マイスリー10mg は強すぎる?正しい服用方法
マイスリーは、不眠症の患者さんが初めて処方される睡眠薬(睡眠導入剤)としては、最も多い薬ではないでしょうか。
日本では、2000年に発売が開始されたばかりの、まだまだ新しい薬なのです。発売された当初、ハルシオンなどのベンゾジアゼピン系よりも安全性が高い、新しい薬として、広く脚光を浴びました。
ところで、睡眠薬というのは、服用する人によって使用感が大きく異なります。マイスリーについて言えば、5mgの錠剤と10mgの錠剤がそれぞれ発売されています。
初めのうちは、5mgの錠剤を服用しはじめ、効きが悪ければ10mgの物を使用するのが一般的なようです。
ここからは個人的な主観となりますが、軽度の不眠症であれば5mgの錠剤で充分に眠くなる効果を得られるはずです。
ただ、この薬が効果を発揮する時間(作用時間)は、3〜4時間程度ですから、夜中や早朝に目が覚める(中途覚醒・早朝覚醒)などの症状に対しては、効きが良くないのは当然です。
あくまでも、入眠障害(寝つきが悪い症状)に対して効果を発揮しやすい薬であると認識しておきましょう。
また、寝つきが良くないと言った症状は、マイスリーの5mgでも充分に効果を得られるはずです。マイスリーの添付文書にも、以下のような注意書きが書かれています。
通常、成人にはゾルピデム酒石酸塩として1回5~10mgを就寝直前に経口投与する。
なお、高齢者には1回5mgから投与を開始する。年齢、症状、疾患により適宜増減するが、1日10mgを超えないこととする。
マイスリー10mgは強すぎる?
そうした主観を元に考えると、マイスリー10mgをしばらく服用しても眠れないという方は、根本的に不眠治療の方法を見直す必要があると思います。
例えば、入眠障害の原因に強いストレスなどがある場合、そうした原因を取り除かなければ、いくら睡眠薬を飲んでみたところで、症状が改善されることはありません。
また、マイスリーなどの睡眠薬は、短期間の服用に留めるべき薬です。急な断薬は難しいでしょうが、少なくとも、徐々に10mgから5mgに減薬していく努力は必要なはずです。
重要な基本的注意
本剤の投与は継続投与を避け、短期間にとどめること。
やむを得ず継続投与を行う場合には、定期的に患者の状態、症状などの異常の有無を十分確認のうえ慎重に行うこと。
10mgから増やしてはいけない
マイスリー10mgでも満足な睡眠を得られず、ここから更に薬の服薬量を増やす人もいます。医師や薬剤師の指示に従っていれば、まず起こり得ないことです。
上述したマイスリーの添付文書にもあるように、マイスリーの上限は1日に10mgです。この量を超えると、意識混濁などの副作用のリスクが高まります。
過量投与
症状:本剤単独の過量投与では、傾眠から昏睡までの意識障害が報告されているが、さらに中枢神経抑制症状、血圧低下、呼吸抑制、無呼吸等の重度な症状があらわれるおそれがある。
これは、アルコールとの同時服用も同じことです。
いずれにしても、睡眠薬の服用はなるべくしないに越したことはありません。長く服用し続ければ、その分依存症や離脱症状のリスクは高まります。
この点を充分に認識して、マイスリーを使用する必要があります。