「熟睡できない、睡眠薬が欲しい」は間違っている?
最近では、睡眠薬を処方してもらうために気軽に病院へ足を運ぶ人が増えています。もちろん、簡単に薬を処方してしまう医者の側にも、大きな問題があると思います。
しかし、熟睡できないからと言って、手軽に「睡眠薬を処方してもらおう」と考えてしまう、患者さんの側にも問題があるということも、決して否めません。
熟睡できない理由をよく考える
不眠症に限ったことではありませんが、その病気が引き起こされている、根本的な理由をしっかり見極めるということは、何よりも大切なことです。
例えば、熟睡できない理由には、以下のような原因が隠れている場合があります。
- 加齢により、睡眠時間が短くなった。
- 昼寝をしているせいで夜眠れない。
- 日中全く運動をしていない。
- 夜の時間に明るい光を浴びている。
- 寝室や寝具の環境が悪く、熟睡できない。
- 起床の時間がいつもバラバラ。
- 午後以降もカフェインを摂取している。
- なんらかのストレスを抱えている。
さて、これらの原因が隠れている場合は、本当に不眠症と言えるのでしょうか。患者さんが「眠れない」と、辛い症状を訴えれば、それは不眠症と認めざるを得ません。
しかし、上記のような生活習慣が根底にある場合、睡眠薬に頼ること自体が危険となるケースも充分に考えられます。
詳しくは「不眠症の治し方」という記事の中でも述べていますが、こうした場合、生活習慣を見直すことで熟睡感が得られるようになる場合もよくあります。
安易に睡眠薬に頼ってしまうことで、余計に自ら眠るための力を失ってしまう可能性もあるのです。
睡眠薬中毒は増えている
あまり知られていないのかもしれませんが、睡眠薬の中毒に悩む方は、年々増加傾向にあります。それは、睡眠薬は安全なものという誤った考え方が増えているからなのでしょう。
新しい睡眠薬なら副作用がないというのは、決して正しい考えとは言えません。むしろ、安全性が高いと言われている、短時間作用型の睡眠薬(導入剤)の方が、長期間連用する方が多い傾向にあります。
最近の睡眠薬なら、きっと大丈夫に違いないだろう、と考えている方ほど、新しい睡眠薬の恐ろしさを理解していない傾向があります。
「睡眠薬に副作用はない」という言葉に、安心していてはいけません。
上の記事でも説明したように、睡眠薬を使い続けていれば、不眠症の悪化だけでなく、うつ病などの精神的な病を引き起こす可能性もあります。
熟睡できないのは、必ず何かしらの原因があるはずです。まずはその原因を理解することから始めると良いでしょう。