不眠症がうつ病に – 絶対に見逃してはいけないサイン
不眠症で悩んでいた方が、気がついから気分が塞ぎ込みがちになってしまっており、しばらくすると「うつ病」と診断された。そのようなケースは、実はよくあります。
不眠症とうつ病は、とても密接に結びついています。それまで精神的に健康だった方が、不眠症をきっかけにうつ病を深刻にしてしまう事が、実際にはよくあるのです。
不眠症がうつ病に?見逃せないサイン
不眠症という病は、人の思考や感情に多大な悪影響を与えます。
様々な実験でも、睡眠時間を削った場合、人の脳の判断力や思考力は、極端に落ち込むことが分かっています。
あえて実験するまでもなく、私たちは、睡眠時間が少なければ活力が湧かず、仕事や人間関係をうまく保つことができないはずです。それだけでなく、不眠症は体力を奪い、睡眠のサイクルを破壊します。
実は、この睡眠のサイクル(体内時計)の乱れは、うつ病や感情の起伏と密接に関係しています。
体内時計の乱れが、うつ病の原因に
不眠症によって、あなたは休みの日に昼過ぎまで眠っているかもしれません。まずここに、うつ病の原因が潜んでいるという事を理解する必要があります。
私たちの感情は、脳の中にあるセロトニン神経が大きく関わっています。
セロトニン神経は、感情の浮き沈みを抑えてくれますし、日中に脳を覚醒させ、活動的な気分を作ってくれます。
この神経は、毎日規則正しい生活を行い、朝から太陽の光を浴びて、バランスの良い食生活を送ることで刺激されるものです。体内時計が乱れてしまい、休みの日に眠りすぎるような生活を送っていては、間違いなくセロトニン神経が弱ってしまいます。
うつ病の原因は、セロトニン神経が弱ってしまう事が大きな原因となっているという事実を、あなたは知っていましたか?
悪さをし合う「うつ」と「不眠」
不眠症が発症される原因は非常に様々です。
先ほどは、不眠症からうつ病が引き起こされるという事を明らかにしましたが、逆にうつ病から不眠症が起こることもあるという事も、知っておくべきです。
うつ病と言っても、ご存知のように、その症状には様々な種類が存在しています。
例えば、「隠れうつ」や「プチうつ」と言われるように、本人がそれと気が付かないような症状や、症状の軽いケースもあるのです。
不安やストレスは不眠症を誘発します。そして、今度は不眠症がうつ病を悪化させます。どちらが先に発症したのかは、後になってもなかなか分かりませんが、2つの症状は互いに協力に結びつき、相互に症状を加速させるというわけです。
どちらの症状も、軽度のうちは対処もしやすい病です。
しかし、放置して生活態度を変えなければ、一気にひどくなってしまう病気でもあります。
不眠症とうつ病の「小さなサイン」を認め、早めに対処する事が重要なのです。
また、不眠症の治療は、睡眠薬に頼ってばかりではいけません。これはこれで、症状を悪化させる原因のひとつとなるからです。
以前に、不眠症の治し方について、詳しい記事を書いているので、こちらも読んでおくと良いでしょう。