不眠やストレスにバレリアン – 効果は得られるか?
現代人に多く見られる不眠の原因として、ストレスによる「メンタルバランスの乱れ」が挙げられます。
このような不眠の時、精神安定剤や睡眠薬ではなく、身体に優しいハーブなどの成分で眠れないだろうかと考えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、不眠やストレスへの効果が期待されているハーブ成分「バレリアン」について、不眠・ストレスに対してなぜ効果があるのかを説明します。
また、バレリアンを摂取することで、副作用など体にとって悪い作用が現れないかという点についても紹介していきたいと思います。
バレリアンの効果
バレリアンは、「セイヨウカノコ草」と呼ばれるヨーロッパ原産の花の一種です。バレリアンは、古来より鎮静剤として活用されている薬草で、古くから「精神の安定」や「不眠症状の改善」などの目的のために使われていました。
最近では、バレリアンの根をハーブティーにすることで「眠りの質を高める」方法も多く見聞きします。
日本ではあまりハーブティーを飲む習慣はありませんが、ハーブティーの専門ショップなどを覗いてみると、バレリアンがブレンドされた、睡眠のためのハーブティーが販売されています。
不眠に対する効果
バレリアンは、アミノ酸の一種ɤ(ガンマ)-アミノ酪酸(通称:GABA)の働きを活発にします。GABA(ギャバ)は、近年主流の睡眠薬・精神安定剤の成分である、ベンゾジアゼピン系の医薬品にも含まれている成分です。
GABAには脳の覚醒を抑制する効果があり、夜眠る前に摂取することで、睡眠をより良いものにする効果が期待できます。
ストレスに対する効果
GABAは、少し前にチョコレートの商品でも有名になりましたね。このGABAには、リラックスした際に働く神経「副交感神経」を働かせてくれる効果があります。
副交感神経は、心と身体の調整を行う自律神経系の一つです。ストレスを感じている時は、身体や脳の活動を活発にする交感神経がメインになっていますが、バレリアンに含まれるGABAによって副交感神経が活発になり、リラックスできるのです。
バレリアンの摂取方法と注意事項
最近では、バレリアンを含むサプリメントも多く販売されています。
推奨されるバレリアンの1日の摂取量と、バレリアンを摂取しすぎることによって起こる副作用について説明しましょう。
理想的なバレリアンの1日摂取量
バレリアンの1日の摂取目安量は300mg~400mgと言われています。つまり、この目安量を満たすかどうかが、一つの選定基準になりそうです。
サプリメントの購入を検討されている方は、バレリアンの含有量をチェックしてみてください。
気になる副作用
バレリアン自体の副作用は報告されていませんが、大量摂取によって、
- 頭痛
- 吐き気
- 朝ふらふらする
バレリアンの摂り過ぎによる不調には個人差があります。事例を参照してみると、不調を起こした時の摂取量は、理想的なバレリアンの摂取量の約2倍に相当していたということが分かっています。
特に、妊娠中の方や、肝機能に障害がある方は注意が必要です。こうした場合、摂取する前に、医師に相談することをお勧めします。また、睡眠薬や精神安定剤など、服用中の薬がある場合も、事前に医師に相談するようにしましょう。
まとめ
バレリアンの摂取量に注意し、まずは市販のハーブティーなどで試してみるのも良いかもしれません。ハーブティーでは摂取量が足りない気がする、という方は、目安摂取量(300mg~400mg)の含まれたサプリメントを探してみると良いでしょう。
少しでも不眠の解消や、ストレスの緩和につながることを期待しています。