不眠症で、病院選びは大切!薬漬けにならないために

不眠症の病院選び

不眠症ほど、治療の難しい病気はないのかもしれません。

結論から先に書くと、不眠症は、厳密にどの診療科を受診した方が良いという病気ではありません。
内科で不眠症についての相談を受け付けている場合もあります。ストレスや心の問題で不眠症になってしまった可能性が高ければ、心療内科精神科で診てもらうのも良いでしょう。神経科では、うつ病や双極性障害など、神経の病に伴う不眠症を診察してくれます。

どんな病気でもそうでしょうが、病院(と言うよりは、担当医)に依存します。知識量、コミュニケーション力、相性など、様々な理由で、合う合わないがあるからです。

大切な「病院選び」「医師選び」

病院

実は、不眠症という病気は、治療方法が確立されていない病気です。ですから、診察してくれるお医者さんによっても、治療方法が全くと言っていいほど異なります。
だからこそ、担当してくれるお医者さん選びには、最も慎重になるべきなのです。

一番良いのは、睡眠専門外来を受診することでしょう。睡眠専門外来の医師であれば、睡眠障害について深い知識を持っていますから、安心してお任せできます。
ですが、睡眠専門外来はどの病院にもある診療科ではありません。その場合は、内科でも、心療内科や精神科でも、神経科でも、あなたの話をしっかりと聴いてくれ、診療方針についてもしっかりと説明してくれる「信頼できる医師」を見つけましょう。

と言っても、これも容易なことではありませんよね。
ですから、患者さんであるあなたご自身も、不眠症の正しい知識を持ちましょう。最低でも、ご自分に処方された薬が、どのようなものなのか?という点だけでも調べてみると良いでしょう。

そうでないと、簡単に睡眠薬が処方され、それが長期に亘り、怖いことですが結果的に「薬漬け」になってしまうこともあるからです。
睡眠薬は、一時的に不眠を改善するために使用するものです。2週間以上服用すると、依存症や止める時に離脱症状を引き起こす可能性がだんだん高くなってしまうのです。

処方された薬に疑問があれば

インターネットの書き込みを見ていると、よく以下のような相談を目にします。

不眠症治療

引用:Yahoo!知恵袋

ここに出て来る薬、「デパス」というのは、寝つきをよくするために使われることもありますが、ほとんどの場合、精神安定剤うつ病の治療薬として使われている薬です。
睡眠薬と精神安定剤(抗うつ剤)は、基本的にはほとんど同じような成分で作られています。中枢神経に作用し気持ちを穏やかにするという点では、同じとも言えるでしょう。

現在では、このような薬を一度に3種類以上処方してはいけないことになっています。また、患者さんへの影響を考えれば、いきなり強い睡眠薬や精神安定剤を処方することはあり得ません。

質問された方が、どのような不眠の症状だったのかは分かりません。「心の病」が原因の不眠であることが分かった上で処方されたのであれば、適切な処方なのでしょう。

ですが、病気や薬に関する知識がなければ不安が募るものです。
上記の方のように、もし不安がある場合は、担当のお医者さんに尋ねるようにしましょう。もし聴きにくければ、薬剤師さんでも親切に教えてくれますよ。

過量投与の実態

脳に悪影響

しかし、先ほど「薬漬け」への可能性を指摘したように、向精神薬の過剰投与が大きな問題となっていることも事実です。

厚生労働省によれば、日本では諸外国より精神科での多剤投与が多く、これが、過量服薬(オーバードーズ)による自殺未遂が後を絶たない素因になっていると指摘されている。

また、中毒の危険性がある薬を処方しているにもかかわらず、用量の順守や、あるいは血液検査などの安全管理がなされていない事例もある。

出典:Wikipedia -多剤大量処方-

上記は、厚生労働省の「自殺・うつ病等対策プロジェクトチームとりまとめについて」(平成22年)を参考にして記述されたものです。

また、他にも、厚生労働省では「向精神薬の処方実態に関する報告及び今後の対応について」(平成23年)として、実態調査で以下のような結果をまとめています。

  • 既定量をかなり超えた量の睡眠薬を処方されているケースがあった。
  • 3種類以上の睡眠薬を処方されているケースは少ないものの、ゼロではない。
  • 処方されている睡眠薬の種類が増えるほど、投与量が増えていた。

参考:厚生労働省「向精神薬の処方実態に関する報告及び今後の対応について」

これらをきっかけとして、現在では、1回の処方で同時に3種類以上の抗不安薬、3種類以上の睡眠薬、4種類以上の抗うつ薬、4種類以上の抗精神病薬を処方してはいけないこととなりました。

患者となる私たちもこういった知識を持ち、疑問があれば質問するようにすれば、さらに安全性が高く、安心して医療を受けることができるでしょう。

さいごに

太陽の光

不眠症の治療は、何も薬物治療だけではありません。
不眠症の原因の多くは「ストレス」や「心の病」です。ですから、どちらかと言うと、ストレスや心の病の原因を取り除くことが根本的な治療になります。また、生活習慣を見直すだけで症状が軽減することもあります。

大切なのは、あなたの不眠症の原因を突き止め、それを治療することなのです。

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