レム睡眠とノンレム睡眠の違い

熟睡

睡眠には2つの異なる種類の眠りが存在します。それが、レム睡眠ノンレム睡眠です。
このサイトでは、レム睡眠とノンレム睡眠の事を、分かりやすく「浅い眠り」と「深い眠り」というふうに呼ぶ事もあります。

レム睡眠
・浅い眠り
・脳は何らかの活動状態にある
ノンレム睡眠
・深い眠り
・脳は活動を休止している状態にある

レム睡眠とノンレム睡眠は、睡眠のメカニズムを理解する上でとても重要なポイントです。
正常な睡眠とは一体どのような睡眠なのか。なぜ睡眠障害が起こるのか。2つの睡眠の違いと睡眠の周期を知る事で、これらを理解しやすくなるでしょう。

レム睡眠とノンレム睡眠の見分け方

昼寝をする時のポイント

ところで、レム睡眠・ノンレム睡眠といった、睡眠中の「状態」は、どのようにして客観的に計測できるのでしょうか。
当然、毎回眠っている人を起こして問いただす訳にはいきません。そこで用いられるのが、睡眠ポリグラフ検査と呼ばれる、脳波の測定器です。

脳には様々な神経細胞が存在しており、それぞれの細胞が電気的な活動をしています。脳の状態を電気信号として感知し記録する事で、睡眠の状態を確認できるのが睡眠ポリグラフ検査です。

睡眠ポリグラフ検査
神経細胞が発する電気的な信号を測定することで、脳の活動状態(脳波のレベル)を測定する方法。

具体的には、頭部に電極をあて、リアルタイムで脳の活動を記録していきます。テレビなどで観たことがあるという人も居ると思います。

眠っている間、脳波は変化している


脳波で睡眠を測定する

上の図のように、①覚醒(目が覚めている)段階と、②ウトウトしている状態、③熟睡している状態では、脳波のレベルに違いがあらわれます。

覚醒段階では、脳波の振れ幅は小さくなります。グラフ上では、上下の振れ幅は低くなっています。一方、深い眠りになるほど、脳波の振れ幅は大きくなっていきます。

脳波の活動レベルに伴い、睡眠時には筋肉の活動や眼球の動きにも変化があらわれます。この変化に合わせて、自律神経と呼ばれる、脳の神経系の活動にも変化があらわれます。

自律神経は、身体の様々な器官を調節している重要な神経系です。具体的には、心臓のリズムや呼吸、体温など、私たちが意識しなくても動いている身体の器官のほとんどは、自律神経によって正確なリズムが維持されているのです。

状態による脳波の違い(イメージ)

下の図は、睡眠中の脳波の変化を図にあらわしています。

睡眠中の脳波の変化

図を見ても分かるように、レム睡眠の段階では、覚醒している時に近い、低い振れ幅の脳波である事が分かります。ノンレム睡眠に移行すると、徐々に脳波の振れ幅は大きくなっていきます

ノンレム睡眠は、睡眠の深さによって4つの段階に分けられています。深度が深くなるに従って、振れ幅も大きくなっています。

ここで、レム睡眠とノンレム睡眠の具体的な違いについて見ていきましょう。

レム睡眠とは

レム睡眠の「レム(REM)」というのは、「急速な眼球の運動(Rapid Eye Movement)」の頭文字をとったものです。
レム睡眠中は、眠っているにも関わらずまぶたを閉じた状態で眼球が左右に忙しく動き回る現象が見られる事から、このような名前がつきました。

上の図にも示しているとおり、この時の脳波の状態は覚醒中に近いレベルまで振れています。この事から、レム睡眠時は、脳が何らかの活動状態にあるという事が分かります。

レム睡眠中は、脳の状態に反して、身体の筋肉の活動レベルは著しく低下しています。筋肉が活動しているかどうかは、筋肉の活動状態を測定する筋電図を測定することで調べる事ができます。

レム睡眠時の測定(イメージ)

レム睡眠時の身体の測定
レム睡眠中に眠っている人を起こすと、非常に高い確率で夢を見ていたと言います。レム睡眠ではない状態でも夢を見る事はあります。しかし、レム睡眠中の夢はとても鮮明で、夢に合わせて感情が高ぶることも多くなると言われています。

金縛り(睡眠麻痺)や悪夢、寝言など、睡眠時の異常行動が起きやすいのも、このレム睡眠の時です。睡眠や健康に問題の無いレベルであれば気にする必要はありませんが、中にはレム睡眠行動障害と呼ばれる病気のように、突然起き上がって叫んだり、夢でみた行動をそのまま現実に起こしてしまう症状もあります。
この睡眠障害は、時に配偶者や家族に暴力を振るう事もあると言われているので、注意が必要です。

また、レム睡眠時は脳の自律神経系が非常に不安定になることが知られています。
最初にも少し触れたとおり、自律神経は呼吸や心拍、体温の働きを調整している神経です。自律神経が乱れるレム睡眠時は、心拍や血圧、呼吸が不安定になることがあるのです。この状態は「自律神経の嵐」とも呼ばれています。
心臓に持病がある方は、自律神経の嵐が起こりやすい時間帯、特に明け方は注意する必要があります。早朝の無理な運動や、急激な温度の変化は、なるべく避けるようにしましょう。

心を健康に保つ

ノンレム睡眠とは

ノンレム睡眠とは、レム睡眠以外の睡眠状態のことを指しています。ノンレム睡眠時は、覚醒時やレム睡眠の時とは異なり、脳波は大きな振れ幅を示します。この事から、脳は活動をしていないという事が見てとれます。
ノンレム睡眠が「脳の睡眠」と言われるのは、この事に由来しています。

脳を休息させるノンレム睡眠は、主に大脳が発達している人間や哺乳類、鳥類にしか見られない睡眠です。ノンレム睡眠は、脳の進化の過程で生まれた比較的新しい種類の眠りとも考えられています。
人間は他の生物に比べても脳が大きく進化しています。脳を休める為の深い眠りが必要であるため、他の動物とは異なる、ノンレム睡眠が存在しているのでしょう。

ノンレム睡眠は、睡眠の深さに合わせ、4段階に分けられています。1が最も浅く、4が最も深い睡眠です。
(※状態による脳波の違いは(上の図)を参照)。

ノンレム睡眠時の測定(イメージ)


ノンレム睡眠時の測定

レム睡眠とノンレム睡眠のリズム(周期)

レム睡眠・ノンレム睡眠、2つの睡眠についての概要を学んだところで、2つの異なる睡眠がどのようにあらわれるのかを、大まかに説明しておきたいと思います。

一般的な睡眠では、浅い睡眠から深い睡眠までを、「1つのサイクル」として考えています。
通常は、1日のうちに4〜5回、このサイクルを繰り返します。
それぞれの周期が訪れる時間には個人差がありますが、だいたい90分程度が1つのサイクルとして出現すると考えられています。

一般的な睡眠サイクルの例

睡眠サイクル

上の図の場合、0時の時点で就寝をはじめ、徐々に深い眠りへと移行しています。
1時頃に深度4の深い眠りのピークに達し、1時半ごろにレム睡眠(浅い眠り)へと揺り戻しています。この間の約90分を、1周期(1つのサイクル)と考えます。

ノンレム睡眠中には、非常に深い眠りである、睡眠徐波と呼ばれる脳波があらわれます。通常の睡眠では、1周期〜2周期目に睡眠徐波があらわれます。下の図の赤い色の部分が睡眠徐波があらわれた時間です。
この時間帯を、徐波睡眠と呼びますが、深度3〜4の深い眠りがこれに当たります。

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不規則な睡眠のリズム

上記のように、レム睡眠とノンレム睡眠の脳波が規則正しくあらわれている場合、睡眠は健全な状態だと考えられます。
人によっては、深いノンレム睡眠がほとんどあらわれなかったり、極端に深度が浅い場合もあります。深夜に何度も目が覚めてしまう人の場合は、深い睡眠(ノンレム睡眠)が得られにくくなっていると考えられます。

朝の寝起きがすっきりしない、起床時に疲れを感じる場合、身体は休めていてもレム睡眠による深い睡眠を得られていない可能性があるのです。
不規則な睡眠のリズム、浅い睡眠が発生する原因は様々です。一般的に多く考えられる理由としては、睡眠時間がいつもバラバラだったり、夜型の生活をしている場合です。

夜型の生活と、睡眠障害

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一般的に見ると、深い睡眠である徐波睡眠は、1〜2周期目である寝始めの頃に出現しやすい傾向があります。一方、明け方は浅い眠りであるレム睡眠が頻繁に出現しやすい傾向があります。
こうなると、明け方に寝始めようとすると、必然的に浅い眠りと深い眠りが競合してしまいます

普段から規則正しい睡眠のパターンを習慣にしている方は、このような事は起こりにくいと思いますが、夜型の生活や、不規則な睡眠になっている方の場合、必然的に睡眠のパターンが乱れてしまいます。

睡眠中の脳波の測定には専用の測定機器が必要なため、通常は睡眠専門医などの診断を受けるしかありません。
しかし、近年はスマートフォンで、睡眠のサイクルを測定するアプリなども目にするようになりました。精度は劣るものの、睡眠の健全性を調べたり、目安を測定する為には便利ですね。
自身の睡眠の周期がどのような状態か、気になるという方は1度使ってみると良いでしょう。

年齢によって変化する睡眠

睡眠のサイクルやレム睡眠・ノンレム睡眠の出現は、幼い子供の場合は特殊です。特に新生児の時期は、睡眠時間が大人の倍程度もあります。
そして、年齢を重ねるほど、睡眠時間は減少していくのが普通です。睡眠に必要な「メラトニン」と呼ばれる脳内物質が、年齢と共に分泌量が少なくなっていくからです。

年齢と、血中のメラトニン濃度

メラトニンの現象

高齢になるにつれ、メラトニンが減少するのは仕方の無いことです。対策としては、運動や栄養バランスを考えた食事、早起きを心掛け、メラトニンの分泌を促進させましょう。

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