起床障害の症状 – 朝起きれない本当の原因は
睡眠障害と言えば、ほとんどの人が眠れない症状「不眠症」を思い浮かべます。しかし、それと同じくらい深刻な問題が、朝起きれない症状「起床障害」です。
朝起きれないということは、「普通の社会人」として生活することが困難になってしまいます。それだけに、本人にとっての精神的な苦痛は、周りの人が想像する以上に大きいものです。
にも関わらず、ほとんどの場合、朝起きれないのは本人に問題があると思われがちです。だらしがない、怠けているだけなのではないか..。
確かに、起床障害の原因の中には、本人の生活態度に問題がある場合もあります。
ただ、そうでない場合、本人を責めることは精神的な苦痛を増幅させ、余計に起きれない症状を悪化させてしまいます。
まずは朝起きれない症状について、本人自身が原因を知ることが、問題の改善には必要不可欠です。
起床障害の症状 – どうしても起きられない
朝眠くて、布団から出るまでに時間がかかってしまう。もっと眠っていたい。
多少このように感じるレベルなら、誰にでもあるかもしれません。しかし、次のような症状は注意が必要です。
- 目覚まし時計が鳴っていることに全く気がつかない。
- 家族に起こされたことを覚えていない(記憶がない)。
- 起きれないことが原因で、仕事や学校を何度も休んでいる。
- 大切な用事も、起きれない事が原因で台無しにした。
- 起きようとあらゆる努力はしているが、どうにもできない。
どれだけ努力しても朝起きれないのは、ただ、だらしがないという問題だけではありません。睡眠に異常を来すような原因が、どこかにあるはずです。
朝起きれない症状には、様々な原因があります。主な原因を挙げてみますので、心当たりがないか考えてみてください。
起きられない本当の原因は
まず、最も多い原因として、「夜眠る時間が遅い」というケースです。日本人の平均的な睡眠時間は7時間以上です。少なくとも、7時間以上眠れていないのなら、朝が起きれない、朝きつい原因は睡眠時間にある可能性があります。
うつ病で眠れない..
眠れないのが、うつ病(または神経性の病気)などにある場合、この原因を改善しない限りどうしようもありません。うつ病の場合、睡眠薬を服用しても薬が効かずに、逆効果になるケースが多くあります。
眠れない原因、眠りが浅い原因が精神的なものにある。憂うつ感や不安などにあるのなら、まずは心療内科や精神科に通う事が先決です。
体内時計のリズムが崩れている
うつ病ではなくても、眠れない症状や、極端に朝が怠い、午前中が眠くて仕方ないという人は、体内時計が大きくずれてしまっている可能性があります。
こうした人は、週末や休みの日、長期休暇になると、決まって夜型の生活リズムになってしまっています。
休みの日はほとんど昼過ぎまで眠ってしまい、夜は深夜から早朝まで起きています。夜型の生活が、本人の自己管理に責任がある場合もありますし、不規則な仕事の勤務時間にある場合もあります。
いずれにしても、最初は多少辛くとも、生活のリズムを正常に戻すために、規則正しい睡眠時間に戻し、それを維持し続けなければいけません。
本人の努力だけでは難しいのが普通ですから、睡眠外来などに通い、専門の医師のアドバイスを受ける事。それから、短時間だけ作用する、安全性の高い睡眠薬(睡眠導入剤)で、眠りに入る時間を正常な時間に固定させていくのも良い方法です。
体内時計についての詳しい知識は、以下の記事で詳しく解説しています。
自律神経失調症(起立性調節障害)
朝起きると異様に体がだるい。頭痛や吐き気、動悸、めまいなどが起きる。この場合、自律神経の不調に原因がある場合が少なくありません。神経性の病気(多くは生活習慣や、心の不調から引き起こされますが)のため、いくら内科などを受診しても原因が明らかになる事はありません。
小児の場合、自律神経失調症というよりも、起立性調節障害と言われます。自律神経の切り替えや働きが上手くいかないために起きると考えると、自律神経失調症と変わらないとも言えます。
この病気を放っておくと、うつ病などの心の病へと発展する可能性があります。できるだけ早く、親身に相談に乗ってくれる心療内科などを見つけるか、心身共に健康的な生活ができる環境を整えることが重要です。
運動や、栄養のある食生活。規則正しい生活を日々実践していくこと。何よりも、本人が「絶対に良くなろう」と考えることが重要なことだと思います。