疲れ過ぎて、眠りたくても眠れない.. 効果的な対処法は
疲れていて早く眠りたいのに、なかなか寝つくことができないのは、とてもつらいことです。明日のことを考えて、早く眠ろうと気持ちが焦ると、ますます眠れなくなります。
このように眠れない状態が長く続くと、不眠が慢性化する場合があります。慢性的な睡眠不足から、日中に過度な眠気に襲われ、認知機能が低下しやすくなるのです。このような睡眠障害を、「行動起因性(誘発性)睡眠不足症候群」といいます。日本では、成人の約30%が睡眠時間が6時間以下で、23%に睡眠不足感があるという統計が出ています。
眠れない夜は、自律神経がアンバランスに
不眠と自律神経のバランスは深く関係しています。自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」とがあります。この2つの自律神経は、うまくバランスをとることが重要です。
本来、脳や体を休息させる夜には、「副交感神経」が優位に働いて、気持ちを落ちつかせる「鎮静モード」になります。そうすることで、穏やかに眠りにつくことができます。
ところが、疲れすぎて眠れない夜は、「交感神経」が高ぶりすぎている状態ですので、気分が高まり、体が「活動モード」になってしまいます。このような自律神経のバランスが乱れた状態が続くと、血管の神経が刺激され続けることになります。
これは、高血圧症や高血糖(糖尿病)などの病気の原因になってしまう恐れがあります。
不眠には「アロマテラピー」が効果的
「香り」は鼻の粘膜から吸収されるので、神経を伝って脳のホルモンバランスを刺激して、自律神経系に影響します。心身をリラックスさせてくれる香りは、副交感神経を優位にするので、心地よい眠りへと導いてくれるのです。
眠れない夜は、香りの効果を利用した「アロマテラピー」で、脳を落ちつかせて不眠を解消しましょう。中でももっとも簡単にできるのが、「芳香浴」です。
コットンなどに、エッセンシャルオイルを1滴たらして、染み込ませ、枕元に置きます。枕カバーに直接つけるのもいいでしょう。
睡眠効果のために使用する場合、香りはなるべく淡いほうが効果的です。カップに熱湯を注いで、そこにエッセンシャルオイルを1滴たらしてもいいでしょう。
最近では、電気で手軽に温める芳香器などもあります。
蒸気で寝室にアロマの香りが漂うことで、脳が自然とリラックスして、スムーズな入眠へと導いてくれます。また、アロマバスもおすすめです。
お休み前の入浴は眠りのために効果的ですし、アロマバスにするとさらに効果的です。
浴槽のお湯にエッセンシャルオイルを3〜5滴落として、よくかき混ぜてから入浴します。アロマバスに使用する場合は、なるべく肌への刺激が弱いものを選ぶようにするといいでしょう。