季節性うつ病と過眠症 – 眠りすぎてしまう原因

季節性うつ病

季節性うつ病は、季節の変化によって現れるうつ病の症状の一つです。

決まった季節になると気分が落ち込んだり、著しく意欲が低下したり、理由もなく気が滅入ったりするのが特徴です。
日本では、秋から冬の季節にかけて増加する冬季うつ病が多いとされています。

季節性うつ病の症状

季節性うつ病の特徴として、一般的な気分障害(うつ病)に見られるような不眠の症状よりも、眠くて仕方がない過眠の症状が現れる傾向があります。
また、うつ病では食欲の減退が多いとされますが、それとは逆に食欲が異常に増加してしまう過食症状が現れるのも特徴です。

季節性うつ病の特徴的な症状
  • 秋から冬にかけて発症しやすい(その他の季節でも発症することがある)。
  • 理由もなく気分が憂うつになったり、気が滅入ったりする。
  • 眠気が強く、朝から眠く、日中も眠気に悩まされる。
  • 食欲が増し、過食気味になることがある。
  • ある特定の季節を過ぎると、症状が治まりはじめる(または完治する)。

欧米では特に女性に多く見られる症状とされていますが、日本では女性に限らず、男性にもよく見られる症状です。
過食や過眠の症状を伴うことから、女性の季節性うつ病の患者さんは、著しい体重の増加が見られることがあります。

過食の症状

過食症状が出る場合、一般的には、ご飯やパンなどの炭水化物、甘い物が食べたくなるという傾向があるようです。

過眠の症状

過眠の程度は人によって異なります。普段は6~8時間程度の睡眠をとっている方が、季節性うつを発症する時期になると、10~15時間程度の睡眠をとっても、まだ眠たいという例もあります。

当然、それまでどおりの時間に起床しても、午前中から日中にかけては強い眠気やだるさに襲われます。
仕事や学業に集中することは難しいですし、休日はほとんどの時間を寝て過ごすことになってしまいます。

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季節性うつ病の原因

季節性うつ病の一因として、遺伝的な要素の存在が、統計によって明らかにされています。
親族にうつ病や季節性うつ病の患者さんがいる場合、同様の病気を発症する確率が高かったという事例が多くあるのです。

もう一つの大きな要因として、日照時間の変化が生体リズムに影響するということが分かっています。
秋から冬にかけては、一年の中で最も日照時間が減少します。このことが、睡眠と覚醒のリズムホルモンの分泌に影響を与え、結果として、脳の活動の低下やうつ状態を引き起こすのです。

「太陽の光と生体リズムの関係」については、以下の記事を参考にしてください。

このため、日照時間の短い地域(北欧などの国)では、うつ病の発症頻度や、睡眠障害の患者の割合が高いとされています。

冬季うつ病

季節性うつ病への対処法

季節性うつ病の中でも比較的多い冬季うつ病(秋から冬ごろに発症する)の場合、毎年決まって冬頃になると特徴的な症状を発症します。そして、春の暖かい時期になると、気分の落ち込みも徐々になくなり、眠気も減少します。人によっては、4月頃になるとほぼ完治するという人もいるくらいです。

季節性うつ病には、抗うつ剤の効果があまり期待できないことがありますが、上記のように太陽の光(日照時間)が関係していることから、特に冬季うつ病には高照度光療法による治療効果が有効だったという例が多くあります。

高照度光療法で生体リズムを矯正する

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太陽の光(日照時間)が大きく影響する冬季うつ病に有効な治療法の一つとして、高照度光療法があります。

一部の精神科や心療内科などで実施される治療法ですが、朝の早い時間帯に、高照度光療法器と呼ばれる専用の照明により、強い光(3,000ルクス前後)を浴びます。
早ければ数日で、うつ症状や過眠症状などの睡眠障害が改善します。

高照度光療法については、以下の記事で詳しく説明しています。

過眠の原因はメラトニン?

季節性うつ病の異常な眠気は、脳の中で分泌されるメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が関係していると考えられています。
メラトニンは本来夜に分泌されますが、季節性うつ病の患者さんは生体リズムが乱れているため、メラトニンの分泌が不規則になってしまっているのです。

朝の早い時間に強い光を浴びる(高照度光療法)と、日中のメラトニン分泌が抑制され、正常な分泌時間に矯正させることができます。
もちろん、すべての季節性うつ病の患者さんに有効であるとは言い切れませんが、高照度光療法は上述したように大変有効な治療法の一つです。

過食の原因はセロトニン?

また、季節性うつ病の患者さんが、ご飯やパンなどの炭水化物を多く摂取するのは、脳のセロトニン(神経伝達物質)の不足が関係していると考えられています。
そのため、治療では、しっかりバランスのとれた食事を心がけるように指導されることがあります。

異常な食欲と、過剰な眠気。秋から冬にかけてのうつ状態。
このような症状がみられる場合は、季節性うつ病の可能性が濃厚ですから、症状がひどくなる前に早めに病院に行きましょう。

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