどの寝具売り場には、「ピローフィッター」と呼ばれる専門のアドバイザーが常駐しています。枕選びや、寸法を測ってくれたりと、様々な相談に応じてくれるのです。

ところが、「オーダーメイドで枕を作ったのに、実際使ってみると合わなかった」という人が意外に多いのです。それはいったいなぜでしょうか?

枕

オーダーメイドで枕を作ったのに合わない?

理由としては、以下の3つのことが考えられます。

オーダー枕なのに計測方法が間違っている?

理由の一つが、「計測方法が正しくない」ということです。枕選びの計測で大切なことは、「どういう体位で、どこを測るか」ということにあります。

枕売り場では、立ったまま、あるいは椅子に座った状態で計測していることがあります。枕は横たわった状態で使うものです。起立したままでは、背骨の傾きや、背骨を支える筋肉の緊張感も異なります。

立ったり座った状態では、いくら正確に計測しても、あまり意味がありません。

次に「どこを測るか」ですが、これは枕選びにはとても重要なポイントになります。ピローフィッターの人が使う計測具には、首のS字カーブを測るための専用スケールがあります。これは、人間の脊椎がS字カーブを描いているからです。
しかし、カーブを描くのは立ち姿勢を支えるためで、寝姿勢では違ってきます。

寝姿勢では、枕が頭を支えて、寝具が身体全体の重量を受けとめています。ですので、重量に打ち勝つために、首の筋肉を使う必要がないのです。ということは、S字にカーブする必要がないということです。それなのに、S字カーブばかりにこだわった計測をしていては、実際に寝たときに違和感があるのも当たり前ですね。
ましてや、慢性的な肩こりや、むち打ち症がある人などは、起立時と寝姿勢では、カーブの状態がかなり違っていることがあります。

実際の寝姿勢で計測しないで作った枕を使うと、さらに症状が悪化する危険性も出てきます。

体型ばかりにとらわれて「寝方」を考慮していない

2つ目が、実際の寝方を考慮して計測されていないことです。横になって計測していても、上向きだけで測るケースが多いようです。
人は睡眠時、寝返りを何度も打ちます。上向きだけではなく、左右に寝返りを打つことも想定しないと、自然な高さの範囲を計測することはできません。更に、寝返りの打ちやすさも確認するべきです。人によっては寝方に何らかのクセがある場合もあるからです。

お客の好みばかりを優先する

3つ目は、お客さんの好みばかりを聞き入れる店員さんが多いということです。多種多様な枕の中から、一つの枕を選ぶのは、かなり難しく、迷いが生じることです。
よく「どのようなものがお好みですか?」と聞かれますが、枕選びではこの質問は必要ないのです。買う側としては、自信や確信に満ちたアドバイスが聞きたいのです。

お店で枕を選ぶ場合、しっかりとプロとしてのアドバイスが聞けるアドバイザーを選ぶことも、正しい枕選びの条件の一つかもしれません。

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