ストレスを作り出す考え方「認知の歪み」の改善(2)

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「認知の歪み」はストレスを自ら生み出す思考です。
認知とは「考え方」のことで、考え方は感情に影響を与えます。ネガティブな考え方がネガティブな感情を作り、ストレスになるのです。

誰でも考え方の偏りはあります。それは「こだわり」でもあります。しかし、ストレスの強い人は、この「こだわり」が「常に」「どのような状況でも」発生するのです。
自分が「苦しい」「辛い」「腹が立つ」といった感情にとらわれる時、どのような考え方があるのかを見直し、改善することがストレスの軽減に大きく役立ちます。

特にストレスを生み出す考え方を分類したものが「認知の歪み10パターン」です。このパターンのうち重複するものはまとめて、8パターンを紹介します。

※前半4パターンについては以下の記事をご覧ください。

  1. 結論への飛躍(読心術、先読み)
  2. 拡大解釈と過小評価
  3. べき思考
  4. 物事の個人化

結論への飛躍(読心術、先読み)

思いこみや、誤った固定観念、独断的な判断を元にして、悲観的、絶望的な結論を出してしまう考え方です。この考え方は「思いこみ」「決めつけ」が大きく作用します。

例えば、仕事の報告をしている時に上司が背もたれに体を預けて聞いていると、上司に軽く見られているように感じるでしょう。そのため「私が嫌われているんだ」「私の報告なんてつまらないと思われている」「こんな態度をされるということは私には価値がなく、出世もないということだ」と悲観し、予測できない未来まで考えてしまう考え方です。

しかし、上司は背中や腰を痛めているのかもしれません。緊張しなくてもいい相手、余程気に入っている相手以外にはそういう姿勢をすることがほとんどなのかもしれません。
また、上司がそのような態度だから「自分の将来は決まってしまった」と考えることに論理的、現実的な根拠はありません。

人間のしぐさや声のトーンが感情を表すことはよく知られています。しかしそれだけで相手を判断するのは間違いです。そこに見えるものが相手の意思のすべてではありません。体調や性格、クセなども必ず絡んでいるのです。

改善するには

あなたの考え方や思惑がすべて人に伝わらないのと同様に、他者の考えていることがすべて分かるわけではありません。心理学者や精神科医、カウンセラーなどの専門家であっても分からないことが多いのです。
また、未来も一つの要素で決まるものではありません。

思い込みや決めつけで判断することは避けましょう。

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拡大解釈と過小評価

自分の良いところや成功を過小評価し、悪いところや失敗を過大評価する考え方です。この自己評価の基になっているものの一つが他者への拡大評価です。

  • 「あの人は乗り越えられたけど、私にはできない。私がダメな人間だからだ」
  • 「私を優しいと言ってくれるけど、私の優しさなんてうわべだけのもの。あの人のように本当に優しいわけじゃない」

自分ではない別の誰かを拡大評価するために、本来の自分を正しく評価できないのです。

本来、評価とは「ありのまま」を「客観的」に見ることで下されるものです。もちろん、健常な状態であっても、感情が混ざって客観視できない事柄もあります。
問題は客観視できない事が常態化していることです。

改善するには

評価の偏りを改善し、判断を客観的なものに近づけるために「修飾しない」という方法があります。

下の二つの文は、同じ出来事への心情を表現したものです。

A.「あの人は自分の洋服が泥だらけになるのに、そんなことを気にもしないでよその子供とも遊んでいた。私には絶対にできない。私がいい人じゃないからだ」
B.「あの人は自分の洋服に泥がつくのに、よその子供とも遊んでいた。私にはできそうもない。私はいい人ではない」
Aは自己を全否定し、落ち込んでしまいそうです。表現力は豊かですが、修飾や推測のために感情が揺す振られます。
一方、Bのように事実だけを抽出して言葉にするとどうでしょう。同じように自己を否定してはいますが、感情が大きく揺す振られはしないでしょう。

自分の言葉の選択のクセに気づくのは難しいものです。
しかし、その言葉の選択が口癖であり、話し方なのです。そして、それが不安や自信のなさを助長していることは少なくありません。

考えを紙に書き出して「修飾語」や「推測部分」を消して読み直したり、カウンセラーと話して指摘してもらうことが改善の近道になります。

べき思考

何かやろうとする時に「すべき」「せねばならない」と断定的に考える思考です。断定するために、それが実現しないことに怒り、憤り、不満を感じることでストレスになります。

この考え方は他のパターンと違い、明らかに口癖として発現します。特に「べき」と一緒に「一般的に」「常識的に」「当然」のように自分も含めた「すべて」という言葉が併用されがちです。
「白黒思考」とよく似ています。違いは「べき思考」は黒すら認めず、人にも「べき」ことを押し付けることです。

「べき」思考の基は「強い不安」。「みんなと同じ」であることで「安心」するのです。また、みんなと同じことを他人にも押し付けるのは、「みんな同じ」という枠からはみ出しているものに対して不安を感じるためと考えられます。

この思考は、「しなくてもいい」と考えてもなかなか変わりません。

改善するには

まずは、「べき」「せねばならない」「一般的に」など断定的な言葉を使わないようにすると良いでしょう。
そのうえで「してもいいし、しなくてもいい」と言葉の置き換えをすると、思考やストレスを和らげることができます。

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物事の個人化

何か良くないことが起こった時、自分に責任がない場合でも自分のせいにしてしまう考え方です。この思考パターンを繰り返すと、罪悪感、後悔、自責が強くなり、結果的に自己評価が低下します。

  • 「子供の成績が悪いのは、私がしっかりした母親ではないからだ」
  • 「課長が部長に叱られているのは、もしかして私が何かミスしたせいかもしれない」

自分と関連付ける必要がないことをなぜ関連付けるのでしょう?それは、自分と出来事を分けて考えられていないことが原因です。
子供の成績が悪いのは、子供が勉強しない、努力をしないことが原因です。そして成績が悪くて困るのは、あなたではなく子供です。
また、部長に叱られているのは課長です。もしも原因があなたにあるのなら、課長は後であなたに注意するでしょう。

改善するには

まずは、目の前で起きている現実を見るように心がけましょう。

そして、事実だけを言葉にしてみることが大切です。事実だけを確認することで、関係ないことまで自分と関連付けないことが「楽」だと認識することが、このクセの改善に役立ちます。

認知の歪みの改善のポイントは2つ

朝の無気力感

認知の歪みのパターンとその改善方法をご紹介しました。認知とは「考え方」、歪みは「クセ」です。

  • 改善するには「考え方のクセ」を変えることが重要です。
  • 考え方を変えるには、言葉に気をつけることが重要です。

私たちは考える時に言葉を使います。ネガティブな言葉、断定的な言葉、否定的な言葉を多用するために考え方がマイナス方向に偏ります。
また、事実を推測、誇張する見方が考え方の偏りを助長させます。それがクセになることが、自分で自分を苦しめる結果につながります。

「言葉」と「見方」を見直し、自分で生み出すストレスを改善、解消につなげましょう。

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