不眠の原因はどこにある?眠れない原因
不眠で悩んでいる人の中には、「自分がなぜ眠れなくなったのか?」という理由を把握できていない人も多いようです。もしかすると、眠れない原因はストレスや精神的なものにあるのかも知れません。
眠れない原因を突き止めることができなければ、不眠症状を解決することは難しいでしょう。
反対に、今眠れないという方も、不眠の根本的な原因を発見することによって、不眠を解決することが容易になるかもしれません。
ここでは、不眠の原因はどこにあるのか?ということについて、一歩踏み込んで考えてみましょう。
不眠の背景にある本当の原因とは
心理的な原因
心理的要因というのは、ストレスが不眠の妨げになっている場合を考えると良いでしょう。家庭や仕事、あるいは人間関係において、日常的にストレスを感じている方は多いと思います。
そうした日常のストレスだけでなく、「眠れないこと」自体に強いストレスを感じ、慢性的な不眠へと発展する場合もあるのです。
あなたがもし、「夜になると、眠れないことが気になって寝つけない」「睡眠薬を飲まないと、なんとなく落ち着かない」というのであれば、これは精神生理性不眠なのかもしれません。
意外にも知らないという方が多いようですが、ストレスによる不眠は、現代人に多く蔓延しています。不眠はストレスからも作られる、ということをしっかり知っておく必要があります
ところで、なぜストレスや不安・緊張などの負の感情は、不眠を作り出すのでしょうか。医学的な考察を加えるなら、いくらでも理由を述べることができます。
しかし、最も分かりやすく答えるとしたら、「心と身体は繋がっているから」という言葉に集約できるはずです。
あなたは、自律神経を知っていますか?
私達の身体の、様々な器官に影響を与えるこの自律神経は、不安や緊張感などのストレスに簡単に影響を受けてしまいます。詳しい説明は別の記事に譲るとして、例えば自律神経がストレスの影響を受けると、心臓の動悸が激しくなったり、体温や呼吸、血圧が上がってしまったりします。
同じように、ストレスは睡眠を阻害します。
不眠の原因を探る時に、あらゆる種類のストレスが、強く影響を与えるということを、忘れてはいけません。
生活習慣の原因
ストレスの次に多いと考えられる不眠の原因に、不規則な生活習慣があります。毎日の生活習慣の中に、不眠の原因が潜んでいるのです。
あらゆる事象が考えられますが、例えば、飲酒・喫煙・生活リズム・食事・運動が分かりやすいでしょう。
飲酒
アルコールを摂取すると、脳幹網様体賦活系という神経が抑制され、催眠作用が誘導されます。難しく書きましたが、要はアルコールを飲むと、一時的には眠くなります。
しかし、勘違いをしてはいけません。これが習慣になると、身体がアルコールに馴染んでしまう状態になります。こうなれば、同じ飲酒量でも眠れなくなり、結果的に不眠に陥る可能性が高くなります。
さらに、アルコールで眠れていると考えるのは、大きな勘違いです。寝つきは良く感じるかもしれませんが、アルコールの作用で眠りは浅く、何度も目を覚ましたり、疲れが取れずに寝起きが辛くなったりします。
本来、アルコールは睡眠を阻害します。さらに悪いことに、寝酒が毎日の習慣になると、高い確率で様々な病へと豹変します。
誰がなんと言おうと、アルコールは睡眠の質を破壊する習慣です。
喫煙
タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があります。その効果は、カフェインと比較しても即効性があります。
就寝前にリラックスのつもりで喫煙をする習慣をつけると、かえって目が冴えて眠りにくくなります。
生活リズム
人間の体内には、1日の周期に合わせてリズムを刻む、「体内時計」が備わっています。この体内時計のおかげで、人は意識しなくても日中は活動的になり、夜は自然と睡眠に誘導されるようになっています。
時に、週末は夜遊びに時間を費やしたり、休日は昼まで寝たり、漫然と昼寝をしたりする人を見かけます。この不規則な睡眠の習慣は、簡単に体内時計を破壊し、自然な眠り方を忘れてしまいます。
食事
栄養バランスの偏った食事も、不眠の原因となります。特に、良質な睡眠に重要な役割を果たす「トリプトファン」という必須アミノ酸は、なるべく意識して摂り入れるようにしましょう。
この他にも、ビタミンB類など、バランスの良い食生活は睡眠ホルモンの産生に影響を与えます。
運動
睡眠の目的は、疲れた脳と身体を休めることにあります。つまり、ある程度身体を疲れさせた方が、良質な睡眠を得やすいということは説明するまでもありません。
それだけでなく、有酸素運動がストレスの解消に効果的で脳の健康にどれほど必要か、ということは、最近の医学でも疑うことのできない事実です。
年齢が不眠の要因に
年齢を重ねると、睡眠時間が短くなることが普通です。これは止むを得ないことであり、あまり気にしなくても大丈夫です。これを気にし過ぎると、不安感が増し、不眠が悪化することがあります。
人間の睡眠にはメラトニンと呼ばれるホルモンが大きく関与しています。メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれていますが、加齢とともに減少していきます。
この自然なメカニズムが、加齢とともに睡眠時間が短くなっていく理由の一つです。
睡眠薬を服用することのメリットとデメリット
最近は、市販で睡眠改善薬が購入できるようになったこともあり、「睡眠薬は安全である」というイメージが広く浸透しつつあります。確かに睡眠薬の安全性は一昔前に比べれば飛躍的に向上していると言えるでしょう。
しかし、睡眠薬の持つメリットとデメリットについては、実情をしっかり知っておく必要があります。
メリット
即効性に優れているというのが最大の利点です。また、「寝付きを改善したい」であるとか「中途覚醒・早朝覚醒を改善したい」というタイプ別に薬を選択できることもメリットの1つといえます。
デメリット
やはり、不眠の原因が分からないまま睡眠薬を服用してしまうことです。
単に眠れないという理由だけで医師の診察を受けると、適切な睡眠薬が処方されないケースが往々にしてあります。
また、不眠の原因によっては、睡眠薬に頼らなくてもいい状態にあるのに服用してしまう危険性もあります。ここが大きな問題です。
睡眠薬に一度頼ると、薬の成分には関係なく、精神的な依存が発生してきます。
なぜ多くの人が睡眠薬をやめられないのでしょうか。それは、精神依存によるものも多くあることを知っておいてください。
睡眠薬は、あくまでも対症療法であり、根本的に不眠症状を改善してくれるわけではない。そのことは、必ず知っておいてください。
セルフケアで不眠改善の努力をしましょう
自分がなぜ眠れないのか?という原因を知らなければ、不眠に根本から対処することはできません。
また、生活習慣や心の問題に目を向けることで、睡眠薬に頼らなくても不眠症状を改善することが可能である場合も多いのです。
人間には、本来的に「眠る」という機能が備わっています。それを呼び起こすために、実践できる方法を始めてみましょう。
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