不眠で「早朝・明け方に目が覚める」原因と対策は
早朝覚醒とは、明け方早くに目が覚めてしまい、再度寝つくことができない、不眠の症状の中でも、とても辛い症状のひとつです。
早朝に目が覚めてしまう理由は様々です。ただし、多くの場合、患者さんは何かしらのストレスや不安を抱えていることが多く、これが原因となる場合が多いようです。
脳が緊張状態になると、自律神経は間違った働きをします。例えば、本来は眠る時間にも関わらず、睡眠に必要な脳内物質が分泌されなくなってしまうのです。
不安やストレスを感じとると、自律神経は昼間の活動に必要な「交感神経」を誤って優位に働かせてしまうからです。
また、早朝に目が覚めてしまうもう一つの原因に、年齢の問題もあります。この問題は、誰もが避けて通れない、不眠の根本的な問題のひとつとも言えます。
早朝に目が覚めるのは、年齢のせい?
先ほども話の中に出てきた「睡眠に必要な脳内物質」。この物質は、睡眠ホルモンとも呼ばれています。正確な名称はメラトニンと言いますが、この物質こそ、睡眠や眠気と深い関係にあるものです。
夜になると自然と眠くなり、深い眠りを作り出すのは、メラトニンの働きのおかげなのです。メラトニンの分泌が少なくなると、深い眠りを得ることができず、寝つきも悪くなってしまいます。
しかし、残念な事実もあります。それは、メラトニンは年齢を重ねるごとに、徐々に分泌量が減少する物質だということです。
年齢と共に少なくなるメラトニン
下の図は、メラトニンの分泌量と年齢の相関関係を示した図です。
見ての通り、メラトニンの分泌が一番盛んなのは、10代の頃です。20代になれば一気に分泌量が減り始め、40代、50代と進むにつれて、更に少なくなっていくのです。
年齢を重ねる毎に、どんどん眠りの質が落ちている。そう訴える人は多いですが、実はその大きな理由のひとつは、メラトニンの減少にあります。
これは、人間の体にとっては自然なことですから、どうしようもないことなのです。
早朝覚醒を解消するには
しかし、いくらしょうがないとは言っても、ある程度なら未然に防ぐことはできます。
基本的な事ですが、睡眠ホルモン メラトニンは、生活習慣を改善することである程度分泌を促すことができるからです。
例えば、朝の太陽の光を浴びると、睡眠の質を良くすることができる。よく聞く話ですよね。この方法も、脳の中でメラトニンを分泌させるための、有効な方法のひとつなのです。
朝の時間に太陽の光を浴びれば、メラトニンの前駆体(材料となる物質)を分泌させることができます。メラトニンの材料となる栄養成分(トリプトファンやビタミンB12)は、普段からバランスの良い食生活を心がけていなければ摂取できません。効率よく摂取したいなら、サプリメントで摂取することもおすすめです。
もちろん、バランスよく食べること。それから、毎日欠かさず運動をすることも、メラトニンの分泌を促すためには、必要不可欠です。
どれをとっても、1日で劇的に症状が改善する方法ではありませんが。しかし、継続的に続けていれば、根本的な不眠症、早朝覚醒の改善には効果的です。
早朝覚醒の対策方法について、以下の記事も参考にされてみてください。