睡眠薬の離脱症状 – 緊急搬送が増えている?

「離脱症状」と聞いても、一般的には馴染みのない人がほとんどでしょう。簡単に言えば、特定の薬(または、麻薬やアルコールなど)を減薬したり、断薬しようとすると、心身に何らかの不調があらわれることを、離脱症状と言います。

特にここ最近、睡眠薬を服用している方は、増加傾向にあるようです。症状がひどい場合、幻覚や幻聴、発作的な自殺症状を伴うケースもあります。

ベンゾジアゼピン(※近年主流の睡眠薬の種類)の常用量依存とは、医師が治療のために処方する常用量でも長期間使うことで薬の依存が起きる状態を指す。
8カ月以上続けるとなりやすいという報告もある。薬をやめると離脱症状として不安や、不眠、発汗、けいれん、知覚過敏などが出ることがあるとされる。

出典:「朝日新聞 – 睡眠薬・抗不安薬、ご注意を


画像:医療経済研究機構

睡眠薬の離脱症状で、緊急搬送も?

以前主流であった、「バルビツール酸系」と呼ばれる睡眠薬の場合、服用量が多ければ死に至るという危険性がありました。
この特性を利用し、睡眠薬で自殺を図るという事例も多かったのです。

しかし、近年睡眠薬として主流となっているベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の場合、致死に至ることはまず考えられません。
しかし、睡眠薬や抗うつ剤などの過剰摂取による救急搬送の事例は後を絶ちません。一体なぜでしょうか。
ある雑誌では、ベンゾジアゼピン系などの睡眠薬で救急搬送される事例について、救急センターを対象にアンケートを実施した結果を以下のように報告しています。

アンケートは、全国の救命救急センターと日本救急医学会の救急科専門医指定施設を対象に実施した。
その結果、ベンゾジアゼピン系などの処方薬を過量服薬し、救急外来に運び込まれる患者が全国で相次いでいることが裏付けられた。
患者の中には、パーソナリティー障害が背景にある人もいるが、精神科の安易な処方をきっかけに処方薬依存に陥り、過量服薬を繰り返すに至った人も少なくない。
不適切な精神医療によって、過量服薬患者が生み出されているのだ。

出典:「現代ビジネス – 精神科の多剤大量処方で疲弊する救急現場

過量服薬による被害の実態

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、そもそもが短期間の服用を前提に開発された睡眠薬です。
長期間(一般的には4週間以上と言われる)の継続服用は、離脱症状を引き起こす危険性が極めて高くなるとされ、推奨されていません。もちろん、服薬する睡眠薬の種類が増えることも、リスクを高める要因となります。

睡眠薬のリスク

にも関わらず、こうした薬が安易に処方される理由は、一体どこにあるのでしょうか。

高用量処方、バルビツール酸系睡眠薬処方、重複処方のある患者の大部分は、精神科医師による診療を受けていることが示されました。
精神科医師は、薬物療法によるベネフィットと過量服薬のリスクを勘案し、注意深い処方の見直しが求められると示唆されます。

出典:医療経済研究機構

こうした問題の根本には、睡眠薬などの向精神薬を処方することに慣れすぎてしまった現代の精神医療。
睡眠薬による、離脱症状などのリスクを慎重に考えない、「安易な処方」という根深い問題が隠れているようです。

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