休みの日は寝てばかり…こんなに眠い、だるいのは異常?
休日の朝は眠くて仕方がなくて、ついつい昼頃まで寝てしまう。
おまけに寝すぎたせいか、体がだるくて、動くのが面倒くさい。
なんだかせっかくの休日を無駄にした気分になる。
..と悩む方は多いのではないでしょうか。
体も心も健康で活力に溢れている人ほど、たとえ休みの日でも朝は早起きをして、活動的に過ごしています。
一方、休みの日に昼過ぎまで寝て過ごしていたり、1日中家から出ることもないという人ほど、体のだるさを訴えたり、頭痛や肩こりがひどかったり、気持ちが塞ぎ込みがちだったります。
こうした原因は、一体どこにあるのでしょうか?
寝すぎると体がだるい理由は?
休みの日に寝すぎてしまい、起きると気分も体もだるく、結局何もする気がせずに、また布団に潜り込んでしまう..
休みの日に寝すぎてしまう人によくあるパターンです。これには二つの原因があります。
レム睡眠がしっかりとれないせいで…
睡眠は、体と脳が深く眠った状態(休息状態)の「ノンレム睡眠」と、脳は活発に活動し体は休んでいる状態の「レム睡眠」の繰り返しで成り立っています。
適切な睡眠時間では、上図のように睡眠の前半にノンレム睡眠が多く出現し、後半にはレム睡眠が多く出現します。
しかし睡眠時間が長すぎると、後半に出現しやすいレム睡眠ばかりが増えます。つまり、長時間の睡眠はレム睡眠が過剰に増えるために、脳が十分な休息を得られず、かえって疲れやすくなるのです。
コルチゾールの分泌に問題が…
人間が「覚醒」するためには「コルチゾール」の分泌が必要です。スムーズに起床するための下準備をする働きもしています。
そして、覚醒のために分泌されるコルチゾールは、「時間」に依存する性質も持っています。
例えば毎日起床時間が6時の場合だと、コルチゾールの分泌量のピークが毎朝6時になるように調整されています。
ところが、休日には気持ちが緩み「起きなければいけないという」意識が薄れ、欲求に従って長めの睡眠をとってしまいます。そうするとコルチゾールの分泌がピークを迎えるポイントを逃してしまい、起きられない、不機嫌になる、体がだるいという症状が現れるのです。
「寝すぎ」は体にも心にも負担
寝すぎは、実は体にとって負担が大きいものです。
寝すぎるとズキズキと脈打つような頭痛に悩まされる人もいます。寝起きの頭痛の原因ははっきりとは分かっていないようですが、三つの原因が考えられています。
一つ目は、「脳の緊張の緩和による神経の圧迫」です。
睡眠によって脳の活動は休息状態になり、緊張が緩んで脳の血管が拡張します。それにより、三叉神経(さんさ-しんけい)が刺激されます。さらに三叉神経から痛みの原因となる物質(神経ペプチド)が放出され、血管の周りに炎症が起こります。
二つ目は、「セロトニンの過剰な放出」です。
気分を良くする「幸福ホルモン」として知られる「セロトニン」ですが、朝方から分泌が増えて覚醒を維持する働きをします。
このセロトニンには血管の収縮作用もあります。寝すぎて脳の血管が広がると、三叉神経が炎症を起こします。それを抑制するためにセロトニンが大量に分泌され、過剰な状態になります。時間が経てばセロトニンは分解、排泄されて減少します。しかし縮小していた血管はセロトニン増加の反動によって急激に広がり頭痛が起こります。
三つ目は、「寝すぎることによる肩や首筋の緊張」です。
寝ている間、肩や首はほとんど動かしません。睡眠が長時間にわたると、その部分の筋肉がこって血行が悪くなります。その結果、頭痛が起こります。
「休みの日の寝すぎ」対策は毎日の生活にあり!
休みの日の眠りすぎを解決するためのポイントは以下の3つ。
- 運動
- 自己暗示
- 栄養
1.運動を習慣にする
一つ目は、毎日の生活習慣に適度な運動を組み込むことです。
「疲れているのにさらに疲れる運動をするなんて・・・」と思うかもしれませんが、「習慣的な運動」には多くのメリットがあります。
①セロトニンが増える
セロトニンが増えると精神が安定するだけでなく、睡眠ホルモン「メラトニン」の増加にもつながります
②ストレス解消
ストレスが軽減・緩和することで、精神的疲労の蓄積を予防できます
③頭と体の疲労のバランスをとる
現代人の疲労は「頭>身体」の傾向があります。このアンバランスを解消することで、寝付きやすくなり睡眠の質が向上することが分かっています
運動が得意な人は、週に3日30分程度のウォーキングやランニングなどを習慣にすると良いでしょう。
運動が苦手な人は、毎日寝る前にストレッチやヨガ、テレビを観ながらその場で大きく手を振って足踏みをするなど、簡単で一人でできることから取り組んでみましょう。
2.自己暗示をかける
二つ目は、休みの日の前夜に「明日は〇時(平日通りまたはプラス1時間)に起きる」と強く意識することです。
睡眠や覚醒にはホルモンの働きが関係しています。一般的に、ホルモンは体内時計によってコントロールされ、普段と違う挙動をとることはないと言われています。
ところが自己暗示による起床実験を行ったところ、強力な覚醒効果のある副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が、通常と異なる動きをすることが分かりました。
それは、ACTHが自己暗示による起床時間の1時間以上前から急速に高まり、普段よりも早い起床時間に合わせた動きをしたというものです。
つまり、8時に起きる人は通常7時からACTHが高まります。しかし普段より2時間早い6時に起きなくてはいけないと意識して眠った場合、4時にACTHが高まり、起床しやすい状態を作っているのです。
この研究は追試が行われていないため、起床するための決定的な方法として確定することはできません。しかし個人レベルでは、自己暗示による起床時間の設定により効果を得られたという人は多いようです。
実際に、私たちはどんなに疲れて眠くても、平日にはある程度決まった時間に起きることができます。これは前夜に「遅くても〇分の電車に乗らないと遅刻する」と無意識で考えているからです。一方、休日の前夜は「明日は休みだからゆっくりしよう」と考えます。
つまりこれらのことから、意識することによって起床時間をコントロールすることは不可能ではないと言えるでしょう。
3.バランス良く栄養をとる
最後は、栄養バランスを考えた食事をしっかりとることです。
レム睡眠をしっかりとるためには、睡眠のリズムを整える必要があります。そのためには、睡眠のリズムをコントロールしている体内時計を正常に働かせなくてはなりません。
体内時計を正常化するためのポイントは、「太陽の光」と「栄養」です。
【太陽の光が体内時計を正常化】
下図のように朝起きて太陽の光を浴びると、目から入った光が脳を刺激して体内時計がリセットされます。
それと同時に、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌がストップします。これにより朝しっかりと目覚めることができます。そしてその14~16時間後くらいにメラトニンが再び分泌され始め、これにより睡眠が促されます。このメラトニンの働きの一つが体内時計の調整です。
【体内時計を正常化する栄養素】
メラトニンは脳内でトリプトファンから合成されますから、体内時計を正常化するにはトリプトファンの摂取が必要です。またこの合成が効率よく行われるためにはビタミンB群やマグネシウムも必要です。
さらに近年、しじみに多く含まれると言われるオルニチンも睡眠に効果があることが分かってきました。実際、オルニチンを摂取した方は摂取しない方に比べて寝つきが良くなり、眠りが深くなったという研究報告があります。
しじみには嬉しいことに、トリプトファンやビタミンB群なども含まれています。トリプトファンは午前中のなるべく早い時間に摂取するのが効果的と言われていますから、朝食にしじみのお味噌汁を加えるとより効果を実感することができるでしょう。
とは言え、朝からごはんとしじみのお味噌汁、おかずを用意するとなると、毎日は大変です。そういう時は、これらの栄養素が含まれたサプリメントを活用するのも一つの方法です。
サプリメントではありませんが、おすすめは自然食研「しじみ習慣」です。
「しじみ習慣」は、しじみのエキスをギュッと詰め込んだソフトカプセルで、睡眠に良いトリプトファン、ビタミンB群、オルニチンの他にも多くの栄養素が含まれています。
しじみが肝臓に良いというのはご存知の方も多いでしょうが、他にもコレステロールの代謝を促進したり、脂肪の蓄積を防いだりする効果もあります。健康のためにも一度試してみても良いかもしれませんね。
休日は疲れを回復することが大切ですが、そのために長く寝るというのは逆効果になります。
充実した休日を過ごすためにも、平日も休日も起床のリズムを崩さず、「活動」と「リラックス」のメリハリをつけた生活を送りましょう。