睡眠薬がないと眠れない.. 薬の量が増えてしまう
睡眠薬を服用している多くの人が、
- 「睡眠薬がないと眠れない」
- 「だんだん睡眠薬が増えていく」
という悩みを抱えています。
私自身、睡眠薬を服薬していた頃を振り返ってみると、ほとんど毎日のように、「今日は睡眠薬を飲まずに寝よう」と考えていたにも関わらず、逆に服薬の量が増えてしまうことさえありました。
この頃は、医師には減薬しても良いと言われていましたし、服薬をやめられるならやめても良いと言われていました。にも関わらず、布団に入る時間になると、睡眠薬の服薬を止めることができずに悩んでいたのです。
頭の中では、「睡眠薬をやめなければいけない」と、分かっているのです。コントロールできない自身の行動に、自信を失ってしまったり、嫌気を感じてしまうこともありました。
まるで、お酒をやめたいのについつい飲んでしまう時の気持ちに似ていました。「今日はどうしても眠れないから、睡眠薬に頼ろう。そうしないと、明日が辛い、、」それが、毎日のように続くのです。
睡眠薬がないと眠れない。一体どうすればいい?
睡眠薬がないと眠れないと感じるのは、一体何故なのでしょうか?
あなた自身は、もしかするとその答えを知っているのかもしれません。ここでは私の体験を、時間が経った今振り返りながら明らかにしてみようと思います。
私の場合、睡眠薬がやめられなくなった理由は、主に3つあったと考えています。
- 精神的に、睡眠薬に依存してしまっていた。
- 長期間 睡眠薬に頼ることで、薬に耐性ができ、服用量が増えてしまった。
- 服薬量が増えたことによって、やめようとすると離脱症状が起きてしまう。
今だからこそ言えるのですが、私の場合、上記の理由から睡眠薬の長期の服薬は、不眠症の完治を遅らせ精神状態を悪化することにしか繋がりませんでした。
依存症はあるのか、ないのか
睡眠薬の依存症についての話をすると、必ず出てくるのが、「最近の睡眠薬は安全だと聞いた」「副作用や依存性はないはず」という話です。
厳密に言えば、現在処方薬として販売されているほとんどの睡眠薬に、依存性のリスクは高い割合で存在します。
特に主流である、マイスリーやアモバン、ハルシオン、デパス、レンドルミン..などなど、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬には、依存作用が存在しています。
これらの睡眠薬に、依存性があるということは、これらの薬を開発・製造している製薬会社も、添付文章ではっきりと明示しています。
インターネットなどでは「依存性などない」と書かれていることがありますが、これは「これまでの薬と比べると、安全」という言葉を、誇大に解釈してしまっているのではないかと思います。
また、私もそうだったのですが、お医者さんを受診した際に「この睡眠薬には依存症はない」と、はっきり言われたことも、そう信じることに繋がる大きな原因だと思います。
現実は、実際に長期間、睡眠薬を服薬してみると分かるはずです。
今日は無理に眠らなくてもいいはずなのに、なぜだか不安になり、睡眠薬に手を伸ばしてしまう。気がつくと、睡眠薬が少なくなっていて不安になった、など。まるでアルコール依存症の患者さんが、お酒がないと不安になる状況と、あまりにも似ているのです。
睡眠薬をやめたいのなら
また、象徴的な例として、睡眠薬が効かないからといって自分の判断で服用量を勝手に増やしてしまうことがあります。絶対にしてはいけないと言われているのに、アルコールと一緒に睡眠薬を服薬して、薬の効果を高くする人もいます。
これも、まるでアルコールや薬物依存症の患者さんとよく似ています。
薬の量を増やせば、その分薬に対する依存性と、薬への耐性(抵抗力)が強くなります。つまり、余計に薬の量が増えてしまう。余計に眠れなくなるという悪循環が起きるのです。
では、どうすれば一番良いのか?ここまでの状態で苦しんでいるのなら、私としては、専門の医師に診てもらうことが必要ではないかと思います。
どの病院(医師)を選ぶかということは、慎重にならなければいけないと思います。誤解を恐れずに書くなら、医師によって対応の仕方が全く異なり、余計に睡眠薬に依存してしまうこともあるからです。
実際に、数件の病院を回ってみれば分かると思いますが、ある医師は睡眠薬の服用をたくさん勧めてきて、ある医師は薬は服用しないようにと言います。
驚かれるかもしれませんが、不眠の治療は病院の先生によって、対応が全く違うのです。それほど、治療法が確立されていない病なのかもしれません。
また、睡眠薬に頼らずに眠るためには、自身の努力によって、徐々に服用する睡眠薬の量を減らしていくことしかありません(減薬療法)。これは、担当してもらっている医師に相談しながら進める必要があります。そのためにも、信頼できる、不眠治療についての専門的な知識と経験を持つ医師に巡り合うことが、とても重要だと思うのです。
また、不眠症を改善するためには、本人の偏った考え方の「クセ」を直すこと。それから、不眠に対する「正しい知識」を持つことも、大変重要です。
特に、心の状態は不眠に大きく影響するということを、深く認識しておく姿勢は、絶対に必要なことだと考えます。
自分に無理を強いて睡眠薬をやめようとするのではなく、考え方を変えながら、自然と睡眠薬に頼らずに済むようにすることこそ、根本的に睡眠薬を断つ方法です。