不眠症と神経症.. この辛さから抜け出すためにできること

私は以前、不眠症と神経症を、同時に患っていた経験があります。
神経症と言うのは、重度のうつ病などとは異なり、軽度の不安神経症や、パニック障害のような症状です。

私の場合、もともと神経質な方でしたし、人とうまくコミュニケーションをとることができない、緊張しやすいという性格の持ち主で、典型的な神経質なタイプでした。

「何かのきっかけで、症状が酷くなる事はありえるのではないか?」そんなふうに、不安に思う事は時々あったのですが、その兆候を始めに感じ始めたきっかけとなったのが、不眠症の症状です。

不眠症のきっかけ

不眠症と神経症 – この辛さから抜け出すには

今考えても、不眠症と神経症を同時に患っていた頃の辛さは、生々しく覚えています。
自分の不幸自慢をするつもりはありませんが、同じような症状を患っている方にとっては、何かの参考にはなるかもしれません。

不眠症で、神経症が酷くなる

私は、もともと病院に勤めていたと、以前に書きました。病院というのは、本当に特殊な職場です。
大きな病院は、特にドラマのような派閥争いもありますし、何かと人前で発表する機会や、イベンド事が多いものです。

医者や医療従事者は、普段は人の生命を扱っていますし、患者さんが発する、「やりきれない思い」や、ある種「負のオーラ」と言えるようなものを、毎日吸い込んで働いてていかなければいけません。
時には、患者さんのストレスの捌け口となる事だってあります。

人によっては何も感じなくても、私のように元来神経質な人間にとっては、積み重なっていくにつれて、大きな心の負担となるのです。

ストレスは、まずは不眠症となってあらわれます。

これが、何日か続くと、もう毎日が地獄のようになるのです。夜になると、今日も眠れないのか、という極度の不安が襲ってきます。眠れない事自体が、さらなる不安となり、余計に脳を覚醒させているのです。

そんな事、頭ではいくら理解していても、何の役にも立ちません。

むしろ、神経症で心がコントロールできない時には、医学的な知識は余計な負担にしかならないのです。
「また、不安のせいで眠れないのか」「眠れないことが、また私を苦しめるのか」、と。

病院では、人の命を扱います。ちょっとした気の迷いや油断が、医療事故に繋がるのです。医療の業界は狭いもので、一度そのような事故を起こしてしまえば、どんなに遠くの病院へ転職したとしても、なぜか噂が広まるものです。

そんな不安な考えが、夜になると余計に頭を支配してしまい、憂うつ感を作り出します。

朝の憂うつと、神経症の悪化

神経症

このように、不眠症は神経症を致命的に悪化させるのです。
眠れないことで、脳は判断力や思考力を弱めます。体内のリズムが乱れることによって、活力を奪っていきます。

不眠症があらわれると、大抵ひどい憂うつ感と、どうしようもない体の疲労感に襲われます。

休日は一日中眠ってしまいますし、そうでなくても午後まで眠り続け、起床しても何もする気が起こらない。ひどい憂うつ感に襲われる。このような事が起こり始めます。

今でこそ客観的に分析し、このように振り返ることができますが、当時の私の感情は、相当に荒れていました。
あのまま悪い方向へ転がり続けていれば、ひどいうつ状態になり、家から一歩も出ることができなくなっただろうと確信しています。

睡眠薬で症状が悪化する?

私はこの頃から、短時間作用型の睡眠役を服用し始めました。睡眠薬には、いくつかの種類があります。

上に書いたような症状の場合、病院へ行けば「ストレスによって寝つきが悪い(不眠症)」と、端的に判断される事がほとんどです。寝つきが悪い、という点で、短時間作用する睡眠薬を判断するのは、医者として当然の判断だと思うでしょう。

しかし、私の場合、これが逆に作用してしまったのです。

私の場合、積もり積もった、「不安な感情」を押さえ込むために、睡眠薬が処方されたとも言えます。しかし、睡眠薬をそのように使うことは、誤っています。

睡眠薬は、あくまで対処療法としては一時的に効果を発揮します。中枢神経を刺激し、心地よい、穏やかな感情を作り出し、その時は確かに眠れます。しかし、次の日の朝に起きると、不思議なことに気づきます。

それは、余計に不安が増加し、憂うつ感が増えているという事実なのです。さらに悪いことに、睡眠薬は手放せなくなり、余計に不眠症の症状は悪化している事に気付くのです。

残念ながら、医者が安全と言っている睡眠薬でも、このような現象は必ず起こります。これが、睡眠薬の副作用なのです。

睡眠薬にどれほどの副作用があるのか?

副作用と聞くと、極端な中毒性や依存症を想像する方が多いようです。実際はそうではなく、ほとんど目に見えないくらいのスピードで、ジワジワとやってきます。

神経症の方は、安易に睡眠薬に頼るすぎるような事になってはいけません。これは、不眠を悪化させるだけでなく、憂うつ感を加速させる原因となる危険性があるということを、知っておくべきです。

まずは不眠症を克服する

ここまで書いてお分りいただけるように、不眠症は神経症を悪化させる危険を含んでいます。しかし、だからと言って、安易に睡眠薬に頼りすぎてしまうと、これが余計に症状をこじらせる原因となります

これを避けるために、不眠症の早い段階で、不眠症について専門の知識を有する、専門の外来を受診することを、強くお勧めします。
まずは、不眠症を早期に解消することによって、これらの症状を改善させることができる可能性が高いからです。

不眠症に専門の知識を有する医師の場合、睡眠薬の副作用もしっかりと考慮した上で、なるべく睡眠薬に依存しない治療法を提案してくれるはずです。
心療内科や精神科の医師の中には、症状だけしか聞いていないにも関わらず、必要のない睡眠薬や精神安定剤を処方する医師も多く居ます。

この問題は、意外に深刻な問題となっています。こうした薬を、たくさん処方しすぎる医者が多すぎたために、今年からは向精神薬(睡眠薬や抗うつ剤)を一度に処方できる種類を、2種類までに制限するよう、薬事法が改正されるほどです。

この点は、しっかりと頭に入れておいてください。

必要なことは、不眠症を睡眠薬で一時的に抑え込むのではなく、安全に、根本的に解消することです。私のように、不眠症から不安が増大してしまっている方は、下の記事も参考になるはずです。

長い記事ですが、不眠症に悩んでいる方には、きっと参考になるはずですので、一度は目を通してみてください。

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