睡眠薬が妊娠中の母体と赤ちゃんに与える悪影響

妊娠中_睡眠薬

妊娠中はつわりでよく眠れなかったり、逆にホルモンの影響で日中とても眠かったり、睡眠障害を訴える妊婦さんは結構たくさんいらっしゃいます。
しかし妊娠中は、抗うつ薬や睡眠薬の使用はなるべく控えた方が良いでしょう。

理由はいくつかありますが、ほとんどの場合、生まれてくる赤ちゃんに良くない影響を与える可能性があるためです。
特に、妊娠後期の頃に睡眠薬を服用していると、新生児に離脱症候群が現れるなど、一定の危険を及ぼす可能性が指摘されています。

妊娠中に睡眠薬を服用することの危険性

睡眠改善薬、睡眠補助薬

現在主流の睡眠薬に、ベンゾジアゼピン系と呼ばれる成分の睡眠薬があります。
睡眠薬の中でも比較的新しい種類のもので、短時間型・中間作用型の睡眠薬や、抗うつ薬としてもよく処方されているものです。また、このベンゾジアゼピン系は、比較的副作用や依存性が少ないと言われています。

しかし、妊娠後期に服用すると、上述したように、新生児に離脱症候群が引き起こされる可能性があることが分かっています。
また、確率的には非常に少なく、ごく稀(まれ)な例ですが、妊婦が出産前に睡眠薬を連用した場合、奇形を含み何らかの障害を持つ子供が産まれてくる可能性が高くなるという報告もあります。

これに関して、日本産婦人科医会の報告に以下のようなものがありますので、ご紹介します。

妊娠4週から7週まで
胎児の体の原器が作られる器官形成期であり、奇形を起こすかどうかという意味では最も過敏性が高い「絶対過敏期」である。この時期には本人も妊娠していることに気づいていないことも多い。

出典:日本産婦人科医会「妊婦の薬物服用」

また、同じく日本産婦人科医会「妊婦の薬物服用」の中で、睡眠薬は「妊娠にあたって是非とも避けたい薬剤」、抗うつ薬は「慎重に使いたい主な薬剤」として報告されています。

胎児への悪影響はあくまで可能性の一つですが、このような報告がある以上、妊娠中の睡眠薬や抗うつ薬の服用は避けた方が良いでしょう。

妊娠中は不眠やうつを発症しやすい

医者の説明

しかし、妊娠するとホルモンバランスが崩れたり、生活する上で普段は感じないようなストレスに悩まされることが増えていきます。
そのため、不眠気分の浮き沈みなど、普段以上に、睡眠薬や抗うつ剤に頼りたくなってしまうということも認めなければいけません。

とは言え、睡眠薬や抗うつ薬の使用はおすすめできません。
もし妊娠中に、不眠やうつに悩まされるようなことがあれば、必ず産婦人科の担当医師に、不安や悩みを相談するようにしましょう。

また妊娠中は、どんな薬であっても、お腹の赤ちゃんにどんな影響があるか分かりません。逆に、何かの病気の治療中で薬を使用している妊婦さんが、自分の判断でいきなり薬を飲むのを止めてしまうことで、かえってお腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼすこともあります。
自分の判断で薬を使用したり止めたりせず、必ず産婦人科の担当医師に対応を相談しましょう。

とにもかくにも、妊娠中はまたは妊娠の可能性がある時は、産婦人科の担当医師に相談することを第一に考えるのが良いでしょう。

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