イライラするのは病気が原因?診療科はどこ?

イライラ

イライラは誰にでも起きるものです。これは病気の場合とそうでない場合があります。

あまり気にしなくていいイライラ

  • イライラしても2~3日で治まる
  • 天気が悪い日にイライラしやすい
  • プレッシャーなどイライラの原因が分かっている
  • イライラ以外に特筆すべき症状がない
病気の可能性のあるイライラの特徴

  • 何事にもイライラする状態が5日以上続いている
  • 生理前は特にイライラがひどくなる
  • 特にきっかけがないのにイライラする
  • イライラの他に不安、死にたくなる、食欲異常、集中力の低下がある

これらは、イライラが主症状として現れる「月経前症候群(PMS)」「自律神経失調症」「精神疾患」の特徴です。

月経前症候群(PMS)は女性ホルモンが原因!

若さの秘密

女性の生理が、感情の悪化や興奮と関係していることは良く知られています。
月経前症候群(以下PMSは、数か月にわたって月経の2週間~1週間前から始まり、月経が始まると徐々に消えていく症候群(一つの原因から生じる様々な症状)です。この症状の一つが「イライラ」です。

発症には個人差があり、以下のような性格の人はPMSになりやすいと言われています。

PMSになりやすい性格

  • 几帳面
  • 我慢しやすい
  • まじめ
  • 自分に厳しい

また、以下によっても症状の重い、軽いがあります。

症状を左右する要因

  • 生活習慣の乱れ
  • ストレス
  • 冷え
  • 病気など

原因は、排卵によって女性ホルモンのバランスが変化することと考えられていますが、正確な原因はまだはっきりしていません。
改善方法としては、抗うつ剤以外に、ピルの服用などのホルモン療法、婦人科系疾患の治療が有効です。精神科・心療内科を受診するよりも、婦人科を受診する方が早期の改善につながります

PMSと特定するためには、基礎体温、生理日、イライラの度合いを記録しましょう。生理の2週間~1週間前からイライラがひどくなり、徐々にイライラの度合いが小さくなっていれば、PMSの可能性があります。また、記録を受診時に持参すれば、月経周期に伴う別の疾患との区別に役立ちます。

自律神経失調症は生活習慣と密接な関係がある!

運動する夫婦

イライラすると、カルシウム不足を考える人は少なくありません。食事でとれる栄養素が、精神に影響を与えることは確かです。

しかし、食事だけではなく、生活習慣、生活リズムと大きな関係があることはあまり知られていません。
私たちは、あらゆる部分でバランスをとることで、健康的な生活を維持しています。それは、社会や家庭での役割、人間関係といった対外的なものだけでなく、体の中でも行われています。起床と就寝、摂取と排出、活動と休息などです。

この体のバランスを取るために重要なのが、自律神経です。自律神経は、主に「生活リズム」「ストレス」「環境の変化」から影響を受けます。つまり、「生活リズムの乱れ」「過度なストレス」「大きな環境の変化」が継続すると自律神経のバランスを崩す原因となるのです。

誰でもストレスや環境の変化には敏感ですが、生活リズムには無頓着です。このため、体に不調が現れなければ「大丈夫」と思って、無理な生活を続けてしまいがちです。しかし、不規則、不健康な生活を続けていると、自律神経は確実にバランスを崩します。このため、感情のバランスもとれなくなり、イライラ、不安といった不快な感情に陥りやすくなります。

自律神経のバランスを整えるために大切なのは次の3つです。

自律神経のバランスに大切なこと

  • 起床、就寝の時間を毎日同じにする
  • 適度な運動を習慣にする
  • 栄養バランスのとれた食事を心がける

生活リズムの乱れやストレスに心当たりがあるなら、カウンセラーに相談すると良いでしょう。しかし、イライラ、不眠、抑うつなどの症状が重く、生活に大きな支障があるなら精神科、心療内科を受診しましょう
医師とカウンセラーの違いについては以下の記事をご覧ください。

イライラは精神疾患の主症状

脳

イライラの多くは、PMSや自律神経失調症から起きる気分障害です。しかし、精神疾患の症状の一つでもあります。うつ病、統合失調症、双極性障害などほとんどすべての精神疾患で起こります。

精神疾患は、脳内分泌物や神経の異常によって起こります。脳の損傷の場合もありますが、主な原因は体内の何かが過剰もしくは不足し続けることですこのため、活動エネルギーも過剰もしくは不足した状態になります

一般的に、うつ病などのイライラ、不安、落ち着かなさは、自分ができない事に対して起こります。これはエネルギー不足のためです。精神疾患の治療で、十分な休息が重要とされるのはこのためです。
一方で、エネルギーが過剰になっている場合、そのイライラ、攻撃性は他者に対して起こります。この場合は、過剰なエネルギーを発散する必要があります。ウォーキング、スイミング、サイクリングといった一人でもできる運動を積極的に行うことがイライラ、不安といった症状の緩和に有効です。

しかし、精神症状の緩和はできても、病気そのものを改善できるわけではありません。過剰な物質を抑制、もしくは不足している物質の補充するための、薬理療法がもっとも大切です。
精神科、心療内科を受診して悪化を防ぎ、早期解決に取り組みましょう

イライラは、病気の有無や種類を問わず、「考え方」や「生活習慣」を見直すことで緩和する場合があります。考え方や生活を見直す取り組みをしてみると良いでしょう。
イライラを改善する方法については以下の記事をご覧ください。

サブコンテンツ

おすすめの記事