寝る前の「考え事」で泣きたくなるのはなぜ..
寝る前に考え事をしていると、訳もなく虚しくなったり、寂しくて涙が溢れてくることがあります。考え事をするのを止めたくても、自分では止められない。
ネガティブな思考でどうしようもできない..
こんな状態では、満足に睡眠をとることなんて、到底できるわけがありません。
寝る前の考え事、泣きたくなるのは
ショックな出来事や不安な出来事が起こると、一時的に不眠症を引き起こすことがあります。
こうした症状を適応障害性不眠症と呼びますが、ショックな出来事が頭から離れなかったり、強いストレスを抱えているわけですので、精神状態が不安定になるのは当然です。
夜の時間は、自然と緊張感が高まり、警戒心も強くなります。
これは、人間の本能です。昼間の時間は辛いことや不安なこともほとんど考えずに済んでいても、夜の時間は鋭い不安感に睨まれるのが普通です。
理由の分からない不安感は
前述した場合とは異なり、本人には自覚がないにも関わらず、夜の時間になると訳もなくネガティブな考え事ばかりを巡らせ、時には泣いてしまうような場合もあります。
この場合、考えられるのは気分障害の可能性です。気分障害というのは、うつ病などを含む、神経性の疾患です。不安障害(不安神経症)などの可能性もあります。
このような神経性の疾患は、多くの場合睡眠障害を引き起こします。不必要に不安を煽る考え事ばかりを巡らせ、神経は常に過敏な状態となっているため、とても満足な睡眠を得ることなどできません。
毎日のように訳もなく不安な気持ちに駆られ、涙が止まらないという場合は、注意が必要なのです。
睡眠薬では治せない
うつ病などの不安障害の場合、とにかく眠れない症状を抑えようと睡眠薬を服用することは逆効果です。
睡眠薬(または導入剤)の注意事項にも書かれている通り、うつ病などの症状には睡眠薬は効果を発揮しません。
むしろ、睡眠薬の向精神作用によって、余計に精神が不安定になることさえあるのです。
毎日、夜になると強い不安な気持ちに駆られてしまうという場合は、内科などで手軽に睡眠薬を処方してもらうのではなく、心療内科や精神科で、まずは心の治療をしなければいけません。
根本的な問題を放っておいたまま、表面的な治療を行おうとしても、いつまで経っても症状が改善することはないのです。
目安として、2週間以上不安で満足に眠れない、日常の生活にも不調をきたしているようなら、一度は心療内科などを受診する必要があるでしょう。