不眠症は薬なしでも改善できる?

現代の医療において、不眠症を治療するためのほとんど唯一の「方法」は、睡眠薬です。

睡眠の専門の外来に足を運べば、いくつかの治療方法の中から、有効な治療方法を選択することができるかもしれません。
しかし、現実的には睡眠専門外来はまだまだ普及しておらず、精神科や心療内科、内科での不眠治療を行っている人がほとんどです。

不眠症は、その人自身の精神状態と密接に関係しています。
特殊な事情(睡眠時無呼吸症候群などの、病的な原因)でもない限り、現代のほとんどの不眠症は①精神的なストレス②生活習慣のリズム に主な原因があります。

不眠症は薬なしでも改善できるのか?

薬を使わない治療

考えてみると、不眠症は薬に頼らずに改善させるのが、本来の健全な治療法と言えます。それはごく当たり前のことですが、睡眠薬では不眠症という病気を改善することはできないからです。

こう考えると分かりやすいでしょう。

睡眠薬は、あくまで一時的に眠気を誘うための薬です。
しかし、病気の根本的な原因は別にあります。たとえ一時的に薬で眠れたとしても、毎日続けて薬で眠り続けるわけにはいきません。そんなことをしていたら、依存症や離脱症状など、様々な副作用に苦しむことになります。

しばらく眠れずに苦しんでいた方が、睡眠薬によって睡眠を得ることにより、身体的な疲労を解消させることは、有効な方法です。しかし、これと不眠の根本治療は、また別の話です。

薬なしで改善するのは「正しい」方法?

病院とは不思議なところで、医師によって治療方法は全く異なります。不眠症でよくありがちな診断を例にとってみましょう。

ある医者は、こう言います。

「毎日、処方された睡眠薬を飲んでください。最近の睡眠薬は安全ですから、何も心配ありません。」

また、全く同じ症状で別の医師の診察を受けると、こう言われます。

「睡眠薬にはなるべく頼らない方が良いです。眠れなくても日中の生活に支障なければ心配する必要はありません。不眠症の原因はどこにあると思われますか?」

あなたなら、どちらのお医者さんに診察して欲しいと思いますか?

確かに、薬を飲んで眠りにつくことは、ある意味では楽な方法であり、分かりやすい選択です。しかし、毎日薬を飲み続けることによって、余計に自然な眠りが剥奪され、症状が悪化するのだとしたら.. あなたはどちらを選びたいと思うでしょうか?

私なら、迷わずに睡眠薬を使用しない治療法を選択します。たとえ治療に時間がかかったとしても、です。

原因に対処することが本当の治療

不眠の改善

不眠症を本気で治療したいと考えているのなら、原因となる問題を根本の部分で断ち切ることこそ、本当の治療と言えるのです。これができれば、薬に頼る必要はなくなりますし、この先同じように不眠症にかかったとしても、自分の力で改善することができるはずです。

もう一度、具体的に考えてみましょう。

精神的なストレスが原因の不眠

睡眠薬を服用することによって、一時的に不安やストレスは解消されます。睡眠薬には、麻薬と同じように向精神作用があります。
これが、脳の中の中枢神経に作用することで、気持ちが和らぎ、気分を良くすることで眠りを促してくれます。
しかし、向精神作用は、あくまで一時的なものです。薬の効き目が切れると、元の不安感は再びあなたの元に戻ってきます。

ストレスがひどく、全く寝付けない場合、一時的に睡眠薬(睡眠導入剤)で寝つきを良くすることは悪いこととは言えません。しかし、これが長く続いてしまい、薬の量や種類が増えているようなら、睡眠薬依存の可能性が考えられます。
早めに薬を断ち切り、ストレスを解消させる方法を見つけることが最も正しく、重要な治療です。

質の良い睡眠の絶対条件 – 寝る前は体と脳をリラックスさせる!

生活習慣のリズムが原因の不眠

こちらも、非常に多い不眠の原因と言えます。朝と夜の時間がずれてしまい、夜になっても眠気が訪れないのです。代わりに、朝の時間に起きられなかったり、昼間の時間に激しい眠気に襲われるのです。

厳密に言えば不眠症の一種ですが、不眠と言うよりは生活習慣病に近いものがあります(正確には、概日リズム障害と呼びます)。
放置しておけば意欲が低下したり、気分が塞ぎがちな状態が長く続いてしまいます。
これも、いくら睡眠薬を毎日服用したところで、治療には結びつきません。体内時計がずれている状態で薬を服用しても、薬をやめてしまえばすぐに元の状態に戻ってしまうからです。

根本的な問題は、朝の起床時間を一定に保つことであり(これには最初、苦痛を伴いますが)、これによって体内時計が正常なサイクルを刻むようにならなければ、睡眠薬はただの「焼け石に水」です。

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いずれの場合でも言えることは、ある程度本人の努力がなくては、根本的な不眠治療というのはありません。神経質な正確の人は、寝る前にリラックスする方法を学ぶ必要があります。

生活習慣が不規則な人は、体内時計が乱れないように、規則正しい生活を厳しく守る必要があります。

こうした努力がどうしてもできないという方は、睡眠薬を服用すれば、とりあえず(薬が効いている間は)騙し騙し眠ることもできます。
しかし、繰り返しとなりますが、それが本当の治療と言えるかどうかはまた別の話です。

最後に、経験上、私自身の考えを言うなら、人は考え方や行動を変えることにより、睡眠薬に頼らなくても一定の努力で不眠症を改善し、健康な生活を送れるようになるはずです。

また、最近では自然な成分で睡眠の質を高める、安全な「サプリメント」も販売されています。こうした物を積極的に利用してみることもおすすめです。

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