睡眠薬をやめる方法 – いつまでも睡眠薬に頼らないために
インターネットでは、睡眠薬を「止めた方が良い理由」についての情報には事欠きませんが、どのようにすれば止められるか?という具体的な方法については、あまり見かける事がありません。
睡眠薬を止めようと頑張ってみても、結局は無駄な努力に終わってしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際私も、睡眠薬を止めるまでにとても長い期間を要した一人です。
睡眠薬を使用していた期間が長ければ長いほど、止めるのにも苦労します。しかし、睡眠薬を止めるのなら、早ければ早い方が良いということに代わりはありません。
そこで、私が断薬に成功した具体的な方法をご紹介しますので、参考にしてみてください。
睡眠薬を止める具体的な方法
まずは、分かりやすいように、簡単にまとめてみました。
- 徐々に薬を減らしてく、「減薬」を実践する。
- 減薬と同時に、「生活習慣」を改める。
- 減薬時に、自然の成分でできた「サプリメント」を活用する。
- 「不安脳」を解消し、ストレスに強くなる。
すでに「この項目に書いてある方法は試した」という方もいらっしゃるでしょうが、通常の方法とは少し異なる方法を実践していますので、ぜひ詳細な説明を最後まで読んでいただければと思います。
それでは、一つずつ説明していきましょう。
1.徐々に薬を減らしてく、「減薬」を実践する
いわゆる、減薬療法という考え方です。
まず注意しなければいけないことは、睡眠薬の場合、いきなり薬の量を減らすと、逆効果になることがあるということです。
睡眠薬をどれくらいの量を服用しているか、どれくらいの期間服用しているかにもよりますが、服用量が多ければ多いほど、服用期間が長ければ長いほど、突然薬を止めようとすると、離脱症状(副作用)が現れる可能性が高まります。
離脱症状には、以下のような症状があります。
- 余計に不眠症がひどくなる
- 無性に不安を感じる
- イライラする
- 気分が悪くなる
- 妙な汗をかく
など
ですから、一気に睡眠薬を止めようなどと、無茶なことは決してしないでください。
なぜ離脱症状が現れるのか
睡眠薬は、抗うつ剤や精神安定剤と基本的な作用機序は変わりません。脳の中枢神経に作用し、一時的に麻痺(まひ)させることで眠気を誘うのです。
もしこれまで毎日睡眠薬を飲んでいたとしたら、睡眠薬が中枢神経に作用することで眠れるようになり、心の平穏を保ってきたと言えるでしょう。たとえ夜の時間だけであったとしても、同じことです。
そして、その睡眠薬が、突然なくなってしまったら・・・
眠れなくなるだけでなく、心の平穏までも保たれなくなってしまいます。そして、身体にも色々な変調をきたしてしまうのです。
一気に睡眠薬を止めようとしてみた方なら、すでに経験済みかもしれません。同じく私も経験者で、感じたことのない強い不安を感じました。
ですから、無理なく徐々に減薬することが重要なのです。
減薬を医師に相談する
減薬する際には、必ず、担当の医師に「睡眠薬を止めたい」という事を伝えた上で、無理のない減薬方法を実践したいことを伝えましょう。おそらく、どの医師も睡眠薬を止めようとする試みに大賛成してくれ、大いに協力してくれることでしょう。
ほとんどの場合、徐々に減薬すれば副作用は現れません。
しかし、うつ病などの神経性の疾患を患っている方の中には、精神安定剤や抗うつ剤と、睡眠薬を併用して処方されている場合もあります。この場合、睡眠薬の減薬により、何かしらの副作用が現れることも考えられますから、注意が必要です。
いずれにしても、自分だけの判断で、勝手に処方された睡眠薬の量を減らしたり増やしたりしてはいけません。
では、具体的な減薬方法をご説明しましょう。一歩進んでは二歩下がるように、時間のかかる方法かもしれませんが、これが安全で確実な方法と言える方法です。
具体的な減薬方法
まずは、処方された睡眠薬を、果物ナイフやピルカッターなどで、2分の1、4分の1にカットします。
だいたいの睡眠薬は、簡単に半分に切れるように、切り込みがついているはずです。2分の1と4分の1を、半分ずつくらいに分け、それぞれピルケースに分けて入れておくと良いでしょう。
もし普段、睡眠薬を毎日1錠飲んでいる場合、例えば以下のようなルールを作りましょう。
→ 4分の1の大きさにカットした睡眠薬を1つだけ服用する。
– いつもよりも眠れそうだが、少し不安。
→ 2分の1の大きさにカットした睡眠薬を1つだけ服用する。
– あまり眠れないような気がする。
→ 2分の1を1つと、4分の1を1つ服用する。
– 全く眠れない気がする。
→ 服用された規定の量(1錠)を服用する。
こうして小分けにカットしていれば、一気に大量に服用してしまう危険性も減らせますね。
目的はあくまで完全に断薬することです。3ヶ月程度をかけて、徐々に一回に服用する量を減らしていきましょう。
4分の1錠だけで眠れるように慣れていくことが、ひとつの目標です。
4分の1錠で眠れるようになれば、日によっては睡眠薬が全くなくても眠れるでしょう。
2.減薬と同時に、「生活習慣」を改める
睡眠薬を徐々に減らしていくことと同時に、自分で眠るための力を取り戻す必要があります。
睡眠薬に頼っていた期間が長ければ長いほど、自分で眠る力を長く放棄していると言えます。ですから、もう一度、自分で眠る力を蘇らせる必要があるのです。
そのために必要なことが、規則的な生活習慣です。具体的には、朝早く目覚めること。
早起きしなければ、夜は眠れない
もちろん、そうでない方もいらっしゃるでしょうが、不眠を訴える方の中には、夜眠れないからと遅くまで深夜番組をダラダラと見ていたり、休みの日はいつまでも布団に入ったままで朝遅くまで眠っているという方が結構います。
ですが、朝早く起きなければ夜は眠れない、これはごく自然なことです。
ですから、睡眠薬を止めたいのなら、朝は早く起きましょう。そして、規則正しい生活を心がけましょう。
3.減薬時に、自然の成分でできた「サプリメント」を活用する
睡眠薬の効能は、精神を安定させ、穏やかな気持ちを誘うというものです。
しかし減薬療法を進めていると、どうしても不安な気持ちに負けそうになってしまうことがあります。
そんな時は、睡眠薬に手を伸ばすのではなく、自然に眠る体質を作り出すためのサプリメントを使いましょう。
なかなか睡眠薬を止めることができない方は、既に精神的に睡眠薬に依存していると言えます。ですが、代わりとなるサプリメントを飲むだけでも、心はだいぶ穏やかになりますよ。
また、睡眠薬を減薬する時だけでなく、寝つきが悪いという時にも、サプリメントが有効です。
睡眠の質を高めるサプリメント
最近の「睡眠の質を高めるサプリメント」は、とても良くできていて、自然に眠るための体質を作るために、栄養成分が有効に機能してくれます。
また、以下の記事でも詳しく説明していますが、日本で作られているサプリメントには、副作用や体の毒になるような成分は含まれていませんから、安心して服用することができます。
4.「不安脳」を解消し、ストレスに強くなる
最後に、睡眠薬を止める上で、どうしても外せないことがあります。
それは、脳の中の「不安」を取り除くことです。
私を含め、現代人はあまりにも「不安脳」に毒されています。その原因は様々ですが、大抵の場合は日々のストレスから作り出されたものです。
本来、人間はリラックスした環境に身を置くと、向こうから自然と眠気がやってきます。それは、副交感神経と呼ばれる神経の影響です。
天気の良い暖かい日に、縁側でゆったりとした椅子に座り、お気に入りの本を読んでいると、激しい眠気が襲ってくる事があります。他にも、電車やバスに揺られている時、夏の日の昼下がり、マッサージをしてもらっている時など、強い眠気を感じる場面はたくさんあると思います。
それなのに、いざ夜になって眠ろうとすると眠れない、布団に入ると途端に眠れなくなる、一体なぜなのでしょう。
それは、リラックスした無防備な環境に身を置くことで、不安やストレスから完全に解放されているからなのです。いくら「睡眠薬が無ければ眠れない」と思っても、本当は眠る力があるという証拠です。
一方、いざ寝ようとすると眠れないのは、日頃の不安やストレスから解放されていないからなのです。つまり、いくら睡眠薬を服用しても、快眠法を実践しても、強い不安の前ではほとんど意味がないのです。
「不安脳」はどうすれば解消される?
ストレスとどのように向き合うべきか。これはとても難しいテーマです。
ストレスを感じない人生など存在しません。不安やストレスとの向き合い方は、永遠のテーマとも言えるでしょう。
人それぞれ、ストレスや不安の原因は異なるでしょうが、ストレスに強い人というのは、だいたい共通していることがあります。
この共通点を、ちょっと生活に取り入れるだけでも、不眠の解消につながるかもしれません。
まずは、このような人を想像してみて下さい。
ストレスを感じにくく、ぐっすり眠れる人に限って、健康や運動に気を遣っている。
あなたの周りにもこのような人はいませんか?どんなに忙しくても、文句も言わずに、毎日早起きをしてウォーキングやヨガ、体操を継続して行っている。
このような人は、たいてい日中も活き活きとしていて、生き甲斐や趣味も持っています。あなたの周りのこのような人達も、不眠やストレスには悩まされていないのではないでしょうか。
次に、逆の立場にいる人を想像してみましょう。
生活は不規則で、食事も脂っこくて偏ってばかり。いつも何かに不平・不満を抱いている。
現代に生きる人達は、多くの場合このような生活を送っていますね。
しかし、このような状態だと、ストレスや不安からは解放されず、その結果不眠、ひいては睡眠薬からも解放されないでしょう。
さいごに
今、睡眠薬がなければ眠れないという方にとって、これを完全に止めるということは、様々な覚悟を必要とします。
しかし、その覚悟は決して間違ってはいないと断言できます。
ですから、思い立ったこの機会に、適切な方法で睡眠薬を止め、規則正しい生活を送り、不安脳からも解放されましょう。この記事がそのきっかけになれば幸いです。