交代勤務睡眠障害 – 不規則な仕事と不眠症

交代勤務睡眠障害

近年では、24時間休みなく営業するサービス業は当たり前となっています。そのため、当然ながら、深夜や夜間に仕事をしなければならない、シフトワーク(交代勤務)に従事する方も増加傾向にあり、不規則な睡眠時間となる方が増えています。

このような場合に現れるのが交代勤務睡眠障害です。交代勤務睡眠障害は、夜間や不規則な時間に仕事をすることで、本来睡眠をとるべき時間に満足な睡眠がとれなくなってしまう睡眠障害です。

交代勤務睡眠障害とは

交代勤務睡眠障害は、一時的に概日リズム(体内時計)が乱れてしまうことにより起こる睡眠障害の症状の一つで、飛行機で海外に渡航した際に起きる時差症候群(時差ぼけ)と、根本的には同じメカニズムで生じる症状です。
概日リズムというのは、1日を24時間として認識し、睡眠や覚醒のリズムを司っている体内時計であると考えると良いでしょう。

こられのように概日リズムが乱れることによって起こる睡眠障害は、大きく概日リズム睡眠障害という睡眠障害に分類されています。

概日リズム睡眠障害
体内時計が刻む24時間の周期が、なんらかの理由で大きくずれてしまい、生活の時間と同期しなくなる症状。
睡眠の時間や、覚醒している時間が社会生活と異なるために、普段の生活や仕事に支障をきたしてしまう。

「概日リズム睡眠障害」についての詳細は、以下の記事も参考にしてみてください。

交代勤務睡眠障害の症状

交代勤務睡眠障害の症状は、時差症候群の症状と同じく、不眠症などの症状だけに留まりません。日中の身体のだるさや集中力の低下など、身体的にも精神的にも辛い症状が見られます。

交代勤務睡眠障害に伴う主な症状

  • 本来眠りたい時間に眠れない。
  • 本来起床したい時間に起きられない。
  • 中途覚醒や早朝覚醒などの不眠の症状。
  • 慢性的な身体の疲労感を生じる。
  • 集中力の低下や、ぼーっとしたりする。
  • 食欲の低下。
  • 下痢や嘔吐など。

交代勤務睡眠障害は、単純なシフト勤務に伴う不眠症と考えられてしまいそうですが、私たちの身体の様々な器官をコントロールしている概日リズム(生体リズム)がズレることによって、上記のような様々な症状が現れるのです。

交代勤務睡眠障害は対処の難しい睡眠障害

心の休養

交代勤務が原因で、一度睡眠障害が生じると、改善させるのは簡単なことではありません。
元々、一度概日リズムがズレてしまうと、すぐに正常なリズムに戻すことは簡単ではないからです。

ですから、深夜の勤務が終わって家に帰ってすぐに寝ようと思っても、すぐには入眠できないのが普通です。
さらに、深夜の勤務を終えて昼前から眠りについたとしても、睡眠サイクルが通常とは異なってしまうために、すぐに目が覚めたり、熟睡することが困難になってしまいます

そのため、深夜勤務などのシフト勤務に従事している方は、日勤だけの方と比べて、集中力の低下によるミスや、事故のリスクが増えてしまうと考えられます。
ただし、アルバイトや一時的な勤務であれば、正常な睡眠時間の生活に戻れるのに時間はかからないでしょう。
通常どおりの生活時間に戻ることができれば、時間が経つにつれて概日リズムも正常な生活時間に同調してくれるようになるのです。

しかし、シフト勤務のような状態が、仕事として長期間、毎日続くこともあります。
どうしても避けられない交代勤務が続く状況では、どのように対処すべきなのでしょうか。

睡眠のリズムを調整する

目覚まし時計

まず、はじめに知っておいて欲しいのは、交代勤務の方が、正常な睡眠のリズムを保つのは不可能に近いという事実です。身体への負担も避けられないのが実際のところでしょう。

ただし、軽減させることは可能です。アプローチの方法としては、時間のシフトのさせ方を変えることです。
可能な限り、日勤 → 準夜勤 → 深夜勤というように、徐々に時間が後退してくようなローテーションを組むことで、交代勤務睡眠障害の症状を軽減させることができます。

これは、本来人間の体内時計が25時間であることに起因します。25時間の体内時計に睡眠時間を合わせようとすると、睡眠時間を徐々に後退させた方が自然なリズムとなるのです。

睡眠時間を前進させるようなシフトや、バラバラになるようなシフトの組み方になると、体内時計のリズムは極端に乱れてしまいます。身体への負担も大きくなるので注意が必要でしょう。

光の影響を考慮する

シフト勤務に従事している方は、光の影響を考慮すると、覚醒と睡眠のリズムを調整しやすくなります。

具体的には、夜勤で働いている間、職場の電気をなるべく明るくします。目から入る光の刺激により、日中同様に脳の覚醒を促すことができ、集中力や仕事の能率を向上させることができるのです。

また、夜勤明けで帰宅する際はサングラスをかけて移動し、目から入る光の刺激をなるべく入れないようにすると帰宅後眠りにつきやすくなります。帰宅したら寝室の光をしっかりと遮断し、なるべく静かな環境を作るように心がけましょう。

病院で治療する方法

睡眠薬

上述したように、交代勤務睡眠障害は、シフト勤務を続けている限り根本的には完治させる事が難しい症状です。
職場でシフトの時間を調整してもらい、自分に合った睡眠のリズムを得て、症状を軽減させていくことが最善の策と考えられます。

ただし、中には帰宅してもどうしても眠ることができず、生活に大きな悪影響を与えてしまうといった深刻な症状に悩んでいる方もいます。
このような場合、医療機関を受診すれば、入眠を促すための短時間作用型(または超短時間作用型)の睡眠薬を処方してくれることがあります。

ただし、短時間作用型の睡眠薬は、あくまで入眠時の睡眠を促すものであり、意図した時間に睡眠時間を固定させるために用いるものです。
長期間の連用は推奨されていませんので、使用頻度が増えたり、期間が長期間に及ぶ場合は注意が必要です。

詳しくは、以下の記事をご確認ください。

また、睡眠障害を専門に扱う病院や、精神科、心療内科では、高照度光療法と呼ばれる治療法を受けられる場合があります。
高照度光療法は、専用の機器(照明器具のようなもの)を用いて強い光を浴び、覚醒を高めたり、概日リズムを矯正させる治療法です。

詳しくは、以下の記事をご確認ください。

交代勤務睡眠障害の対策 - まとめ

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交代勤務睡眠障害は、身体や精神への負担が大きい上に、職場環境そのものを変えられない限り根本的に完治させる事は難しい症状です。

以下にその対策をまとめましたので、身体への負担が一番少ない方法を見つけるようにしてみてください。

交代勤務睡眠障害の対策

  1. シフトの時間を、日勤 → 準夜勤 → 深夜勤、という流れにする。
  2. 夜勤明けの移動中はサングラスなどで、強い光を避ける。
  3. 帰宅時も光を遮断し、静かな環境で睡眠をとる。
  4. 症状がひどい場合は、睡眠の専門医に相談し、薬物療法も考える。

概日リズム睡眠障害は、放っておくと深刻な身体へのダメージにつながります。場合によっては、ひどい疲れや倦怠感、睡眠不足により、通常の生活を送ることも困難になることさえもあります。

可能な限り職場への理解を求め、シフト勤務のない環境に変えてもらうといった方法も、一つの選択肢として考えてみてください。

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