その「生活習慣の乱れ」が、不眠の原因?!

悪夢

いつも疲れているし、夜も眠れない・・そのような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?
夜中に目が覚めてしまう、寝つきが悪い、睡眠薬が手放せない、、などは経験した方にしか分からない辛さです。

軽い重いの差はありますが、このような状態は「睡眠障害」の1つと言えます。放置していると、不眠症や自律神経失調症、うつ病といった、その他の病気に発展する可能性もあります。

専門医の受診が必要となる前に、自身で少しでも状況を改善する方法はないのでしょうか?
ここでは、不眠の原因を改善するための「睡眠に悪い影響を与える生活習慣」について触れてみたいと思います。

不眠を招く生活習慣

そもそもどのような状態であれば、不眠症と言えるのでしょうか?
日本睡眠学会によれば、以下のように定義されています。

日本睡眠学会のWEBサイトによる「不眠の定義」

  1. 寝付くのに2時間以上かかる「入眠障害」
  2. 夜中に2回以上目が覚める「中間覚醒」
  3. 起床時、眠った感じが得られない「早朝覚醒」

・上記のような訴えが、週2回以上みられ、少なくとも1ヶ月以上持続している。
・不眠による苦痛を感じる。または、社会生活、職業が妨げられる。

参考:日本睡眠学会「不眠の定義」

ここまでの状態でなくとも、日頃から寝つきが悪い、時々夜中に目が覚める、日中に強い眠気を感じるといった症状を感じている方は多いでしょう。

実は、不眠症の原因として「生活習慣」が大きく関係していることがよくあり、睡眠にとって良くない生活習慣を改善することで、状況が改善される可能性があります。

では、具体的にどのような生活習慣に気をつけていれば、不眠の症状を改善できるのでしょうか?良く見られる原因を中心に列挙してみました。

不眠となる生活習慣1:夜遅くまで明るい光を浴びる

日中は忙しく夜にやりたいことをやる、という夜型の方に多いかもしれません。仕事や家事が終わらないため、夜に行動しなければいけない方もいるでしょう。
もちろん、真っ暗な状態で仕事や家事をする方はいませんよね。夜の時間に明るい光を浴び続けると、体内時計に狂いが生じます。

電灯だけでなく、特にパソコンやスマートフォンの光は、体内時計に影響を与えやすいという特徴があります。特に若い人は、就寝の直前まで画面を見ている傾向があります。この習慣は特に気をつけなければいけません。

smartphone

不眠となる生活習慣2:寝る直前に入浴

眠りに入る時の仕組みとして、体温を1℃上げ、その後体温が下がったときに眠りやすくなると言われています。

睡眠中の環境温度によって睡眠の量や質が変わることが、いろいろな実験を通じてわかってきました。

・電気毛布で加熱したままの状態で眠ると、夜中に目覚めることが多くなります。電気毛布が必要な人は、タイマーで加熱を切るか、最弱レベルに切り替わるようにすると、眠りが深くなります。

・部屋の暖房が強すぎる場合も、体の内部の温度が低くなりにくいので眠りが浅くなります。寝てから少し室内の温度を低くすると、深い眠りが得やすくなります。

・頭を冷やしても、環境温度を下げたのと同じ効果が得られるという報告がありますから、試してみてもいいでしょう。

引用元:テルモ体温研究所「睡眠と体温」

また、入浴直後は、体温が高いままで寝つきにくいということになります。遅くとも寝る1時間前までには入浴を済ませたいものです。
どうしても寝る前に入浴をしなければいけない場合、なるべくぬるめのお湯に長く浸かることをお勧めします。

不眠となる生活習慣3:寝る直前に食事

夜遅くまで仕事や家事をしていれば、どうしてもお腹が減ってしまうこともあるでしょう。
食事して間もなく寝てしまうと、胃は消化を続けます。消化器官が活動することによって、脳は覚醒した状態を維持し、眠りが浅くなってしまうのです。

これは、当然ながら脂っこいものなど消化に負担となるものほど起こりやすくなります。
また、就寝直前の食事は、消化不良も起こしやすくなります。胃もたれ、肌の状態の悪化、肥満の原因など良くないことばかりです。

遅くとも、寝る3~4時間前までには食事を済ませるようにしましょう。どうしても遅くなってしまう時には、可能な限り消化器官の負担にならない食事を心掛けることです。

不眠となる生活習慣4:運動不足

様々な実験によって、適度な運動と適度な体の疲労が眠気を誘発することが明らかになっています。
また、ウォーキングやジョギングなど、有酸素運動、繰り返す動作の運動は自律神経を整える効果も認められます。

さらに、運動にはストレスを解消する効果もあります。忙しくて時間が無いような方も、10分程度の散歩でも良いですので、日中に運動できる時間を作りましょう。

運動

不眠となる生活習慣5:刺激物の摂取

「寝つきが悪い」という方は特に寝る前の刺激物は厳禁です。すんなりと寝入るためには脳をリラックスさせる必要があるのです。

刺激物というと、香辛料の効いたものなど想像してしまいそうですが、

  • コーヒー
  • 日本茶
  • 紅茶
  • ココア
  • チョコレート
  • コーラ
  • 栄養ドリンク
などにはカフェインが含まれています。カフェインは、確実に脳の覚醒を誘発し眠りも浅くします。

特に寝つきが気になるという方は、試しに午後からカフェインの含まれる食べ物の摂取を止めてみるというのも良いでしょう。

不眠となる生活習慣6:飲酒・喫煙

眠れないため「お酒を飲んで寝る」という話も聞きます。飲酒によって、一時的に寝つきが良くなっているように感じるかもしれませんが、飲酒による眠気は、言ってみれば「脳の麻痺」に近いものです。
この眠り方は浅い眠りが中心となり、眠りの質は著しく悪く、体への負担やアルコール依存など、長期的に見れば不眠を悪化させます。

喫煙については、寝る前に喫煙してしまうと「ニコチン」の影響で脳が覚醒します。 スムーズに眠りにつくためにも、寝る前のタバコは控えましょう(もちろん、眠れない方は禁煙することが望ましいです)。

断酒と不眠症

不眠となる生活習慣7:ストレスを解消できる時間がない

不眠の根本原因として多いものにストレスがあります。
普通に暮らしていれば、ストレスを受けないほうが稀です。仕事や育児に、何事にもストレスは付き物です。布団に入ったとしても、「あの人が嫌だ」「明日の●●はどうしよう」と、心配事が思い浮かんで眠れません。

ストレスは溜まるものと割り切って、普段から溜まったストレスを解消できるように、運動や好きなこと、リラックスできる時間を作りましょう。
眠る前に軽い柔軟運動をしたり、好きな音楽を聴く、好みのアロマを漂わせる、ぬるめのお湯で半身浴をするなど、自分に合った方法がきっとあるはずです。

不眠となる生活習慣8:長時間の昼寝

寝不足や多忙な状態が続くと、昼間に眠くなってしまいますよね。
特に、仕事が不規則な時間の方や仕事をされていない高齢の方に多いのが、「少しだけ」と横になって気が付くと1時間、2時間と寝てしまっているなんてこと。心当たりはないでしょうか?

昼寝を長くしてしまうと、夜に眠れなくなるのは当然です。体内時計も著しく乱れてしまいます。どうしても昼寝する場合は、なるべく短い時間で、15分~長くても30分程度に抑えましょう。
また、布団に横になると熟睡してしまう可能性があります。座ったまま目を閉じるだけ、などに留めることをお勧めします。

不眠となる生活習慣9:バランスの悪い食事

忙しいと「つい」ファストフードや手軽に済むものを食事としてしまいます。 外食やコンビニなどで手に入る手軽な食事には、炭水化物や油分、糖分が大量に含まれているものが多いのです。
もちろん、それらも栄養分ではありますが、偏り過ぎはよくありません。砂糖を多く摂取すると、疲れが取れにくく眠りも浅くなると言われています。

快眠のためには、脳にとって良いもの、疲れを癒したり、ストレスの解消に役立つ栄養成分がお勧めです。

  • トリプトファン
  • グリシン
  • ビタミンB
は、眠りを促す「睡眠ホルモン」の生成に役立ちます。

三食をきちんと食べることはもちろん、バランス良く栄養を摂取することに気を付けたいものです。

朝食

最後に

ご紹介した「良くない生活習慣」の中に当てはまるものはありましたか?

きっと、多くの方にとって、規則正しく、食事を健康に保ち、運動を継続し、さらにストレスを解消するための取り組みまでやれと言われれば、「ハードルが高い」と思うのが普通でしょう。
しかし、厳しいかもしれませんが、「忙しいからできない」という考えではいつまで経っても状況は変えられません。

睡眠は、脳にも身体にとっても生きるために重要なものです。

朝自然に起きて、眠くなったから寝るという当たり前の生活が難しくなっているのは、あなたの生活のどこかに問題が潜んでいるのかもしれません。今一度、あなた自身の生活を振り返ってみてはいかがでしょうか。

サブコンテンツ

おすすめの記事