睡眠薬を通販で買うことの危険性をあなたはまだ知らない

睡眠薬

今から2年前、とうとう薬もインターネットで買えるようになりました。これまでは、薬局やドラッグストアにわざわざ足を運ばなくては買えなかったのに、家でも外出先でも、夜中でもいつでも、医薬品が通販で買えるようになったのです。

ですが、残念ながら、日本では睡眠薬や睡眠導入剤を通販で購入することはできません
それは、通販で買える薬は、薬局やドラッグストアの店頭でも購入できる薬と決められているからです。

現在は、とても多くの通販サイトがあり、明らかに違法なサイトも、違法スレスレというサイトもあります。
ここでは、普通の消費者の皆さんが、そうとは知らずに危険に足を踏み入れないように、薬の通販(ネット販売)について詳しく説明したいと思います。

薬を買える通販サイトは決められている

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日本で、通販で薬を売っても良いのは、実際にお店を構えている薬局やドラッグストアに限られています。他にも以下のような定めがあります。

通販で薬を売るための条件

  • 実際のお店が週30時間以上開店している
  • 常に、薬剤師か登録販売者がいる
  • 対面や電話での相談を受け付けている
  • 実際の店舗で売られている商品に限る

また、通販サイト上での決まりとして、以下のようなものがあります。

通販サイトでの掲載ルール

  • お店の名称
  • お店の写真
  • 薬剤師か登録販売者の氏名
  • お店の許可証
  • 連絡先(営業時間外も含む)

参考:厚生労働省「一般用医薬品のインターネット販売について」PDF

もし、通販で薬を買おうと思ったら、まず、上記のような情報が確認できるかどうかを確認してください

薬の通販サイトでは、ネット販売のきっかけを作ったケンコーコム㈱が有名ですが、他にも、大手ドラッグストアや大手スーパー、大手の家電チェーン店、楽天やAmazonなど、現在では1835店(2016年3月時点)が届け出を出しています。

もちろん、どの通販サイトから購入しても良いのですが、何かあった時には相談にも乗ってもらえますから、なるべくならご自宅の近所にお店があるところが良いでしょう。

正規の通販サイトは、厚生労働省のHP「一般用医薬品の販売サイト一覧」で確認できます。

インターネットで薬を買う際の流れ

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実際に、通販で薬を購入する際は、次のような手順を踏むことになります。

ネットでの薬を購入する時の流れ

  1. 使う人の状態を確認する(通販サイト⇔購入者)
  2. 使う人の状態に合わせて情報を提供する(通販サイト→購入者)
  3. 使う人が内容を理解したことを確認する(通販サイト←購入者)
  4. 商品の発送、受け取り

まず、薬剤師が、サイト上またはメールで、性別や年齢、症状や持病の有無など、あなたの状態を確認します。その後、薬剤師は、あなたの状態に合わせて、メールなどで用法・用量や副作用などの情報を教えてくれます。その内容を理解したことを、あなたがメール(返信)すれば、あとは商品が届くのを待つだけです。

また、通販では、薬の販売数の制限は特に設けられていませんが、多く買おうとする方に対しては、理由などを聞かれることがあります。乱用の恐れのある薬についても、薬剤師または登録販売者が、適正な使用と認められる数量を超える場合は、理由などを聞かれます。

参考:厚生労働省「一般用医薬品のインターネット販売について」PDF

面倒に感じるかもしれませんが、顔が見えないインターネットでのやり取りですから、薬を適正に使用するためには必要なことなのです。裏を返せば、このようなやり取りもなく、ワンクリックで購入できてしまうようなサイトは違法なこともありますから、疑ってかかりましょう。

通販では睡眠薬は買えない

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このように、通販サイトやその販売方法には、誤った使用で副作用の危険が増えないように、様々な取り決めがあります。同じように、通販で買える薬にも制限があり、薬局やドラッグストアで売っていない薬は、通販でも売ってはいけないことになっています。

薬局やドラッグストアで売っている薬は、一般用医薬品(OTC医薬品)です。そして、睡眠に関する薬で通販で買えるものは、睡眠改善薬漢方薬です。

睡眠改善薬と漢方薬については、以下の記事で詳しく紹介していますから、併せてご覧ください。

一方、売っていない薬(つまり、通販してはいけない薬)は、医療用医薬品です。

睡眠薬や睡眠導入剤は、医療用医薬品に分類されています。しかも、ほとんどが必ず医師の処方箋が必要な処方箋医薬品に指定されています。ですから、薬局やドラッグストアでは売っていません。つまり、通販では睡眠薬や睡眠導入剤は買えないのです。

通販で海外の睡眠薬を買ってはいけない

しかし、多くの違法なまたは違法スレスレの通販サイトでは、睡眠薬や睡眠導入剤が売られています。これらのサイトでは、個人輸入代行という手法で、本当は通販で売ってはいけない睡眠薬や睡眠導入剤を、さも問題ないかのように売っています。

しかし、処方箋医薬品であるこれらは、一般用医薬品(OTC医薬品)に比べ、副作用の危険が大きいため、医師の処方箋がないと売ってはいけないことになっています。
ですから、たとえ「日本で使われている睡眠薬や睡眠導入剤と同じ」とうたっていても、たとえ「箱の記載が日本語であっても」、決して買わないでください

それでは、なぜ、そのような通販サイトでは睡眠薬や睡眠導入剤を売っているのでしょう?次項では、個人輸入代行と、そのメリット・デメリットについて詳しくご説明しましょう。

個人輸入代行というあいまいな販売手法

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通常、睡眠薬や睡眠導入剤を輸入する場合には、厚生労働大臣の承認と許可が必要です。
しかし、自分だけが使う目的で、これらを1ヶ月分以内の分量だけ、個人的に輸入(個人輸入)したり、海外から持ち帰ることは許されています。

個人輸入代行とは、この個人輸入を通販サイトの運営会社が、あなたの代わりに行って(代行して)くれるというものです。個人で輸入をするというのは、外国語に堪能でないと難しく、一見、便利で親切なサイトのように感じるでしょう。

個人輸入代行の違法の境界線

しかし、個人輸入は、あくまで自分が使う目的での輸入ですから、輸入した睡眠薬や睡眠導入剤を、他人に売ったり、あげたり、ましてや他人の分をまとめて輸入することは禁じられているのです。つまり、もし睡眠薬や睡眠導入剤を購入しようとした通販サイトが一括輸入して、それを個別に振り分けて発送している場合は、明らかな違法になります。

ただし、手続きだけを代行し、商品は海外の販売会社から発送されるという場合は、この限りではありません。しかし、このような手続き代行の形態をとっている通販サイトでも、日本では承認されていない睡眠薬や睡眠導入剤をサイト内で紹介し、個人輸入代行を行っている場合は、薬事法違反になります。

参考:厚生労働省「個人輸入代行業の指導・取締り等について」

また、向精神薬は、個人輸入が禁止されています。全部と言っても過言ではないほど多くの睡眠薬や睡眠導入剤が、向精神薬に指定されています。つまり、多くの睡眠薬や睡眠導入剤は個人輸入してはいけない薬だということなのです。ということは、当然個人輸入代行もしてはいけないということで、もし違反すると、処罰の対象になります。

参考:厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」

※向精神薬とは、脳の中枢神経に直接作用して精神に影響を及ぼし、依存性が強く、乱用されると危険な薬のこと

ここまで読まれて、個人輸入代行を行っている通販サイトの見極めと、そもそも個人輸入しても良い薬なのかの判別が、とても大切だということがお分かりいただけたと思います。

では、次に、個人輸入代行のメリットとデメリットについて解説しましょう。

昼寝をする時のポイント

個人輸入代行のメリット

個人輸入代行は、面倒な個人輸入の手続きを代行してもらえるというメリットがあります。また、インターネットを通して購入することになりますから、家に居ながら(どこでも)、夜中でも(いつでも)買えるというのもメリットの一つでしょう。

さらに、本来は1ヶ月分以内と決められていますが、通販サイトによってはそれよりも多くを購入することができます。ただし、これは違法ですし、副作用の危険を考えても、1ヶ月分を超えて購入することは止めましょう。

これらメリットに対し、デメリットはとても多くあります。

個人輸入代行のデメリット

【違法性】
まず、個人輸入代行を行っている通販サイトには、違法であったり、違法スレスレの会社がたくさんありますし、そもそも向精神薬に分類される多くの睡眠薬や睡眠導入剤は個人輸入すら禁じられています

【海外製】
また、個人輸入代行を行う通販サイトで取り扱われている商品は、当然ながら海外製です。そのため、次のような問題が生じる可能性が高くなります。

  • 日本では未承認の成分
  • 用量が多い
  • 成分量が表示どおりでない
  • 粗悪品
  • 偽造品

日本で未承認の成分の場合、たとえ海外で承認されていても、日本人が服用した時にどんな副作用が起こるか分からず、大変危険です。また、海外製は外国人の体格に合わせて作られているため、1回分の用量が多い場合があり、日本人が服用すると過剰摂取になることがあります。過剰摂取は、効果が強く出過ぎた結果、副作用へとつながりますから危険です。

さらに、海外の製造工場は、日本よりも製造の基準が甘いことが常で、成分量が表示どおりでなかったり、不純物が混じっていたりすることがあります。また、不衛生な場所で作られている場合は、異物が混入していたり、粗悪品のことがあります。このことにより、期待する効果が得られなかったり、副作用を招くことがあります。

参考:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」

それだけでなく、人気の高い商品では、正規のメーカー品を装った偽造品が横行し、これによる被害も問題になっています。

参考:偽造医薬品等情報センター「あやしいヤクブツ連絡ネット」

【責任】
また、個人輸入代行は、あくまでも個人的な輸入のお手伝いですから、代行業者である通販サイトは、何の責任も負いません。つまり、もし重大な副作用が現れても、通販サイトも、海外の販売会社も、誰も責任を取ってくれないのです。

その上、個人輸入した薬は医薬品副作用被害救済制度の対象外のため、何の補償も得られません。

※医薬品副作用被害救済制度とは、日本で販売されている医薬品を服用して、重大な副作用が現れた場合に給付金が得られる救済制度のこと

さらには、海外製の睡眠薬や睡眠導入剤に、どのような成分が含まれているか、たとえ医師でも、十分な情報を把握しているわけではありませんから、重大な副作用が起きた時に、すぐには対応できないかもしれないのです。

【時間とお金】
最後に、個人輸入代行で購入できる睡眠薬や睡眠導入剤は、海外製ですから、到着までに時間がかかる上、送料が高いことがデメリットとして挙げられるでしょう。

このように、個人輸入代行は、一見便利なように思えますが、危険を伴う手法とも言えます。しかし、これらの通販サイトは、洋服や食品を売っている普通の通販サイトと見た目に差がなく、何の問題も感じさせないということが、この問題を大きくしているとも言えます。

賢い消費者の皆さんへ

朝の無気力感

ですから、賢い消費者である皆さんは、このように危険な、個人輸入代行業者の通販サイトで睡眠薬や睡眠導入剤を入手するのではなく、正規の通販サイトで、安全・安心な日本製の睡眠改善薬や漢方薬を購入するようにしましょう。そして、不安なことや心配なことは、その通販サイトの薬剤師さんや登録販売者の方に相談しましょう。

もし、症状が軽いようなら、インターネットでサプリを購入することもできます。日本製のサプリなら、色々な問題を考慮する必要もなく、安心です。

また、反対に症状が重いようなら、早めに病院を受診しましょう。病院であなたに合った睡眠薬や睡眠導入剤を処方してもらい、適切な治療を受けて治すことが一番の近道です。

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