睡眠のための「自律訓練法」で熟睡を!
「自律訓練法」という言葉を聞いたことはありますか?
いわゆる自己催眠法(イメージトレーニング)と言われているものですが、呼吸や体温・鼓動の早さを穏やかにするなど、自律神経の安定を自らコントロールするリラックス法です。
これまでにも説明してきたように、自律神経の安定は良質な睡眠には欠かせません。ストレスや不安を抱えていると、夜の時間に自律神経が過敏に働いてしまい、寝付けない原因や眠りが浅くなる、何度も目が覚めるといった不眠の症状に繋がります。
自己暗示で眠くなる「自律訓練法」
早速ですが、実際に自律訓練法によって心身をリラックスさせ、眠くなる具体的な方法をご紹介します。
1度で効果が感じられるようになる、すぐにうまくできるようになるということは稀です。毎日繰り返し練習をすることで、感覚が掴めるようになります。
- 寝る前の時間に、トレーニングするようにしましょう。
- リラックスして落ち着いた環境で、実践しましょう。
①.事前準備
落ち着いた環境、できれば布団の上にゴロンと仰向けに横になります。気持ちが落ち着くまで、深い深呼吸を何度か繰り返します。
体を左右に軽くゆすりながら、「気持ちが落ち着いている..」と心で繰り返し、気持ちがゆったりとする自分をイメージします。
②.両手・両足が重くなるイメージ
右の腕がだんだん重くなってきた..左の腕がだんだん重くなってきた。というふうに、少し時間をかけながら、右腕 → 左腕 → 右足 → 左足の順番に、徐々に重さを感じるイメージをします。
この時も「(両手足が)とても重い」と心で繰り返してください。うまくいけば、実際に重くなったような感覚を得られます。重く感じるようになるまで、丁寧に、イメージを順番に繰り返してみてください。
③.両手・両足が温かくなるイメージ
次に、②と同じ要領で、両手両足が順番に温かくなるイメージをします。これも、実際に温かく感じられるようになるまで「温かい」と、心で繰り返しイメージをします。
④.心臓の鼓動が規則的になるイメージ
心臓が規則的に、穏やかに脈打っているイメージをします。「心臓が、規則正しく脈打っている」と、繰り返してください。
⑤.呼吸が楽になるイメージ
呼吸が穏やかで、楽になってくるイメージをします。「楽に呼吸している」と繰り返しながら、ゆっくりと息を吸い込み、吐き出します。
うまくいけば、実際に呼吸が落ち着き、リラックスしてきます。
⑥.お腹が温かくなるイメージ
胸の下、胃やみぞおちがある辺りが、じんわり温かくなるイメージをします。頭の中で「お腹が温かい」と繰り返します。
この時、みぞおちのあたりに手を当て、徐々に内側から温かくなっていくイメージをします。お腹を中心に、身体が徐々に温かくなります。
⑦.おでこが涼しいイメージ
最後に、額がひんやりと気持ち良い程度に涼しくなるイメージをします。額以外の、足などはじんわり温かい状態のままです。おでこだけが冷たくて気持ち良い状態です。
「額が心地よく涼しい」と繰り返します。
ここまでで、自律訓練法の一通りのワンセットとなります。
始めからイメージ通りに身体が反応するとは限りません。初めのうちは、1つの動作に5分ほどの時間をかけてでも、徐々に習得していきましょう。
人によっては、実際に意図したイメージ通りに身体が反応するまでは、数ヶ月かかることもあるそうです。しかし、それだけの効果を得られる方法ですので、諦めずに続けるようにしましょう。
慣れるまでは、なるべく毎日続けて(特に寝る前の時間に)行うことをお勧めします。
快眠や熟睡感だけでなく、ストレスや憂うつ感の改善など、リラックス法としてもとても有効な方法です。
睡眠薬など、薬に頼らずに眠りたいと考えている方は、特にこの方法が有効です。