不眠症の病院選び-何科に行くのがいい?
夜眠れないから身体がだるい、日中は眠くて仕方がない。こうなると、仕事や家事にも影響してしまいます。不眠を放置すると、重大な病気につながる可能性もありますから、早く改善することが大切です。
でも病院に行こうと思っても、睡眠専門の診療科を置いている病院はまだまだ少なく、何科を受診すれば良いのか悩んでしまいます。
病院に行った方がよい不眠とは
不眠は、原因もその症状も様々です。早く病院に行った方が良い場合もあれば、病院に行かずとも自分で改善できる場合もあります。
痛みやかゆみ、うつ病など心の病で不眠になっている場合は、まずは不眠の原因となっている病気を治すことが先決です。それぞれの病気の専門のお医者さんを受診しましょう。
しかし、他の病気が思い当たらないからと言って、すぐに病院に行った方が良いという訳でもありません。知らず知らずのうちに、睡眠を阻害する生活習慣や食生活をしてしまっているかもしれないからです。その場合は、生活習慣や食生活を改善することで、不眠も改善に向かいます。
病院に行く前に試してほしいこと
ほんの一例ですが、以下は不眠に悩む方によくある行動で、これこそが不眠の原因になっていることが多いのです。
- 生活習慣:夜型生活、寝る前の刺激(スマホの光やアルコールなど)
- 睡眠習慣:眠くないのに布団に入る、朝は布団でダラダラ
- 睡眠環境:節電のため部屋が暑すぎるor寒すぎる
- 食生活:偏った食事、寝る前の食事
他の病気が思い当たらず、上記のようなことが思い当たる方は、以下のことを試してみましょう。
- 生活習慣の改善:夜型から朝型の生活にする、寝る前の刺激は避ける
- 睡眠習慣の改善:眠くなってから布団に入る、朝は一定時間に起きる
- 睡眠環境の改善:快適な温度・湿度にする、静かで暗い環境にする
- 食生活の改善:バランス良く栄養を摂る、寝る前に食べない
これだけでも、随分不眠が改善することでしょう。
以下の記事では、自分でできる不眠の治し方を詳しく紹介しています。不眠症かどうかのチェックも行えますので、ぜひご一読ください。
不眠症の病院・診療科選び
もし、他の病気が思い当たらず、生活習慣などを改善しても不眠が解消しない場合は、病院に行った方が良いでしょう。
お住いの地域の病院に睡眠障害の専門外来がある場合は迷うことはないでしょう。しかし、現状ではない場合がほとんどですし、あっても遠方で通院は難しいかもしれません。
その場合は、お近くの内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科、心療内科、精神科、神経科等で相談することもできます。睡眠時無呼吸症候群の場合は、一部の歯科でも相談できます。
ですが、不眠症は放っておくと、高血圧や糖尿病、心臓病などの恐ろしい病気にもつながる可能性がある病気ですので、できることなら睡眠障害について詳しい知識を持つ医師に相談する方が良いのは言うまでもありません。
専門医・専門病院を学会が認定
そこで、日本睡眠学会では、医師としても睡眠の専門家としても一定の基準を満たした医師を、学会認定医師に指名しています。また、条件を満たし、睡眠障害の医療を的確に行えると判断した病院・診療科を学会認定医療機関として認めています。
認定医師(認定歯科医師、認定検査技師を含む)や認定医療機関は、日本睡眠学会のHPで公開されていて、認定医師は523名(2016年8月16日時点)、認定医療機関は96機関(2016年5月17日時点)です。
- 日本睡眠学会「認定医師、認定医療機関一覧」
これらの専門医や専門病院は、睡眠障害の治療について熟知していて、あなたの症状に合った治療法を選択してくれます。不眠でお悩みなら、これらの専門医や専門病院を受診するのがおすすめです。
ただし、紹介状が必要な大病院しかない場合は、かかりつけの内科などで相談して紹介状を書いてもらいましょう。
No.1は自分に合ったお医者さん
とは言え、医師と患者の関係で最も大切なことは、信頼関係です。それには、良好なコミュニケーションが必要です。
いくら専門医や専門病院であっても、患者であるあなた自身が相談しづらかったり、話しづらいと感じるなら、そのお医者さんや病院はあなたに合っていないのかもしれません。
睡眠障害の治療で、病院で重点的に行われるのは薬物療法(睡眠薬や睡眠導入剤を用いた治療)と認知行動療法(生活習慣や睡眠についてのカウンセリング)です。
薬物療法と認知行動療法については、以下の記事で詳しく説明しています。
もし、睡眠薬で副作用が出たり、睡眠薬が合わないと感じたら、すぐに相談できることが大切です。また、カウンセリングでは、コミュニケーションはとても大切です。
症状によっては、長く通院しなくてはならない不眠症。そんな不眠症の病院・診療科選びでは、自分に合ったお医者さんを選ぶことが最も重要なことと言えるでしょう。