サーカディアンリズムの乱れは「メラトニン」で治療できる?
サーカディアンリズムが乱れ、規則正しい睡眠と起床のリズムを維持できなくなることを、概日リズム睡眠障害(サーカディアンリズム睡眠障害)と言います。
夜の時間に働いたり、不規則な時間の職場環境で働く方は年々増えています。それに伴い、サーカディアンリズムの乱れによる睡眠障害に悩む方も増えているのが現状です。
不眠症や起床障害、それだけではなく、気分が落ち込みがちになったり(軽度のうつ症状)、体の倦怠感があらわれたり、その症状は多岐に渡ります。
サーカディアンリズムの乱れ、メラトニンで治せる?
近年、サーカディアンリズムの乱れを改善するためのサプリメントとして、メラトニンが注目されるようになりました。
メラトニンがサーカディアンリズムの乱れに対して、どのように作用するのかは後ほど説明するとして、まずはサーカディアンリズムとは、一体どのようなものなのかを解説します。
サーカディアンリズムとは?
難しく考えず、一言で説明するなら、サーカディアンリズムとは体内時計のことを指しています。
体に1日のリズムを作り出し、眠りにつく時間と、起床する時間をプログラムしているのです。サーカディアンリズムは、ほとんどの生物に存在します。
私たち人間の体は、サーカディアンリズムによって眠気を感じたり、日中の活動を活発に行うこともできるのです。
では、よく「体内時計が乱れている」という言葉を聞きますが、体内時計(つまり、サーカディアンリズム)が乱れる理由はなぜでしょう?
「体内時計が乱れる」という状況が想像しづらい方は、時差ぼけを想像すると分かりやすいでしょう。
時差の大きい海外に行けば、必然的にそれまでのサーカディアンリズムと一致しなくなってしまいます。
日中は頭がボーっとしたり、夜になっても眠れず、代わりに昼の時間にひどい眠気に襲われる。倦怠感や気分の悪さ、判断力の低下。。
挙げ始めればきりがありませんが、これらがサーカディアンリズムが乱れるという症状です。
突然、時差の大きな海外に飛行機などで移動すれば、サーカディアンリズムの不一致(乱れ)が起きてしまうことは避けられません。
しかし、普段通り生活をしていても、サーカディアンリズムの乱れは起こり得ます。
体内時計の乱れと、メラトニン
サーカディアンリズムは、環境要因に大きく作用され、リズムが作り出されています。
例えば、明るい光や大きな音。これらは、脳にとっては「今は昼間の活動時間である」と、誤った認識を作り出してしまいます。
体内時計は、目の奥にある視交叉上核と呼ばれる神経にあると考えられていますが、ここは光の影響を特に受けます。
夜の時間にテレビ画面やパソコンのモニター、携帯電話の明るい画面を眺めていると、視交叉上核が本当は夜の時間であるにも関わらず、昼間であると勘違いをしてしまいます。
脳が昼間であると認識すると、睡眠を促し、体内時計を正常に保つと考えられているホルモン「メラトニン」の分泌が止まってしまいます。
メラトニンの役割はとても多岐に渡りますが、中でも注目されているのが、眠気を促し、体内時計を正常に保つ役割です。
サーカディアンリズムが正常に働いていなければ、メラトニンが分泌されず、不眠症や更なる体内時計の乱れへと繋がっていきます。
最近では、メラトニンの分泌をサポートし、体内時計の乱れを改善するサプリメントも販売されています。
自然な成分で作られた、こうしたサプリメントをうまく活用することはお勧めです。ただし、根本的には規則正しい生活をするということが大前提となります。
サーカディアンリズムの乱れに心当たりがあるという方は、夜の時間の過ごし方、朝の時間に規則正しく起床できているか、もう一度しっかりと見直してみましょう。