眠くなる市販薬 – 眠れない時はどれを選ぶべき?
不眠症に悩む日本人の数は、日本の人口の5人に1人にまで増えていると言われています。誰でもが「眠れない」という症状を経験する可能性があるということです。
あなたは、仕事の疲れや生活の変化が原因で突然眠れなくなった時、どのように対処していますか?
病院に行って睡眠薬を処方してもらうことには抵抗があっても、ドラッグストアや薬局で購入できる眠くなる市販の薬「睡眠改善薬」には抵抗がないという方が多いでしょう。テレビのCMなどでも目にする睡眠改善薬には「ドリエル」や「ネオディ」といったものがあります。
ハーブ成分などを用いた眠くなるサプリメントというものもありますが、これらは薬とは違っていて、日本で睡眠のための薬として市販されているものは、現状では睡眠改善薬くらいです。
医薬品の睡眠薬と市販の睡眠改善薬の違い
睡眠を促す市販薬「睡眠改善薬」は、医薬品の「睡眠薬」とは大きく異なっています。
- 処方(購入)の方法が違う(睡眠薬は医師の処方せんが必要)
- 脳の中で作用する神経の部位が違う
- 効き目が違う(睡眠薬の方が明らかに強い)
- 副作用が違う(睡眠薬の方が顕著)
その反面、医薬品の睡眠薬の方が、副作用(ふらつき、健忘、倦怠感)を感じやすいでしょう。さらには、依存症が起きることもあります。
眠くなる「市販薬」の選び方
薬局・ドラッグストアでよく見かける睡眠改善薬には、以下のようなものがあります。
- ドリエル(エスエス製薬㈱)
- ネオディ(大正製薬㈱)
- グ・スリーP(第一三共ヘルスケア㈱)
- マイレスト(サトウ製薬㈱)
- ウット(伊丹製薬㈱)
など
睡眠改善薬の効き目は
これらは、基本的には同じ成分が有効成分として使用されています。風邪薬や鼻炎の薬などに含まれている「抗ヒスタミン剤」であるジフェンヒドラミン塩酸塩です。
少し長くてややこしいですが、それぞれの製品の箱をよくご覧いただければ、ジフェンヒドラミン塩酸塩と記載があるのがお分かりいただけるでしょう。
これら睡眠改善薬は、脳を覚醒させる作用を持つヒスタミンが放出されるのをジフェンヒドラミン塩酸塩が防いで、脳をリラックスさせて眠気を誘うことを利用した薬です。
上記の製品のうち、上の4つは有効成分であるジフェンヒドラミン塩酸塩が同じ50mg(1回量)含まれています。つまり、同じ成分が同じだけ含まれているのですから、どれを選んでも効き目の差を感じることはないかもしれませんね。
ちなみに、ウットだけは25mg(1回量)ですが他の成分も含まれています。
睡眠改善薬の副作用は
また、副作用についても、成分が同じなのですから違いはないでしょう。
いずれも製品の箱に入っている説明書に「使用上の注意」として以下の副作用の記載があります。代表して、ドリエルに記載されているものをご紹介します。
- 皮膚:発疹・発赤、かゆみ
- 消化器:胃痛、吐き気・嘔吐、食欲不振
- 精神神経系:めまい、頭痛、起床時の頭重感、昼間の眠気、気分不快、神経過敏、 一時的な意識障害(注意力の低下、ねぼけ様症状、判断力の低下、言動の異常等)
- 循環器:動悸
- 泌尿器:排尿困難
- その他:倦怠感
このような症状が現れた時は、すぐに服用を止め、お医者さん、薬剤師さんまたは登録販売者さんに相談しましょう。
睡眠改善薬を使うのは数日だけ
しかし、効き目が弱い分副作用も弱いからと言って、睡眠改善薬を長期間使用してはいけません。
連続して服用する期間は、長くても2~3日が限度だと考えておいてください。
抗ヒスタミン剤の催眠鎮静作用は、それほど強いものではありません。連用していると、薬に耐性ができてしまい、全く効果を感じなくなってしまう可能性があります。
ですから、普段はしっかり眠れているけれど「特定の日に限って眠れない」という場合に限り、市販の睡眠改善薬を使用するのが良いでしょう。
また、妊娠中に睡眠改善薬を服用することは避けましょう。もちろん、アルコールとの併用もいけません。
根本的に不眠症を改善するために
長期に亘って不眠を感じる場合、その原因を根本から取り除く必要があります。
不眠症の原因は、生活習慣やストレス、体内時計のリズムの乱れによる場合が多いようです。このような場合、体内時計や生活のリズムを整える「メラトニン」と呼ばれる睡眠ホルモンを増やすことが、不眠の解消につながる場合もあります。
最近では、メラトニンを増やすためのサプリメントも販売されていますから、こういったものを活用すると良いでしょう。サプリメントは、睡眠薬や睡眠改善薬のように副作用や依存の心配も必要ありません。
自分に合った、体質を改善できるサプリメントを見つけることも、不眠症を改善するおすすめの方法ですよ。