精神生理性不眠症は克服できる?解消する方法は
精神生理性不眠症は、眠れない症状(不眠症)の中でも、とても多くの方が悩んでいる症状のひとつです。
そのきっかけは、ほとんどがふとした不眠の症状から始まります。仕事や人間関係から生じる、緊張や不安。物音や枕の高さ。同居人のいびきが気になるなど、原因には様々な事が考えられます。
こうした「ちょっとした不眠」が原因となり、心に不安となって残ります。その不安が、明日の不眠症の原因となる。これが精神生理性不眠症の症状です。
- また、今日も眠れなかったらどうしよう?
- 明日は早起きしなければ、仕事に間に合わない..
- 今日眠れなければ、明日の仕事が辛い
- もう3日も満足に眠れていないから、今日こそ寝なきゃ
「眠れない事」を恐れてしまい、この感情が不眠症を作り出す。そう言えば分かりやすいでしょうか。説明するまでもなく、この不眠症に陥りやすい人は、ほとんどの場合「神経質な人」や「心配性な人」です。
普段はそうではなくても、就職や新生活がきっかけとなり「起きなければいけない」「しっかり眠らなければ明日が辛い」という強いプレッシャーから、精神生理性不眠症が引き起こされる場合もあります。
精神生理性不眠症は克服できる?
精神生理性不眠の症状は、上述したように「心の問題」と切っても切れない関係があります。原因が複雑な分、治療の方法も根深く、簡単には治せないのでは?と考えがちです。
睡眠薬や精神安定剤の効果は
精神生理性不眠症で病院を受診すると、まず医師に提案されるのは、薬物療法ではないでしょうか。人によっては、睡眠薬や精神安定剤(抗うつ剤)には、極端に抵抗があるという方も多いと思います。
しかし、精神生理性不眠症の場合、こうした薬はよく効く場合が多いようです。効くというのは、「よく眠れる」という意味です。
もちろん、薬の作用は人によって大きな違いが出ます。そもそも、精神生理性不眠症の「不安感の大きさ」は、人によってかなりの違いがあります。
誰かにとってはよく効いたけれど、他の人が試したらあまり効果がなかった、という事も、当然のように起こります。
そうした個人差は置いておいて、一般的に見た場合、精神生理性不眠症の症状に、睡眠薬や精神安定剤はよく効くようです。
睡眠薬や精神安定剤は、いずれも神経と身体の緊張感を和らげる効果があります。難しい話となってしまいますが、こうした薬は脳の中にある、特定の中枢神経に作用するのです。気持ちが穏やかになり、不安や悩み、緊張は、薬が効いている間はグンと和らぎます。
それから、実は私自身、精神生理性不眠症にどっぷり浸かっていた時期があります。
経験から言えることですが、この不眠症にかかると、何かに「すがりたい」気持ちが強くなります。
そんな時、薬を服用すると、気持ち的にも強い安心感が得られます。そういう意味でも、この症状には薬がよく効くのです。
薬に頼りすぎると良くない?
ただし、いくらよく効くからと言っても、薬に頼りすぎることは良いことばかりではありません。「薬があれば眠れる」という気持ちを裏返せば、「薬がなければ眠れない」になります。
これが長く続くと、もう、薬なしで眠ること自体が難しくなってしまいます。
だからと言って、必要以上に薬を怖がることはありません。何種類もの睡眠薬や精神安定剤を、多剤服用するような状況は、これはもう異常と言うか、危険過ぎますが、軽い薬を短期間服用して眠ることは「私は眠れる」という自信にも繋がります。
また、夜の時間に眠る習慣を作り出す「睡眠時間を固定する」役目も果たしてくれます。
ただし、睡眠薬の服用があまりにも長期間になるようなら、要注意です。
それから、薬の量が徐々に増えていく。または処方される薬の種類が増える、という状況にも気をつけなければいけません。
世の中には、薬の持つ本当の危険性を知らないまま、どんどん薬を処方してしまう医者も居ます。薬は最低限の量で、なるべく長期間服用しないように気をつけること。
眠れるようになったら、少しづつ薬の量を減らす「減薬療法」も取り入れるようにしてください。
それから、不眠症を根本的に治すための最低限の知識も持っておくようにしましょう。