メラトニンの通販は危険?安全に自分で作り出すためには
睡眠に良いとして話題のメラトニン。日本では買えないため、通販で海外の製品を買おうと考える方も多いようです。
しかし、どうかメラトニンを通販で買わないでください。それは、海外製ゆえの危険性と、購入方法に問題があるからです。
そこで、おすすめするのは、メラトニンを自分で作る方法です。これこそが、一番安全で、健康的な方法なのです。
メラトニンは睡眠には欠かせないホルモン
メラトニンが睡眠に良いのは、メラトニンの2つの働きによるものです。
- 体内時計を調整する
- 深部体温を下げる
メラトニンは、夜になると、脳の中で分泌され始めます。そうすると、メラトニンの働きによって体内時計が調整され、睡眠と覚醒のリズムが整います。また、メラトニンには深部体温(身体の奥の方の温度)を下げる働きがあって、それによりだんだん眠くなります。人は深部体温が下がると眠くなるのです。
このためメラトニンは、睡眠ホルモンとも呼ばれています。
このメラトニンを、手軽にサプリメントで摂りたいと思うのは、日本人ならずとも多くの人が考えることでしょう。実際、アメリカでは、人気のサプリメントの一つのようです。
アメリカでは人気のメラトニンサプリ、日本では‥
しかし、残念ながら、日本ではメラトニンのサプリメントは販売されていません。
それには、主に2つの理由が考えられます。
- 動物の脳から抽出されたメラトニン
- メラトニンは脳内で直接作用する
メラトニンは、脳の奥深くにある松果体(しょうかたい)という部分から抽出することができます。
人間の脳から抽出するわけにはいかないので、抽出には牛やブタの脳が使われます。この場合、他にどんなものが含まれるか分からないため、人間の脳内でどのような作用を及ぼすかは見当もつきません。
化学的に合成されたメラトニンなら成分は分かっていますが、メラトニンはホルモン物質であり、脳内で直接作用するため、脳にどんなダメージを与えるか分かりません。
これらの理由から、日本ではメラトニンのサプリメントを作ることも、販売することも禁じられているのです。
参考:厚生労働省「無承認無許可医薬品の指導取締りについて 」PDF
しかし、アメリカでは人気の商品であり、日本国内にいても、通販で購入したいという方は後を絶ちません。
ですが、そこには、海外製だからこその危険性と購入方法にも問題があるのです。
海外製ゆえの危険性
海外の方は日本人よりも体格が大きく、そのため1回分の量が多いことがあります。これによる過剰摂取の可能性を否定できません。また、海外製品の中には、不衛生な場所で作られた粗悪なものや偽造品もあり、品質面でも心配はつきません。
購入方法に潜む危険性
もし海外製のメラトニンを購入しようとすると、海外から個人輸入することになります。しかし、言葉の壁や面倒な手続きがあって、個人輸入は大変なことです。
そこで日本国内で横行しているのは、個人輸入代行という手法で海外製品を販売している通販サイトです。そこでは、日本では認められていないメラトニンを、違法なまたは違法スレスレなやり方で販売しています。そして、ここで一番大事なのは、もしも重大な副作用が起こっても、すべて自己責任だということなのです。通販サイトはもちろん、海外の販売会社も責任をとってはくれません。
何も、海外製品を販売している通販サイトすべてを否定しているのではありません。そこには様々な危険性が潜んでいることを知っていただきたいのです。詳しくは、以下の記事で説明していますから、ぜひご覧ください。
メラトニンを自分で作る方法
そこで、おすすめするのは、メラトニンを自分で作る方法です。
メラトニンは、私たちがいつも食べている様々な食品に含まれるトリプトファンから合成されます。
ですから、トリプトファンが含まれた食品を積極的に摂りましょう。
トリプトファンは、以下のような食品に含まれています。
- 乳製品
- 肉類
- 赤身などの魚
- 豆類、ナッツ類
- 穀類
- バナナ
また、トリプトファンなら、日本でも通販でサプリメントが売られています。もしサプリメントを利用するなら、国産の安全なトリプトファンのサプリメントにしましょう。
おすすめのトリプトファンのサプリメントは以下の記事で紹介しています。
トリプトファンを摂ることも大切ですが、トリプトファンから効率よくメラトニンを作るには、ブドウ糖や、ビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムなどが必要です。ですから、最も大切なのは、栄養バランスを考えた食事をとることだと言えるかもしれません。
他にも、メラトニンの合成・分泌には、太陽の光が大切です。メラトニンは、朝太陽の光を浴びたら、その14~16時間後に分泌され始めることが分かっています。ですから、朝起きたら、太陽の光を浴びましょう。日中も、太陽のもとで活動的に過ごしましょう。
他にも、快適な眠りを手に入れるための様々な方法を紹介した、以下の記事もぜひ参考にしてください。
メラトニンの作用を応用した薬ならある
トリプトファンを摂り、メラトニンを作る。他にも睡眠に良い方法を色々試してみても、一向に不眠が解消しないという場合は、病院で診察を受けた方が良いでしょう。
もし、不眠の原因が、体内時計のリズムが崩れて引き起こされた概日リズム睡眠障害なら、メラトニン受容体作動薬が効果を示します。メラトニン受容体作動薬は、最近開発された薬で、製品名はロゼレムと言います(2016年8月現在、承認されているのはロゼレムのみ)。
メラトニン受容体作動薬は、メラトニンの作用を利用して作られた薬で、メラトニン受容体に結合すると、眠気を促し、体内時計を調整します。
副作用の可能性が少ないとして今注目の薬ですが、概日リズム睡眠障害以外の睡眠障害にはあまり効果を発揮しません。
もし眠れない原因がうつ病など心の病なら、心の病を治すことが先決です。正しく診断し、適切な治療を受けることが、不眠改善への一番の近道ですから、症状が重いようなら早めに病院に行きましょう。