この頭痛は病気?ストレス性頭痛の見分け方と対処法

ストレスが原因で睡眠が浅い

ストレスによる頭痛に悩まされている方は少なくありません。しかし、ストレス性の頭痛だと決めつけてしまうと、病気を見逃すことにもつながります。

また、ストレス性の頭痛でも毎日痛みが続く慢性緊張型頭痛は、鎮痛剤があまり効きません。
それでも飲まないよりマシだからと、毎日服用していると、使用過多による頭痛や、胃痛など、その他の症状が生じることもあります。

まずは、病気による頭痛の可能性を排除しましょう。そして、頭痛の原因である、ストレスへの適切な対処法を身につけることが大切です。

ストレス性頭痛はどうして起こる?

昼寝をする時のポイント

過剰なストレスを受けると頭痛が起きる。これはストレスホルモンや自律神経の乱れが原因です。

ストレスホルモンの乱れ

ストレスを受けた時に脳の副腎皮質から分泌される「コルチゾール」が原因です。
コルチゾールは体液量を増やし、血圧を上げる物質です。このため、分泌量が増えると脳の血圧が上昇し、血管の収縮・拡張、脳の血液量の増大が起こり、頭痛が起こります。

自律神経の乱れ

自律神経は活動を促す交感神経、休息のための副交感神経で構成されています。過剰なストレスを受けると交感神経が活発化し、ストレスに対抗するため体を緊張状態にします。
緊張時は首や肩と同様に、頭部の筋肉も収縮します。このため頭が締め付けられ、頭痛を感じるのです。

頭痛の見分け方

認知の再構成

頭痛の原因はストレスとは限りません。病気の可能性を排除するために、以下のように、「頭痛と環境のチェック」を記録してみましょう。

【1.頭痛を数値化】
頭痛の度合いを、0~10の間で数値化して記録します。

痛み無し 0 → → → 10 激痛

【2.状況を記録】
次に、頭痛が起きた日の状況を書き出します。

(例)頭痛の度合い:○月○日 4(中程度)

その日の状況
①天気、湿度などの気象状況 晴れ
②体調(熱、ほてり、頭痛以外の痛み、基礎体温、血圧など) 特に問題なし
基礎体温:36.2℃(低温相)
③睡眠状況(睡眠時間・満足度) 6.5h、満足度〇
④起きた出来事やストレスの度合い データ入力、事務処理など
上司に叱られた、ストレス度は中程度
⑤どうしたら痛みが緩和したか 肩を温めたら楽になった

上記のように記録し、突出している内容に注目することで、対策や対処法を考えることができます。

①気象状況

気温や気圧、湿度の変化が原因で頭痛が起きることがあります。このような気候の変化による頭痛は、「気象病」「お天気病」と呼ばれます。
特に、梅雨、台風の前、寒い日などに起こりやすく、過敏な人だと台風の発生時点で頭痛が起きることもあるそうです。

②体調

風邪などのウィルス感染だけでなく、高血圧、髄膜炎、低酸素血症、頸・眼・耳・歯など頭部の器官の異常でも頭痛が起こります。女性の場合は、女性ホルモンの影響も考えられます。

※基礎体温
ある調査によると、生理前に頭痛がするのに、生理とは関係ないと思っている人が8割を占めていました。

参考:バファリンルナi LION公式HP「生理の時の頭痛とは?」

しかし、エストロゲンの量が急激に低下する時期、大体生理の3~4日前と生理中に頭痛が発生しやすくなります。

※妊娠中の頭痛
妊娠後期の頭痛は、高血圧症や脳血管障害など、妊婦や胎児の生命にかかわる場合があるので、頻発するようなら早めに医師に相談しましょう。

③睡眠状況

寝不足だけでなく、寝過ぎの場合にも頭痛が起こります。また、睡眠時無呼吸症候群やいびきのある人は、睡眠時に無呼吸状態が起きることで酸素不足になり、起床時に頭痛を起こすと言われています。

④起きた出来事やストレスの度合い

頭痛がした時にストレスを受けていたか否か、どのくらいのストレスを感じたかをチェックします。
ストレスを感じたのはどのような状況だったかを記録しておくと、ストレスへの対処に役立ちます。

⑤どうしたら痛みが緩和したか

頭痛には緊張よるものとそうでないものがあります。
ストレス性頭痛は緊張型で、温めたり、体を動かすなどして血流を促すと痛みが和らぎます。
つまり、血流が良くなると頭痛が治まる場合は、ストレスや、同じ姿勢の継続、眼精疲労などが原因と考えられるのです。

例の場合だと、長時間のPC作業とストレスの両方の可能性が強いと言えます。

  • 同じ姿勢を長時間続けない
  • IT機器の光量を下げる
  • ストレスへの対処
などの改善が有効でしょう。

このように、記録を継続してつけることで、原因を特定しやすくなります。原因を特定したら、それに合った対処法を実践しましょう。

ストレス性頭痛の対処法

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薬は一時的な頭痛の緩和、解消でしかありません。ストレス性頭痛に最も効果的なのは、ストレッサー(ストレス原因)に対処することです。
ストレスを受ける度に頭痛に悩まされないように、根本の改善に取り組みましょう。

ストレスへの対処法としては

  1. ストレッサーから離れる
  2. ストレスへの対処法を増やす(ストレスコーピング)
  3. 生活習慣を見直す
  4. 考え方を変える

などの方法があります。

1.ストレッサーから離れる

最も効果的な方法です。しかし、会社や家庭、家族に関わる問題がストレッサーとなっている場合は、簡単に離れることができません。

2.ストレスへの対処法を増やす

そのような時に効果があるのが、ストレスコーピングを増やすことです。中でも特に効果が高いのが、運動習慣をつけることです。

ウォーキング、エアロビクス、水泳などの有酸素運動は、ストレスを解消し、ストレス耐性や睡眠の質を高めるなどの効果が高く、嬉しいことにダイエット効果もあります。週3回、1回30分~1時間の運動を取り入れることが最も効果的とされています。

ストレスコーピングの他の方法については、以下の記事をご覧ください。

3.生活習慣を見直す

ストレス性頭痛の原因である自律神経の乱れは、生活習慣の乱れを正すことで改善することができます。
起床、睡眠、食事時間のばらつき、栄養素の偏りなどは自律神経の乱れの大きな原因となります。さらに、自律神経がバランスを崩していると、ストレスに過敏になり、睡眠障害を引き起こすなど悪化の原因にもなります。

生活のリズムと食事の栄養バランスを見直し、必要なら改善を図りましょう

4.考え方を変える

ストレスは、自分ではなく、他からの刺激によって起きることがほとんどです。しかし、その刺激を大きくし、強いストレスと捉えているのは、他でもない自分自身です。
物事の見方、捉え方、考え方を変えることで、ストレスを小さくすることができるかもしれません。

ストレスになりやすい、他者との軋轢(あつれき)を生みやすい考え方は、「認知のゆがみ」として分類されています。「全か無か思考」「ネガティブ思考」「~べき思考」など、考え方の偏りがないかチェックし、強い偏りがあるなら改善に取り組みましょう。

認知のゆがみについては以下の記事をご覧ください。

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