熟眠障害の症状と原因 – 正しい治療法は
不眠症と一言で言っても、その症状にはいくつかの分類があります。
少しややこしくなってしまうので、まずはどのように分類されているのか、簡単に整理してみましょう。
・睡眠障害 > 不眠症 > 熟眠障害
このように、不眠症は睡眠障害の中の症状として分類されています。
そして、熟眠障害は不眠症の中でも深い睡眠が得られない。ぐっすり眠れないといった、より具体的な症状を指しています。
「私の症状は、熟眠障害ですか?」というような質問をされる方がいらっしゃいます。
しかし、眠れない、起きられないといった睡眠障害の症状は、たった1つの「症状」にまとめてしまうことは、難しい場合がほとんどです。
熟睡できないのは熟眠障害です。しかし、それに伴って朝起きれないのなら、起床障害も含まれます。
あまり、自分の症状が「どれに分類する」ということについては、こだわり過ぎない方が良いでしょう。
問題は、なぜこのような睡眠障害に至ったのかという原因にあります。
熟睡できない、眠った気がしないといった症状の原因や、その治療法について説明してみたいと思います。
熟眠障害の症状と原因
熟眠障害の主訴(重要な症状)は、何と言っても熟睡感がないということです。
睡眠時間は確保しているのに、しっかり眠れた気がしない。睡眠が浅い気がする。こればかりは、実際に経験したことのある人でなければ、本当の辛さは分からない症状です。
熟眠障害の原因はいくつかありますが、ここでは特によくある、3つの原因を挙げてみます。
- ストレスによる神経過敏・脳の覚醒。
- 年齢や体質の変化(メラトニンの減少)。
- 思い込み、本人の勘違い。
あなたにも、思い当たる原因はありますか?一つづつ解説してみます。
ストレスによる神経過敏
現代で特に多いのは、やはりストレスによる神経過敏によるものです。仕事や人間関係、家族の問題など、何か心に引っかかるものがあれば、常に神経を(本人が気が付いていなくとも)緊張状態にさせてしまいます。
これは、熟眠障害以外にも、寝つきが悪くなる入眠障害や、早朝に目が覚めてしまう早朝覚醒にも繋がります。
この場合の根本的な治療法は、当然ストレスの原因となるものを取り除くことです。
毎日の運動の習慣のような、適度なストレスの解消法を身につけている方の場合、このような症状が起きることはまずありません。生活習慣の改善により、熟眠障害を克服できる、良い例です。
症状の深刻度によっては、精神科、心療内科などを受診し、抗うつ剤などを服用することで、症状が改善する場合があります。
年齢や体質の変化(メラトニンの減少)
深い睡眠を得るためには、睡眠ホルモンとも呼ばれる脳内物質、メラトニンの分泌が必要です。しかし、このメラトニンは年齢を重ねる毎に分泌量が減少していきます。
上記の図にあるように、メラトニンの血中濃度(分泌量)は、10代をピークとして徐々に減少します。
こうしてみると、年齢を重ねれば睡眠時間が短くなり、熟睡感も減少していくことが自然なことであると理解できます。
もし熟睡感がないのだとしても、日中の生活に支障がないのだとしたら、あまり気にしすぎる必要はないと考えて良いでしょう。
メラトニンは、サプリメントなどで補うことができます。しかし、基本的には年齢と共に睡眠の質が落ちるということは、仕方のないことであると理解する必要があります。
メラトニンを増やす為には、サプリメント以外にも、日中の運動や朝日を浴びることなど、規則正しい生活を送ることにあります。
思い込み・本人の勘違い
そんなことはあるはずない、と思う方も多いでしょう。
しかし、確かに熟睡できているにも関わらず、自分は眠れていないと強く感じている方は多いのです。
熟睡できていないという思い込みは、日中の倦怠感・精神的な負担へと繋がる場合もあります。そこで、実際に熟睡できているのかどうか、しっかりと毎日の記録をとることをお勧めします。
手書きで作成するのが面倒であれば、最近ではスマートフォン用のアプリなどでも記録することができます。
あなたが実際に布団に入った時間と、眠りについた時間。起床した時間を毎日記録することは、熟眠障害の改善に繋がります。
具体的な方法などは、以前の記事にも解説していますので、参考にされてみてください。