GABA(ギャバ)の効果 – 本当に快眠できる?
GABA(ギャバ)という成分をご存知でしょうか。GABAは天然のアミノ酸の一種であり、正しくは「γアミノ酪酸 (Gamma Amino Butyric Acid) 」の略です。
最近では、多くのサプリメントや食品などにもGABAが含まれており、快眠やストレス対策に効果的であるとして注目を集めています。
では、GABAとは一体どのような物質なのでしょう?
GABAは、脳内で「抑制性神経伝達物質」として働いている「アミノ酸」です。このアミノ酸の働きとして、リラックス効果や抗ストレス効果があり、さらに快眠にも一定の作用を期待できるのです。
近年の多くの研究結果からも、ストレス性の不眠に効果があることが実証されています。
ところで、GABAはどのように働いているのでしょうか?
その働きや効果について見て行きましょう。
GABAはどのように働くのか
私たちの体内には、多くの神経組織が存在しています。
中枢神経系は、私たちにとって最も重要な神経と言えますが、脳と脊髄(せきずい)からなる神経群で、身体中から集められた情報の処理・統合、各器官の協調・調整を行う神経です。
この中枢神経系では、多くの「神経伝達物質」が働いています。GABAもその中の「抑制性の神経伝達物質」の一つです。
GABAには以下のような働きがあると言われています。
- 抗ストレス効果
- 不眠解消効果
- 血圧を下げる効果
- コレステロール/中性脂肪を抑える効果
- 脳細胞の活性効果
GABAの抗ストレス効果
GABAは抑制性の神経伝達物質であり、興奮を抑制して緊張を緩和する効果によってストレスを軽減する作用があります。
GABAのリラックス効果の確認として、日本食品機能研究会により実験が行われ、以下が報告されています。
GABA投与が13人の被験者の脳波に及ぼす影響について検討した。
各被験者について水、GABA、Lテアニンを投与した後、脳波図について調べた。投与より60分後、水およびLテアニン投与に比べ、GABA投与ではα波の優位な上場が見られ、ベータ波は減少した。
引用元:日本食品機能研究会
このことから、GABAを投与したことにより、リラックスした状態の時に多く発生するα波が増え、物事に集中する時などに発生するβ波は減少したことが分かります。
つまり、GABAによるリラックス効果が得られたのです。
ストレス解消にリラックスは欠くことはできませんから、GABAのリラックス効果はストレスに有効であると言えるでしょう。
GABAの不眠解消効果
眠りに入る際に脳が興奮しているとスムーズに寝付くことは困難です。これは、ドーパミンやグルタミン酸などの興奮系神経が活発な状態になっていることが原因です。
また、人間の身体の仕組みとして、眠くなる時には表面の温度が上昇することで深部温度が下がると言われています。眠くなると手足が熱くなるのは、この働きのためです。
GABAには興奮系神経を抑制する効果と、身体の深部温度を下げる効果があるため、スムーズに寝付くことができるのです。
GABAによる深部温度の低下が睡眠に効果的であることは、以下の学術報告にも記載があります。
【方法】
被験者にGABA高含有食品素材「ファーマギャバ」(GABA含量100%)を睡眠60分前に100mg摂取させ、ベッドにて7時間睡眠をとらせた。睡眠中の脳波、心電図、筋電図、眼電図、皮膚温、直腸温の連続測定を行い、GABA摂取が睡眠の質(睡眠潜時、睡眠深度)に与える影響を解析した。【結果】
就寝前のGABA摂取により、コントロールと比較して直腸部位での温度低下が誘導されたことから、睡眠の質に明らかな改善が認められた。引用元:日本食品機能研究会
また、国立研究開発法人の農研機構では、GABAが睡眠改善機能成分であることを同定(明らかにすること)し、自然な睡眠や覚醒を誘う食品の開発・研究が進められています。
まだまだある!GABAの効果
GABAは、血圧を上げる要因となる物質の分泌を抑える働きと、腎機能を活性化させる働きから、血圧の上昇を抑える効果があります。
また、コレステロールや中性脂肪を抑える効果や、脳細胞を活性化する働きも持っています。
まとめ
私たちは、日々の仕事や育児など様々なストレスを感じています。それによりよく眠れないなどの自覚症状があるような場合は、GABAを含むサプリメントや食品によって改善する可能性があります。
本サイトでは、GABAを含むサプリメントについても特集していますので、参考にして頂ければ幸いです。