睡眠薬で起こる「記憶力低下」- 記憶が飛んでしまう?!

睡眠薬の健忘

ほとんどの睡眠薬には、副作用として「健忘」を引き起こす可能性があります。
健忘というのは、あくまでも一時的に記憶が「飛んでしまう」状態のことですので、いわゆる記憶力が低下することとは意味合いが異なります。

薬の副作用によって、あくまでも一時的に記憶がなくなってしまう状態ですから、お酒をたくさん飲んだ次の日に、前の日の事が思い出せないという状態によく似ています。
しかし、睡眠薬を飲んでいると、このような事はよく起こり得るのです。

では、睡眠薬を常用することによって「記憶力の低下」、つまり、まるで認知症の症状のように、日常的に物忘れがひどくなるような状態へと繋がる危険性はないのでしょうか。

睡眠薬によって記憶力が低下する?

一般的には、睡眠薬が物忘れなど記憶力の低下を加速させることは、考えられないとされています。むしろ、不眠症の症状が酷いということの方が、記憶力の低下を招く危険性があります。
記憶力を高めたい、集中力を高めたいのなら、睡眠の質を高く保ち、不眠の症状を改善させる事が重要だと言えるでしょう。

しかし、だからと言って睡眠薬を常用し続けることは良くありません。近年の睡眠薬は、昔のものと比べれば、飛躍的に安全性が向上されています。
ベンゾジアゼピン系非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、医者によっては長く飲み続けても問題がないと言われているようです。

繰り返しますが、いくら安全性が高くなったからと言っても、睡眠薬を飲み続けることは様々な問題を引き起こします。睡眠薬は、神経に作用する薬ですから、常用すれば、記憶力の低下も十分に考えられます。

「安全性」という言葉を過信しない

昔の睡眠薬と比べれば、確かに飲みすぎによって死に至る危険性や、体の中に成分が残存する期間は少なくなっています。それでも、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、抗うつ剤や精神安定剤に使われている成分と、基本的には変わりありません。
神経に作用することで、気分を高揚させたり、リラックスさせ、眠気を促しているわけです。

いくら安全性が向上したからと言っても、長い期間、ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を服用し続けていると、気分障害やうつ病へと発展する可能性も考えられるのです。

特に高齢者の方の場合、睡眠薬を飲み続けていると、眠っている時間と起きている時間の境目が曖昧になってしまいます。
起きている間は気分が晴れず、床にいる時間が増えてします。結果、余計に眠れなくなり、睡眠薬に頼らざるを得なくなってしまう。そのため、記憶力が恒常的に落ちてしまうという事も、充分に起こり得るのです。

神経を健康に保ち、日中の気分をはっきり覚醒させる為に、睡眠薬には頼り過ぎないようにしましょう。「安全な睡眠薬」というものは、存在しません。
神経を健康に保つためには、薬に頼りすぎず、健康的な生活習慣を送るように心がけるべきです。

最近では、睡眠薬に頼らず、質の高い眠りを手に入れる方法が注目されています。

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