ストレスはなぜ睡眠を狂わせるのか?メカニズムと対策

ピアノ

ストレスとは、体や心にかかる負担や圧力です。
重い荷物を持ち続けると腕がプルプルと震えることがあります。同じように、心に負担がかかると、悲観的になったり物事を楽しめないといった負の感情で覆われます。これは、ストレスが心に影響を与えているためです。

ストレスのかかっている部分に影響が出るのはわかります。
しかし、なぜ睡眠にまで影響が出るのでしょうか?どのようにしたら、ストレスから受ける睡眠への影響を防げるのでしょうか?

順を追って説明しましょう。

この記事は以下の4回の連載となっています。

ストレスが体に与える影響

昼寝をする時のポイント

私たちの体は、内臓などの器官、それらをつなぐ神経や調整するための分泌物などで構成されています。これらがうまく連動して働くことで、健康で正常な生活を送れるように機能しているのです。

問題が発生して、心身にストレスがかかるとどうなるでしょうか?
体は防衛システムを発動させます。これを「ストレス反応」と呼びます。

ストレス反応とは

指揮を執るのは脳です。ストレスに負けないように、視床下部から「ストレスホルモン」を放出して体や心を守ります。

このホルモンは、ストレスに対抗するために必要な器官を補強しながら、エネルギーを確保します。しかし、エネルギーは一定量しかありませんから、他の器官へのエネルギー補充は手薄になってしまいます。

また、ストレスホルモンの分泌とともに、自律神経が警戒態勢に入ります。すると、休息モードである副交感神経の働きが抑えられ、戦闘モードである交感神経の働きが優位に立ちます。

交感神経の働きが優位に立つと、何が起こるのでしょうか?

交感神経が優位になると

交感神経は、体の様々な器官に戦いに備えるように促します。その結果、脳の指示に従って必要な器官や神経の活動が活発化し、血圧や心拍数が上昇します。一方で、戦いには不要な消化管などの運動は抑制されます。

では、この時、睡眠はどのような影響を受けるでしょうか?

睡眠への影響は

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戦うためには、もちろん適度な休息が必要です。しかし、休みなく攻撃を受けている時に休息をとると、やられてしまいます。
睡眠をとらなければ疲労が蓄積されますが、決定的な攻撃から身を守ることはできます。つまり、ストレスにさらされている時、体は睡眠の減少によるデメリット(疲労の蓄積)よりも、睡眠を抑制し防衛力をアップするメリットを選んでいるわけです。

ストレスで疲れているのに眠れない時、それは私たちに備わる本能が、自然にそうさせていると考えて良いでしょう。

ストレスの種類

ストレスを回避・解消することができれば、ほとんどの場合は睡眠のリズムを取り戻すことができます。そのためにはストレスの種類を知ることが大切です。

ストレスを分類すると次のようになります。

  • 心理的・精神的ストレス
    離別、喪失、不安、挫折などからくる感情によって起きるもの
  • 社会的ストレス
    仕事、学校生活など主に人間関係や異動、転職、引っ越しなどから起きるもの
  • 物理的・化学的ストレス
    空気汚染、騒音、人工的な光、温度差、気圧変化、長距離通勤、長時間勤務、手術などの肉体的ストレスなど
  • 生物学的ストレス
    花粉、ウィルスなど目に見えないもの

このうち睡眠の乱れを起こすほどのストレスの原因は、「心理的・精神的ストレス」と「社会的ストレス」です。これらは長期化しやすく、通常よりも負担が大きくなりやすいものです。

この2つの問題にしっかり対処することで、ストレスによる不眠や、様々な心身の不調の改善に大きな効果が得られるでしょう。

ストレスを軽減するためにできること

私たちは、日頃から様々なストレスにさらされています。中でも「心理的・精神的ストレス」と「社会的ストレス」の2種類を軽減することができれば、身体への影響も小さくなります。

1.問題に対する「考え方」を変える

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「心理的・精神的ストレス」も、「社会的ストレス」も、根本にあるのは「感情」です。

問題が起きた時に、私たちは様々な感情に囚われてしまいます。悲しい、辛い、不安、焦り・・・このようなマイナスな感情です。
一見、自然に発生しているように思える「感情」ですが、これらの感情は「考え方」から生まれるものです。

これは非常に大切なことです。「感情」は、あなたがどのように「考える」かで決まっています。これを、「認知の歪み」と言います。

ストレスを感じる場面では、否定的な自動思考のパターンが存在する。
これを「認知の歪み」という。

認知のあり方の結果、感情が作られるため、マイナスな受け取り方をすればマイナスな感情が作られる。
「認知の歪み」により自分を苦しめてしまうことになるのだ。

引用元:産業保健新聞

問題によっては、深刻に考える必要がある場合もあります。しかし、ストレスを感じやすい人は「実際はそんなに大事(おおごと)ではないのに、大事に考えてしまう」という、誤ったクセを持つ人が多いのです。つまり、自らストレスを作り出してしまっているのです。

誤った考え方のクセを把握し変えることは、ストレスの軽減に大きく役立ちます。また、それは可能なことなのです。

考え方の傾向とクセを変えるための具体的な方法については、以下の記事に詳しくまとめています。

2.受けたストレスを解消する

朝の充実感

また、「受けたストレスを抱え込む」ためにストレスが大きくなるという場合もあります。

受けたストレスを軽減することを「ストレスコーピング」といいます。cope(コープ)とは、「適切に対処する」という意味です。誰でも無意識にストレスコーピングを行っています。

しかし、ストレスを溜めやすい人は、自ら対処法にブレーキをかける考え方をしている場合があります。
例えば、「人に頼ってはいけない」「逃げてはいけない」という考え方です。常に頼ったり逃げたりすることはよくありませんが、場合によっては「頼る」「逃げる」が何よりも効果的であったりします。
「頼ることは悪い事ではない」「逃げることは弱さではない」と考えることで、ストレスコーピングの幅を広げることができます。

問題の種類によって対処法を使い分ける事が、ストレスの軽減に効果的なのです。そのためにも、対処法は多く持っておくことをお勧めします。

ストレスを感じる場面においては、一つではなく複数の対処行動がとられます。ストレスの対処法が多いほどストレスを抱え込みにくくなります。

初めて経験するストレスを、既に持っている対処法を組み合わせるなどして処理できたとき、新たな対処法を獲得したことになります。自己効力感が増し、対処能力が向上します。

引用元:心理カウンセリングのフルフィルメント

ストレスコーピングの適切な考え方などは、以下の記事に詳しくまとめています。

自分を否定しないことが大切

光療法

私たちは、毎日様々なストレスにさらされています。深刻な問題によるストレス、精神的な危機に陥るようなストレスを受けることもあります。そこから睡眠障害、うつ病などの精神疾患を発症するかどうかは「問題をどう受け止めるか、どう対処するか」にかかっています。

行動心理学的には「自分の意に反したことは不快=ストレスである」とされています。誰もが最も不快なのは、「自分を否定すること、自分を否定されること」です。
他者から否定されることはあります。しかし「自分で自分を否定しない」「自分を肯定する」考え方をすることが、ストレスによる精神的疾患を防ぐために重要だと認識しましょう。

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