これって睡眠導入剤の副作用?!効果が期待できる症状は

最近、眠れない日が続いて辛い。病院に行ったら「睡眠導入剤」を処方された。
よく分からないけど、睡眠導入剤って、睡眠薬とは違うの?何だか怖い気がするけど大丈夫、、?

こんな風に思いながら薬を飲んでも精神衛生上よくありませんし、病院で処方してもらったのに自己判断で飲まないとすると、それは治療の妨げになるかもしれません。
そこで、睡眠導入剤について、正しく理解していただくために、睡眠導入剤とは何なのか?副作用や効果が見込める症状などについて、ご説明したいと思います。

医者の説明

睡眠導入剤って睡眠薬と同じなの?

結論から言うと、睡眠導入剤は、睡眠薬と基本的には同じです。と言っても、わざわざ「睡眠導入剤」と呼ぶ以上、もちろん異なる点もあります。

睡眠導入剤と睡眠薬の比較、同じ点と違う点

以下の表は、現在主流のベンゾジアゼピン系と、非ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤および睡眠薬について、比較したものです。

睡眠導入剤 睡眠薬
対象となる睡眠障害 ・入眠障害(寝つきが悪い)
・中途覚醒(夜中に目が覚める)
・中途覚醒(夜中に目が覚める)
・早朝覚醒(早朝に目が覚める)
分類:処方せん医薬品
医師の処方せんが必要な医薬品
ほぼ指定されている ほぼ指定されている
分類:向精神薬
中枢神経に作用し、依存性がある医薬品
ほぼ指定されている ほぼ指定されている
分類:習慣性医薬品
習慣性がある医薬品
ほぼ指定されている ほぼ指定されている
作用機序
(作用メカニズム)
脳の中枢神経に作用する 脳の中枢神経に作用する
効果が持続する時間
(半減期)
比較的短い
(1~10時間)
かなり長い
(20時間以上)
効果が現れるまでの時間 比較的短い
(1~3時間)
少し時間がかかる
(1~5時間)
副作用 眠気、めまい・ふらつき、一過性の記憶障害など 眠気、めまい・ふらつき、一過性の記憶障害など

上の表から一目瞭然ですが、睡眠導入剤と睡眠薬は、対象となる睡眠障害の種類が異なります。その理由は、効果が持続する時間(半減期)の違いによります

半減期とは、薬が体内で半分の量になる(半減する)までの時間のことです。半減するまでに時間がかかる睡眠薬は、効果が長く続くということになります。そのため、夜中に目が覚めたり(中途覚醒)、早朝に目が覚めたり(早朝覚醒)する睡眠障害に対して、「睡眠薬」が有効とされています。

一方、「睡眠導入剤」の半減期は、短いものでは2時間程度です。寝つきが悪い(入眠障害)に対しては、眠りにつくのを助ける効果があれば、その後はもう薬の効果がなくなっても問題がないことが多いので、短時間で薬が消失するように作られているのです。
また、半減期が長いものは10時間程度で、その場合は、入眠障害だけでなく中途覚醒にも効果があります。

睡眠薬の作用時間(イメージ)血中濃度と持続時間

薬ですから、長く効く方が良いように感じるかもしれませんが、一概にそうとも言えません。長く効き過ぎることで、翌日まで薬の効果が残ってしまう可能性があるからです。これを「持ち越し効果」と言いますが、翌日の日中にすごく眠くなったり、ボーッとしてしまったりする場合は、そのことを医師に伝えて相談した方が良いでしょう。

この持ち越し効果は、副作用の一つで、睡眠導入剤でも睡眠薬でも起こる可能性があります。また、その他の副作用についても、睡眠導入剤と睡眠薬で違いはありません。
次項では、服用するにあたって、一番気になる副作用について詳しく見ていきましょう。

次項では、服用するにあたって、一番気になる副作用について詳しく見ていきましょう。

睡眠導入剤にはどんな副作用がある?

睡眠導入剤の副作用

睡眠導入剤は、主に入眠障害(寝つきが悪い)に使用されるもので、効果が持続する時間(半減期)が短いため、副作用があまりないように思うかもしれません。しかし、薬なのですから、やはり副作用はあります。

睡眠導入剤の主な副作用

  • 眠気
  • めまい・ふらつき
  • 頭痛・頭重感
  • 倦怠感
  • 一過性の記憶障害など
これらの副作用は、どの睡眠導入剤でも起こりうることです。中でも、特に注意したいことについて、詳しくご紹介します。

ふらつき・転倒の危険

特に、胃腸が弱い方や高齢者の方は、薬を代謝する機能など生理的機能が弱いことが多く、薬の効果が強く出過ぎてしまうことがあります。
その場合、異常な眠気に襲われたり、フラフラするなどの副作用が現れます。夜中にトイレに起き上がった時はもちろん、翌朝まで効果が残ってしまう可能性も高いので、十分注意してください。

また、足腰が弱っている方に副作用が起こる場合、めまいやふらつきなどの症状により、転倒の危険性がありますから、注意が必要です。

一過性の記憶障害、もうろう状態の危険

服用後すぐに寝床につかないで起きていると、その間のことを覚えていなかったり(一過性前向性健忘)、もうろう状態になることがあります。睡眠導入剤を服用後はすぐに寝床につくようにしましょう。
また、途中で起こさないように家族や周りの人に伝えておくことも大切です。

さらに、睡眠導入剤を服用して眠り、十分に覚醒していない状態で車の運転や食事などをしても、そのことを覚えていないこともあります。もしこのような異常な行動が現れたら、服用を止め、すぐに医師に相談しましょう。

持ち越し効果

持ち越し効果とは、前日の夜に服用した睡眠導入剤の効果が、翌日まで残ってしまうことで生じる様々な症状のことです。

持ち越し効果で見られる症状

  • ボーっとする
  • ふらふらする
  • 集中力・注意力の欠如
  • 日中の眠気
  • 脱力・倦怠感
  • 頭痛・頭重感など

持ち越し効果は、薬の効果が持続する時間(半減期)が長い睡眠導入剤を服用した際に起こりやすい症状です。
生理機能が弱っている場合も起こる可能性がありますので、このような症状が現れるようなら、医師に相談して、薬の減量、または変更を検討してもらいましょう。

離脱症状

離脱症状とは、長期間服用していた睡眠導入剤を突然止めた時に起こる症状で、例えば、以下のようなものがあります。

離脱症状の一例

  • 反跳性不眠(服用前よりも不眠の症状がひどくなる)
  • 痙攣(けいれん)発作
  • 不安
  • 幻覚・妄想
  • 吐き気・胃の不快感など

これらは、ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤で現れることの多い症状です。
もし、長期間睡眠導入剤を服用している場合は、一気に止めようとせず、徐々に服用量を減らしていくことが離脱症状を避けるたった一つの方法です。
お医者さんに相談しながら、適切に減らしていくようにしましょう。

依存性

多くが、習慣性医薬品や向精神薬に指定されているとおり、睡眠導入剤には依存の危険もあります。

習慣性医薬品は、習慣性があるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品である。

向精神薬とは、中枢神経系に作用して精神機能に影響を及ぼす物質のうち、依存性があり、かつ乱用された場合に有害性が麻薬、覚せい剤より低いものをいい、「麻薬及び向精神薬取締法」において、バルビタール等の睡眠薬、ジアゼパム等の精神安定剤、ペンタゾシン等の鎮痛薬等が規定されている。

出典:日本製薬協会「日本の薬事行政 表1:主要規制医薬品分類表」

依存性は、ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤、オレキシン受容体拮抗薬で見られる症状です。長期間の服用や過量の服用によって起こりやすいので、服用の期間や服用量に注意が必要です。

また、一部の睡眠導入剤には、過去に娯楽目的で使用したことのある方が使用すると、たった1回でも薬物嗜好(しこう)性(また使いたいと思う気持ち)が見られたという報告もあります。
それほど、依存性が高いということですから、服用の際は、注意事項を守り、用法・用量を守って服用するようにしましょう。

睡眠導入剤の正しい使い方は?

睡眠薬の使い方

いくら効果があると言っても、副作用だけでなく、離脱症状や依存性があるなら、使いたくないと思う方もいらっしゃるでしょう。

実際、ある調査では、「睡眠薬(睡眠導入剤を含む)を安心して服用できる期間は?」の問いに対して、「1週間以内」と答えた方が30%、「1回でも安心できない」と答えた方が20.9%と、全体の半数を占めていました。
それだけ、効果よりも副作用に焦点が当てられがちな薬だということが分かります。

しかし、使い方さえ間違えなければ、睡眠導入剤は、有効な治療法の一つです。

ここからは、睡眠導入剤の正しい使い方について、一緒に考えてみましょう。

どのくらいの期間、服用しても良いのか

睡眠導入剤を服用することになって、その時は眠れるようになっても、ゴールが見えないと不安になるものですね。
では、どのくらいの期間、服用しても良いのか?いつまで服用すれば症状が改善されるのでしょうか。残念ながら、人によって症状も薬の効果も様々ですから、日数で明確にお答えすることは難しいです。

ですが、目安はあります。

睡眠導入剤を止める目安

  • 夜間の不眠症状が改善している
  • そのおかげで、日中の心身の調子が良くなった
上記の2点がクリアされれば、徐々に薬の量を減らしていくことができます。

もし、十分に睡眠障害が改善されていないのに睡眠導入剤を止めてしまうと、また症状が再発したり、悪化してしまうことがあります。薬をやめる時期については、お医者さんとよく相談してから決めるようにして下さい。

そもそも睡眠導入剤は、先述したように、長期間服用するとその分離脱症状や依存の可能性が高くなります。しかし、病状によっては、長期的に服用することが必要な場合もありますから、長く服用することになったからと言って、一人で悩まずに、心配なことがあればお医者さんに相談するようにしましょう

効果的な服用のタイミングはいつか

睡眠導入剤を飲んだのに、全然眠れない。という時は、睡眠導入剤の効果を疑ってしまいます。そのような場合は、もしかすると、服用のタイミングが良くなかったのかもしれません。
また、毎日の晩酌が楽しみだけど、夜眠れないから睡眠導入剤は欠かせない。という方は、一体いつ服用すれば良いいのでしょう。

効果的な服用時間について

睡眠導入剤の最も効果的な服用時間は、寝る直前です。食後すぐは効果が下がるので、食後2~3時間後の寝る直前が良いでしょう。
もし、服用後も起きて活動していると、ふらついて転倒したり一時的な記憶障害やもうろう状態の危険がありますから、服用したらすぐに寝るようにしましょう。

アルコールとの併用について

原則として、アルコールを飲んだ日は、睡眠導入剤の使用は止めましょう。睡眠導入剤とアルコールの併用により、効果が増強されて、以下のような副作用が出ることがあるのです。

アルコールとの併用により起こりうる副作用

  • ふらつき
  • 物忘れ
  • 奇異行動(おかしな行動)など

ご自分では酔いが醒めたと思っていても、たったコップ1杯のビールでも身体の中には2時間はアルコールが残っています。ですから、睡眠導入剤とアルコールとの併用は「百害あって一利なし」と心得ましょう。

追加で飲んだり、好きな時だけ飲んでも良いのか

薬を心配する女性

夜中に目が覚めてしまって、そのあと眠れなくなった。などという時は、追加で睡眠導入剤を飲みたくなってしまいます。また、眠りたい時だけ使いたいという方もいらっしゃるでしょう。
でも、追加で飲んだり、飲んだり飲まなかったりするのは問題ないのでしょうか。

睡眠導入剤の追加服用について

もし、追加で使用したいと思っても、なるべくなら避けた方が良いでしょう。と言うのは、翌日まで効果が残ってしまう「持ち越し効果」の可能性が高くなるからです。
持ち越し効果によって、日中激しい眠気や、ボーッとしてしまうと、日常生活に支障が出てしまいます。

それでも、どうしてもという場合は、飲む時間や服用量に気をつければ、追加服用できる場合があります。
しかし、睡眠導入剤の種類によっても異なりますし、一つ間違えれば重大な副作用を招きかねませんから、服用中の睡眠導入剤について、医師か薬剤師に尋ね、適切な使用法を教えてもらうのが良いでしょう。

睡眠導入剤の増量について

睡眠導入剤を飲んでも眠れないという場合、服用量が少なすぎることが原因のこともあります。その場合は、医師と相談の上、増量するとよく眠れるようになるかもしれません。
しかし、決められた量を超えて服用すると、副作用や持ち越し効果の恐れがありますから、くれぐれも用法・用量は守りましょう。

また、睡眠障害の症状によっては、複数の睡眠導入剤や睡眠薬を処方されることがあります。
現在では、医師は、1回の処方で3剤以上を一緒に処方してはいけないことになっていますが、必然的に服用量が増えるわけですから、副作用の可能性も高くなります。
何かあれば、すぐにお医者さんに相談するようにしてください。
そして、もし自宅に以前処方された、余りの睡眠導入剤や睡眠薬があっても、絶対に自己判断で飲むことは止めましょう。

睡眠導入剤の頓用について

眠りたい時だけ使いたいという場合については、症状の程度が軽い場合に限り、可能なことがあります。
これも、睡眠導入剤の種類によって違いますし、ご自身では症状を十分把握しきれていないこともありますから、医師に相談する方が良いでしょう。

医師とのコミュニケーション

医師とのコミュニケーション

睡眠導入剤は、決して怖い薬ではありません。ですが、使い方を誤れば、重大な副作用を招きかねないものでもあります。
そのため、使い方や治療そのものについては、医師とよく相談することが大切になります。

不眠などの睡眠障害の治療は、睡眠導入剤を使った薬物療法だけでなく、睡眠衛生指導認知行動療法と言われる方法もあり、どれを選択するかは、それぞれの方の症状に合わせて決める必要があるからです。

でも、大きな病院に行くといつも混んでいて、診療時間も短いし、十分話ができないということもあるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、近所のかかりつけ医です。

ご自宅の近所の先生であれば、何かあった時にすぐに相談に行けますよね。それに、クリニックなど規模の小さな病院では、大きな病院に比べてコミュニケーションを大切にしているところが多いので、じっくり相談することができるでしょう。

話を聴いてもらうだけでも、気持ちが軽くなって、不眠が改善に向かうこともありますから、ぜひ近所のかかりつけ医を見つけましょう。

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