睡眠薬の使い方 – 中毒にならないための正しい使用法を
インターネットでは、睡眠薬に関する様々な情報が入手できます。
例えば製薬会社のウェブサイトでは、製品情報だけでなく不眠症に関する色々な知識を仕入れたり、不眠症のチェックができるページもあります。
睡眠薬は、しっかりとその危険性を認識していなければ、特に精神面で様々な問題を引き起こすことがあります。中には、薬への依存症や離脱症状、反作用など、注意が必要な副作用もあります。
しかし、危険性を十分理解した上で、正しい目的で、正しく使用するなら、睡眠薬は不眠症の治療に効果的な薬です。
睡眠薬の正しい使い方を知っておく
ほとんどの睡眠薬は、睡眠時間を固定するために使用するものです。
例えば、23時に眠りたいのに体内時計がズレてしまっていて24時を回っても寝つけないという方が、23時に眠れるように体を「慣れさせる」ために使うのです。
なるべく短期間で卒業するのが睡眠薬の使用ルールで、理想は2週間以内(長くても1ヶ月以内)で睡眠薬を止めることです。ですから、睡眠薬を長期間使用するというのは、睡眠薬の本来の使用用途からは外れてしまうことになります。
もし、このルールを破って長期間に亘って睡眠薬を使用すると、薬に対して耐性ができ始めたり、離脱症状や依存症という問題が起こる可能性が高くなります。
睡眠薬はあくまで対症療法ですから、同時に不眠症の根本治療を行う必要があるでしょう。
対症療法とは、疾病(しっぺい)の原因に対してではなく、主要な症状を軽減するための治療を行い、自然治癒(ちゆ)能力を高め、かつ治癒を促進する療法である。
不眠症の治療法は大きく3つ
不眠症の治療には、主に以下の3つがあります。
- 薬物療法
- 認知行動療法
- 睡眠衛生指導
1.薬物療法
睡眠薬・睡眠導入剤を使用して治療を行う方法です。
最近よく使用されるのが、入眠を促し睡眠を持続させる効果を持つ「ベンゾジアゼピン系」や「非ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬です。他にも、体内時計のズレによる不眠症には「メラトニン受容体作動薬」が使用されることもあります。
2.認知行動療法
不眠症の方の中には、睡眠習慣や睡眠環境などに対して誤った考えや偏った考えを持っているために、不眠を悪化させている場合があります。
この認知行動療法は、こういった考えや行動を正すことを目的とした心理的な療法です。
3.睡眠衛生指導
睡眠に対する正しい知識を持ち、質の良い睡眠を得ることを目的として、生活を改善するための指導法です。
例えば、以下のようなものがあります。
- 規則正しく栄養バランスの良い食生活
- 定期的な運動
- 快適な寝室環境
- 毎日同じ起床時間
- お酒・たばこ・カフェインの節制
大切なのは根本治療
自分でできる生活習慣や睡眠環境の改善は、簡単で今日からでもすぐに始められます。こういった改善を行っても、全く不眠症が解消されない時に初めて、睡眠薬の力を借りるのです。
不眠症やその治療法についての知識は、不眠症を治療する上でとても重要になります。不眠症の陰に他の病気が潜んでいる場合、生活の改善や睡眠薬では不眠の症状が解消されないこともあります。
例えば、うつ病などで不安やイライラ感にさいなまれて不眠になっている場合には、うつ病の治療が必要なのです。しかし、不眠症のことをしっかり勉強していれば、おかしいとすぐに気づくことができるでしょう。
不眠症を治すための根本的な方法については、以下の記事にも詳しく書いています。必ず役に立つ知識ですから、ぜひご一読いただければと思います。